潔い秋晴れとなった土日は、北アルプスの玄関口、燕岳でテント泊でした。
はじめての燕岳は・・・
とっても良かった!

雨に泣かされた今秋をジッと耐え忍んだ先に、山は、とびっきりの秋晴れと大展望をプレゼントしてくれました!
10月15日(土)
中房温泉が登山口となる燕岳は、北アルプスの大人気縦走路の玄関口にもなるため、「第一・第二・第三」と三箇所用意された駐車場は早々に満車になるらしく、我家にしては珍しく前日の金曜日夜に出発。安曇野インターを降り、中房温泉へと続く暗く細いクネクネ山道(327号線)を進み駐車場へ到着したのは、日付をまたいだ深夜1時頃でした。
327号線は先行する車と三台連なるように走っていたのですが、到着した第二駐車場は我家を含めたこの三台で正規の駐車枠は満車!ふーーっ、危なかった!ギリギリセーフ!第一駐車場は確認しなかったのですが、第二が満車なら第一も既に満車でしょう。その後も続々と車はやってきて、細い通路にどんどん停めてゆきます。駐車場出入り口の角にまで駐車され、翌日の下山時は大き目の車が出るに出られず苦労してましたよ。
左・第一駐車場、右・第二駐車場(いずれも翌日の下山時撮影)
そんなこんなで、噂に聞いた平成駐車場合戦を目の当たりにし、北アルプスの尋常じゃない大フィーバーぶりにビックリ。少しばかり仮眠後、5:40まだ薄暗い中を駐車場出発。とぼとぼと中房温泉まで行き、登山相談所にて登山届け提出。トイレを済ませ、ベンチにておにぎり朝食~。
6:15身支度整え、今度こそ本当に出発!最初は地味で急な樹林帯を進みます。夏場は湿度が多そうですが、さすがに10月も半ば、ヒンヤリとした爽やかな空気が心地よいです。楽しみにしていた紅葉は・・これからなのか、もう終わっちゃったのか??あまり見当たりません。
登山道の下の方を見ると続々とハイカーさんが上ってきます。燕岳って本当に人気があるんだなぁー。多くの人は身軽な日帰り(もしくは小屋泊)装備、テント泊と思われる装備もチラホラ。高校生位のテント装備グループがいたので声を掛けてみると「きょうは燕山荘にテント泊で、明日は大天井へ行きます!」との事。「じゃあ、きょうのテント場は、この子達と一緒かな」なんて思っていたら結局姿を現さず。まだ時間が早かったし、若いし、大天井まで行ったかな?

それにしても二ヶ月ぶりのテント装備が重いのなんのって。寒さ対策の冬用寝袋やらダウンの衣類やらで、夏と比べ重さ倍増。特に今回がリハビリ山行となった我家のオジサンは相当キツそうです。
・・・はて?リハビリ山行とは?
実は前回の火打山の途中からオジサンが「なんか体が重い」と言い出しまして、その後も背中が痛いだの熱が続くだので病院へ行ってみると、あれまぁ急性疾患に罹患しておりました。熱は40℃まで鰻のぼり、その高熱のまま10日ほど寝たきりに。おかげで完治するまでの約3週間ほとんど筋肉を使っておりませんでした。
・・・で、今回がそのリハビリ山行です。
あまりにキツそうに見えたのか「荷物重そうですね、がんばってください」と励まされたりしながら、鬱蒼とした樹林帯を抜け、しばらく進むと・・

8:40合戦小屋です。夏場はスイカが名物のようですが、この季節はお汁粉がウリになっていました。ベンチやテーブルは霜が薄っすらと覆い、手洗い水には氷が張っています。ここで少しばかり休憩。そうこうしている間も続々とお客さんがやってきて、飛ぶようにお汁粉が売れて行きます。

8:55更に足を進めます。
少しばかり進むと・・

おっ?

槍です。唐突に槍が出現しました。ぴょこんと小槍も見えます。

なんともテンションが上がる尾根道です。この辺りから昨夜小屋泊したと思われるハイカーさん達とも擦違うようになりました。充実した小屋泊だったようで、皆さん満足そうな笑顔で下りて来ます。そして何度も「いい日に来て良かったね」と声をかけていただきました。

気が付けば燕山荘は目の前です。目の前と言ってもホイホイ着くわけではありませんよ。何気にここからの一歩一歩がキツかったなぁ。「うわぁ・・あんな高い所にあるよ~、あそこまで行くのかぁー」と。

9:55やっと燕山荘到着!いやーキツかった。一度でいいから「テント装備なのに楽々到着できました~」なんて言ってみたい。

燕山荘からの眺めはというと・・・

これは凄い!真っ青な秋空の下、山々の陰影がリアルに迫ってきます。

パノラマでどうぞ。
早速テントの受付。テントは一人700円で、支払いの証にオレンジ色の幕営手形を受け取ります。受付けの人に「きょうはとても混むと思いますので、早めにテントを張った方がいいですよ」と教えていただく。

テント場は北アルプスの反対側に面していて、安曇野の町並みや富士山、南アルプス、八ヶ岳などが遠望できます。画像は10:00頃ですが、写っているテントの大半が前日に張られたもので、この後ほどなくして、ほとんどが撤収しました。一見すると画像で見える部分だけがテント場のように見えますが、一番奥の白いテントの先にも段々畑状に下に向かって続いています。

これがその奥のテント場です。左に写っている小屋はトイレです。目の前に燕岳がドーンと迫り眺望もよいですが、日当たりが悪く寒いです。また、トイレの近くだと臭うかもしれません。この日当たりの悪さが敬遠されるのか、夕方になっても数張り増えただけで、最後までガラーーーンとしていました。
トイレはテント場専用のボットンを使う事になります。テント泊では山荘内のトイレは使用できません。ボットンなので臭いが強く、到着早々にトイレに行ったオジサンが「扉を開けたらハエが50匹位わんわん飛び回っていてビックリした!」と、恐怖に顔を引きつらせながら帰って来ました。更に不思議な事に、午後にトイレにいくと「あんなにいたハエが、今度は一匹もいない!」と二度目のビックリ。「気温が下がって寒くて便槽で寝てるか、殺虫剤でも撒いたんじゃないの」と答えておきましたが真相やいかに?
水は1L200円でわけてもらえます。自分で汲むのではなく、山荘東側にある喫茶店の外窓口に持参した容器を渡すと、中で入れてくれるシステムです。
さて肝心のテント設営ですが、どこにしようか少しだけ迷った後、富士山を望む日当たりの良い山荘側に張ってみました。ちなみに、段々の上部でトイレへ行く通路側に張ると少しだけ槍が見えます。張り終えたところで、おにぎりの昼食、そしてプシューッと一本!ビールは350ml・500円、ロング缶・700円で売られています。空き缶は引き取ってもらえます。おつまみは山行前にセブンで買った野菜スティックです。

テント場から山荘を見ると大勢の人で賑わっているのが見えます。多くは日帰りの人で、みんな楽しそうにお昼ゴハンを食べていました。

まったり休憩の後は、山荘の周りをぐるっと一周してみました。

なぜか散策中に突如足がつり、贅沢な景色を背に苦悶の表情で足を伸ばすオジサン。
中高年の山のお供「芍薬甘草湯」にて無事復活。
足つりも治ったところで、さぁ本日のメインイベント燕岳へ参りましょう~!
燕山荘からは、のんびりと散策しながら30分ほどで到着します。

それにしても不思議な景色です。

白い砂と奇岩が連なり、別の惑星へ来てしまったようです。

イルカ岩。

そしてメガネ岩。周囲には○○岩と名の付きそうな奇岩が勢ぞろい。

振り返るとギザギザとした奇岩の向こうに燕山荘が見えます。こうして見ると、高台に建つ富豪の屋敷みたいだ~。
燕岳山頂に到着しました!山頂はとても狭く(これまで行った山の中で一番狭い)、記念撮影をしたら、次の人のためにとっとと降ります。

北燕岳の向こうに立山や剱岳が迫ります。

少し下から見上げた燕岳山頂。
せっかくなので、北燕岳にも行ってみました。ここには山頂標識がないんですね。ここが山頂かな~?と思える場所で記念撮影。更に先にも行ってみたけれど、何もなかったなー。この道は、餓鬼岳へ続いているようです。
時間を見ると15時。空気がヒンヤリとして来ました。そろそろテント場へ戻りましょー。

燕岳が夕日に染まってきました。

夕暮れのテント場です。17時で気温は3℃。風が無いので体感温度はそれほど低くないです。冷え込む前にダウンのジャケットとズボンを着込みました。ダウンのズボンは今回初めて着てみましたが、これが効果抜群。夜になっても足があたたかでした。

夕飯はパイタン鍋です。熱々で美味しかったなぁー。

北アルプスの山々に陽が沈みます。

笠ヶ岳さん、また明日。

槍ヶ岳さん、おやすみなさい。

皆さん名残惜しそうに、いつまでも空を眺めていました。

「今日も良い一日でした」と、この方も申しております。

空に浩々と輝く十四日月。
日没後に売店で買い物をしようかと、山荘を少しだけ覗いてみました・・・が大混雑で断念。

夜景を眺めながら、

おやすみなさい・・。
→つづく。
はじめての燕岳は・・・
とっても良かった!

雨に泣かされた今秋をジッと耐え忍んだ先に、山は、とびっきりの秋晴れと大展望をプレゼントしてくれました!
10月15日(土)
中房温泉が登山口となる燕岳は、北アルプスの大人気縦走路の玄関口にもなるため、「第一・第二・第三」と三箇所用意された駐車場は早々に満車になるらしく、我家にしては珍しく前日の金曜日夜に出発。安曇野インターを降り、中房温泉へと続く暗く細いクネクネ山道(327号線)を進み駐車場へ到着したのは、日付をまたいだ深夜1時頃でした。
327号線は先行する車と三台連なるように走っていたのですが、到着した第二駐車場は我家を含めたこの三台で正規の駐車枠は満車!ふーーっ、危なかった!ギリギリセーフ!第一駐車場は確認しなかったのですが、第二が満車なら第一も既に満車でしょう。その後も続々と車はやってきて、細い通路にどんどん停めてゆきます。駐車場出入り口の角にまで駐車され、翌日の下山時は大き目の車が出るに出られず苦労してましたよ。
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そんなこんなで、噂に聞いた平成駐車場合戦を目の当たりにし、北アルプスの尋常じゃない大フィーバーぶりにビックリ。少しばかり仮眠後、5:40まだ薄暗い中を駐車場出発。とぼとぼと中房温泉まで行き、登山相談所にて登山届け提出。トイレを済ませ、ベンチにておにぎり朝食~。
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登山道の下の方を見ると続々とハイカーさんが上ってきます。燕岳って本当に人気があるんだなぁー。多くの人は身軽な日帰り(もしくは小屋泊)装備、テント泊と思われる装備もチラホラ。高校生位のテント装備グループがいたので声を掛けてみると「きょうは燕山荘にテント泊で、明日は大天井へ行きます!」との事。「じゃあ、きょうのテント場は、この子達と一緒かな」なんて思っていたら結局姿を現さず。まだ時間が早かったし、若いし、大天井まで行ったかな?

それにしても二ヶ月ぶりのテント装備が重いのなんのって。寒さ対策の冬用寝袋やらダウンの衣類やらで、夏と比べ重さ倍増。特に今回がリハビリ山行となった我家のオジサンは相当キツそうです。
・・・はて?リハビリ山行とは?
実は前回の火打山の途中からオジサンが「なんか体が重い」と言い出しまして、その後も背中が痛いだの熱が続くだので病院へ行ってみると、あれまぁ急性疾患に罹患しておりました。熱は40℃まで鰻のぼり、その高熱のまま10日ほど寝たきりに。おかげで完治するまでの約3週間ほとんど筋肉を使っておりませんでした。
・・・で、今回がそのリハビリ山行です。
あまりにキツそうに見えたのか「荷物重そうですね、がんばってください」と励まされたりしながら、鬱蒼とした樹林帯を抜け、しばらく進むと・・

8:40合戦小屋です。夏場はスイカが名物のようですが、この季節はお汁粉がウリになっていました。ベンチやテーブルは霜が薄っすらと覆い、手洗い水には氷が張っています。ここで少しばかり休憩。そうこうしている間も続々とお客さんがやってきて、飛ぶようにお汁粉が売れて行きます。

8:55更に足を進めます。
少しばかり進むと・・

おっ?

槍です。唐突に槍が出現しました。ぴょこんと小槍も見えます。

なんともテンションが上がる尾根道です。この辺りから昨夜小屋泊したと思われるハイカーさん達とも擦違うようになりました。充実した小屋泊だったようで、皆さん満足そうな笑顔で下りて来ます。そして何度も「いい日に来て良かったね」と声をかけていただきました。

気が付けば燕山荘は目の前です。目の前と言ってもホイホイ着くわけではありませんよ。何気にここからの一歩一歩がキツかったなぁ。「うわぁ・・あんな高い所にあるよ~、あそこまで行くのかぁー」と。

9:55やっと燕山荘到着!いやーキツかった。一度でいいから「テント装備なのに楽々到着できました~」なんて言ってみたい。

燕山荘からの眺めはというと・・・

これは凄い!真っ青な秋空の下、山々の陰影がリアルに迫ってきます。

パノラマでどうぞ。
早速テントの受付。テントは一人700円で、支払いの証にオレンジ色の幕営手形を受け取ります。受付けの人に「きょうはとても混むと思いますので、早めにテントを張った方がいいですよ」と教えていただく。

テント場は北アルプスの反対側に面していて、安曇野の町並みや富士山、南アルプス、八ヶ岳などが遠望できます。画像は10:00頃ですが、写っているテントの大半が前日に張られたもので、この後ほどなくして、ほとんどが撤収しました。一見すると画像で見える部分だけがテント場のように見えますが、一番奥の白いテントの先にも段々畑状に下に向かって続いています。

これがその奥のテント場です。左に写っている小屋はトイレです。目の前に燕岳がドーンと迫り眺望もよいですが、日当たりが悪く寒いです。また、トイレの近くだと臭うかもしれません。この日当たりの悪さが敬遠されるのか、夕方になっても数張り増えただけで、最後までガラーーーンとしていました。
トイレはテント場専用のボットンを使う事になります。テント泊では山荘内のトイレは使用できません。ボットンなので臭いが強く、到着早々にトイレに行ったオジサンが「扉を開けたらハエが50匹位わんわん飛び回っていてビックリした!」と、恐怖に顔を引きつらせながら帰って来ました。更に不思議な事に、午後にトイレにいくと「あんなにいたハエが、今度は一匹もいない!」と二度目のビックリ。「気温が下がって寒くて便槽で寝てるか、殺虫剤でも撒いたんじゃないの」と答えておきましたが真相やいかに?
水は1L200円でわけてもらえます。自分で汲むのではなく、山荘東側にある喫茶店の外窓口に持参した容器を渡すと、中で入れてくれるシステムです。
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テント場から山荘を見ると大勢の人で賑わっているのが見えます。多くは日帰りの人で、みんな楽しそうにお昼ゴハンを食べていました。

まったり休憩の後は、山荘の周りをぐるっと一周してみました。

なぜか散策中に突如足がつり、贅沢な景色を背に苦悶の表情で足を伸ばすオジサン。
中高年の山のお供「芍薬甘草湯」にて無事復活。
足つりも治ったところで、さぁ本日のメインイベント燕岳へ参りましょう~!
燕山荘からは、のんびりと散策しながら30分ほどで到着します。

それにしても不思議な景色です。

白い砂と奇岩が連なり、別の惑星へ来てしまったようです。

イルカ岩。

そしてメガネ岩。周囲には○○岩と名の付きそうな奇岩が勢ぞろい。

振り返るとギザギザとした奇岩の向こうに燕山荘が見えます。こうして見ると、高台に建つ富豪の屋敷みたいだ~。
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北燕岳の向こうに立山や剱岳が迫ります。

少し下から見上げた燕岳山頂。
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時間を見ると15時。空気がヒンヤリとして来ました。そろそろテント場へ戻りましょー。

燕岳が夕日に染まってきました。

夕暮れのテント場です。17時で気温は3℃。風が無いので体感温度はそれほど低くないです。冷え込む前にダウンのジャケットとズボンを着込みました。ダウンのズボンは今回初めて着てみましたが、これが効果抜群。夜になっても足があたたかでした。

夕飯はパイタン鍋です。熱々で美味しかったなぁー。

北アルプスの山々に陽が沈みます。

笠ヶ岳さん、また明日。

槍ヶ岳さん、おやすみなさい。

皆さん名残惜しそうに、いつまでも空を眺めていました。

「今日も良い一日でした」と、この方も申しております。

空に浩々と輝く十四日月。
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夜景を眺めながら、

おやすみなさい・・。
→つづく。