週末の土曜日は、紅葉目指して群馬県の武尊山に出かけてきました。
はて?なぜに武尊山?
はい、それは、
これまで歩いた山々の山頂で、特に目にする事が多かった武尊山。
どこに行っても真っ先に目に付くので、
なんとなく、武尊山に呼ばれているような気がしました。
まぁ、勝手な思い込みです。人生に思い込みは必要です。
おりしも台風が日本列島に近づき、やや天候が心配だったものの、
当日の予報では「午前中は曇り、昼頃に晴れ」となっていました。
っちゅーわけで、「これはGOでしょ~」と、出発進行!!
5:00頃、まだ夜明け前の登山口手前にある宝台樹キャンプ場を通過。
敷地内には何やらたくさんのテントが張られ、
高校生とおぼしき男子が、あちこちウロウロしている。
そして駐車場には群馬県内各高校のワゴン車がズラーっっ。
「うーむ、これは、もしかして、もしかすると、
山の中で団体さんに遭遇しちゃうパターンかな」→後に、予感的中。
そしてほどなくして登山口のある「武尊神社」に到着。
ここから先、ゲートの向こうはダート道となり、
終点にも7~8台停められる駐車スペースがあります。
丁度同時刻に来た群馬県内在住男性と共に、我家(普通車)もダートへ突入。
二台連なって仲良く奥へと進みました。
ダートの状態は軽~中程度で、温泉絡みで悪路を行く事もある身としては
「予想の範囲内」でしたが、先行した群馬の男性はややウンザリした模様。
たくさん雨が降るとヤバイかな。運が悪けりゃパンクするかな。
要注意ポイントは林道終点の広いスペースに入る手前、水の流れる溝。
↑ここが林道終点。山行を終えて帰ってきたら、5台くらい停まっていました。
5:55身支度済ませ、出発!
しばらくは林道の延長のような登山道を進みます。
曇り空で薄暗く、ジメリとした雑木の歩行は、いまひとつテンションが上がりません。
6:07「手小屋沢避難小屋」方面と、「剣ヶ峰」方面との分岐。
本日は「手小屋沢避難小屋」方面へ進みます。
ブナの木が黄色に染まっています。
ガスがかかっていますが、紅葉はなかなかでした。
7:07上ノ原方面との分岐。
少し進むと、左手の森の中にポツンと
銀色のカマボコ型手小屋沢避難小屋が見えました。
この辺りからいよいよガスが深まり、木からの雫が雨のようにポタリポタリ・・。
しまいには「これはもう、雨と言ってよし!」という位ザアアーッと降りだし
(いや、もぅ、本当に雨だったかもしれない)
慌てて雨具を着込みます。ちなみに、この時点での気温7.7℃。
でも歩いているので全然寒くはないです。はい。
8:20ここから鎖と梯子が続きます。
高原地図で危険マークがついていたので相当ビビッていたものの、
実際は緩やかな斜面で、しかも親切な事に、
「これでもかっっ!」というくらい梯子がかけられている!
「なんてサービスのいい登山道なんだろう!さすが百名山ブランド!!」
と感心していたら、実は少し前に、なんちゃらトレイルの大会があって、
その時に設置された梯子がそのままになっていたそーな。
・・・なんだ・・そうだったんだ。
まぁ、でも、せっかくなので、ありがたく使わせていただきました。
8:40「本当は爽やかなんだろうな~」と思える尾根歩きも、
ガスで真っ白けっけ。・・なんかもぅ「あなたの知らない世界(古っっ)」ですよ。
8:56山頂到着~。
既に5~6人の人が居て「お疲れ様~」と迎えてくれました。
三角点は、堂々の一等。山頂気温は9.5℃でした。
さぁ、楽しみにしていた360℃の眺望は!?
これまで武尊山を眺めた山々が全て見えるはずですよ!
さぁ、ご覧!
ジャジャーーーン!!
・・・・・。
見事なまでに真っ白けっけ。
ここで、しばし(真っ白な)眺望をおかずにオニギリ休憩。
我家の隣には、今朝ダートをご一緒した群馬の男性が、
やはり真っ白けっけの空間を眺めながら寛いでいる。
しばらくして背後にいた数名のハイカーさんが、無線でなにやら会話を始める。
ハイカーさんだと思っていたのは、実は今朝キャンプ場で見かけた高校生の引率の先生方で、
どうやら本日は山岳部かなにかの合同合宿があり、大勢の男子高生が入山するらしい。
しかも会話の内容から察すると、既に数組の学生さんが山行を開始し、
じりじりと山頂に迫って来ている様子。
(ううぅむ、これはヤバイ、団体に追いつかれたら、
この先の全行程が男子校生まみれになってしまう)
などと思っていたのは、隣の男性も同じだったようで、
急にそそくさと荷をまとめ、とっとと剣ヶ峰方面へ歩いて行ってしまった。
(ヤバイ、うちもなんとか逃げきらねば・・)
9:25男性の後を追うように、我家も剣ヶ峰方面へ出発。
「おっちゃーーん!待ってくれよぅ、置いてかないでくれよぅ!」
と、心の中で叫びながら後を追うものの、おっちゃんの逃げ足は驚くほど早く、
アッという間に姿が見えなくなってしまった。
↑ちなみに剣ヶ峰方面への山頂直下は、こんな具合で、
シャリシャリの石が滑って、なかなかの歩きにくいのです。
先行したおっちゃんが時々足を滑らす「ジャリーーーン」という音だけが
静かで白い登山道に響きます。
そして相変わらず「あなたの知らない世界」は続きます。
本当なら遠くの山々も見渡せて、爽快な尾根歩きを楽しめたはず。
せっかくの紅葉も、心なしかくすんでます。
この先、剣ヶ峰分岐に至るまで、チョコマカとした上り下りの連続で地味に疲れた。
10:20剣ヶ峰分岐。
ここにも、高校の先生方が待機していました。
(うーむ、学生さん達はどうやら我家とまったく同じルートを歩くらしいですよ)
剣ヶ峰は、どうせガスで眺望もないだろうし、行くかどうしようか迷いましたが、
高原地図によると分岐からわずか5分程度で着くらしく、せっかくなので寄ってみる事に。
我家の遅足では10分かかりました。
10:29剣ヶ峰に着くと、案の定ガスまみれで眺望はなく、
しかも、ちょい強めの風が吹いていました。
ふと足元を見ると、
なんと、石楠花の木に寄り添うようにして、
森の妖精「木霊」がいるじゃありませんかッッ!!
・・・と、一瞬ビビリましたが、よく見たら、
さきほどの群馬のおっちゃんが、風から身を隠すようにチョコンと座り込んでいました。
5分ほど話しをした後、今度は我家が先に出発。
再び剣ヶ峰分岐へ戻って来た後、
・・・・ここからが酷かった。
いや、もぅ、この先の激下りが、
最低、最悪の悪路だったんですよ!!!
濡れてツルツルになった岩と石と木の根、
そして田んぼのように、たっぷりと水分を含みヌチャドロになった土!!
滑らないように一歩一歩慎重に、ヌッタヌタになったドロの上を歩きます。
トレッキングシューズの裏には天ぷらの衣のように、どんどん土が溜まるし、
少しでも油断すると滑るし、かといって、大人の意地で絶対に尻餅だけはつきたくないし!
もぅ、このヌチャドロゾーンとの戦いだけで、武尊山でのエネルギーを全て使い果たした!
高原地図の梯子場に付けられていた「危険」マークを、こっちに付けて欲しいくらいですよ!
おかげてヌチャドロゾーンを脱する頃には10才くらい老け込んだ・・・。
ようやく「危険ゾーン」を脱する頃、今度は背後から何やら地鳴りのような気配を感じる。
ゆっくり振り返ると・・・
キターーーーーッッ!!
上から大量の男子高生が、怒涛のごとく降りてくるじゃありませんか!
ひぃぃぃっ、追いつかれたぁぁ!
遂に男子高校生団体の第一波に追いつかれてしまいました。
さすが若いもんは、足が速い。
少しの間、男子校生に押し出されるように登山道を勢い良く下っていましたが、
いよいよ距離が縮まり、「これまでだぁッッ」と、やや広いスペースに退避、
その横を高校生が挨拶しながら次々と通り過ぎて行きます。
大人と違ってヌチャドロ道でも躊躇なくドスドス歩き、尻餅もガンガンつくらしく、
みんな、足から腰にかけて田んぼを歩いて来たかのようにドッロドロ。
あれだけガッツリ泥んこになったら、逆に吹っ切れて自由に歩けるだろうなぁー・・
と、ちょっと羨ましくなり、自分も「ヌタ場で転がってみようか」などと一瞬思ってしまった。
若い勢いで登山道をハイスピードで下る高校生達も頑張っていたけれど、
第一波の最後尾についていた4~50代位の先生も置いてかれまいと頑張っていた。
ガンバレ先生!若いモンに負けるな先生!
そんな団体第一波が通り過ぎた頃、周囲を覆っていたガスも抜け・・
おぉっっ、目の前には鮮やかな紅葉が・・!
これですよ、
求めていたのは、これです!
木立の間から谷川連峰の赤く紅葉に染まった山々が見えます。
その後は、静かな秋の雑木歩き。
ゆっくり、のんびり歩きます。
武尊山はブナが多いので、秋は黄色の世界ですね。
綺麗だなぁー。
13:02駐車スペースに帰って来ました。
なんと帰りも、
結局、最初から最後まで一緒でした。
「呼ばれた」と勝手に思い込み、ノコノコやってきた武尊山でしたが、
濃いガスにドロドロの泥道・・実はあまり呼ばれてなかったかもしれない。
天候はややイマイチだったものの、突っ込みどころ満載で終始笑いが絶えず、
いろんな意味で楽しかったなぁー。
いつの日か、また来ますんで、
その時はまた遊んでやってください、武尊さん!
山行の後は、未湯だった「旅館たにがわ」で汗流し。
すきっ腹で食べた高橋のチキンは、今日もおいしかった。
・ホームページ(はしご湯のすすめ)