遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

劇団コヨーテ『scrambling head wish nowhere』(TGR2019)

2019-11-06 14:36:24 | 演劇を見てきた・TGR2019

 2019/11/6

・へんな頭の男が外の世界に出ていこうとする話。

・1997年の初演は見ていないので、自分にとっては初演。

・ビニール的なもので覆われた舞台。それほど広くない舞台の上にハの字のスペースを作る。

・破れたビニールが額縁のように構図を支える。

・繋がったり外したりの短い言葉の掛け合い。

・情報交換としての会話は少なめ。

・どこに向かっているのかよくわからない、基本的には少し苦手なタイプの話。

・少しでも補助線になるようなものはないかなと、似たタイプの作品を頭の中で探しながら見る。

・ずっと芥川の『鼻』と比較しつつ見るけどなんか違う。

・自尊心の話というには登場人物が幼いし、「あなたの鼻はあなたらしくて好き」と言ってくれる弟子もいない。

・最終的には『ガラスの動物園』で落ち着く。

・同じ引きこもりでも、こちらは頭が男性器みたいなんだから、たしかに脚本が若い。

・四人芝居。大人数でわちゃわちゃもいいけど、いい役者さんが四人もいるんだから、このくらいの人数のほうが好み。

・ナガムツさんも長流3平さんも元々好きな役者さん。二人揃うともう一役のっかる。シングルプレーヤーとしても強いけど、タッグチームとしても強い。

・芯を食いすぎないよう注意深く配置された、擦れ違いのセリフ。同じ人間による若い脚本と成熟した演出。若者のように見えるけど見えない演者。

・だんだん輪郭線がぼやけて二重に見えてくる。いろいろ脈動している。高畑勲監督の後期の作品群(というか山田君とかぐや姫)を思い出す。この作品生きてる。

・作者によるとタイトルは「ぐるぐる頭、願い、なにもない、みたいな感じ」とのこと。

・試しに「スクランブリング」で検索すると登山用語で手登攀の意味もあるらしい。頭の頂上を目指し道なき道を両手両足を使って頂上を目指す。肉感的でゴリゴリしている。途中の滑落感もある。当たらずとも遠からず。

・色味もあるけど、ボタボタという音が不安感を煽る。

・設定的にも出演者的にも、もっと悪ふざけや笑い要素を盛れそうだけど、決してそこには頼らない。

・たぶんそれでは美しくないということなんだろうと思う。

(2019/6/5 20時の回)


遼一:長流3平
ミノル:ナガムツ
小松:大和田舞
テンコ:亀井健


■スタッフ
照明:上村範康
音楽:今井大蛇丸
音響操作:大谷岱右(DACT)
美術:亀井健・劇団コヨーテ
宣伝美術:升田千尋
イラスト:ナガムツ

作・演出:亀井健

※当日パンフ参照(なにぶん手入力なもので誤りがあればご指摘ください)


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