ensemble MARY's Cafe

フルート4人組”ensemble MARY's"(アンサンブル マリーズ)Yuko のエッセイ

小鼓と大鼓

2005-06-09 | 音楽・芸術・文化
   能楽大倉流 小鼓方十六世宗家 大倉源次郎先生

日本の太鼓類の中で小鼓、大鼓といった鼓だけが、ばちを使わず、手で打ちます。元々は祭りの場で、神が天から降臨する事を願う楽器だったともいわれています。元来は寺社に奉納する芸能だった能の、その最初から欠かせない楽器だったのでしょう。

小鼓、大鼓にはそれぞれの役割があります。
小鼓は桜の木をくりぬいた筒を馬革で仕立てられた二枚の革で挿み、調べ緒と呼ばれる麻紐で縫い合わせます。小鼓は左手で持ち、右肩に乗せて右手で打ちます。持ち手である左手の握り具合と打つ右手の指を変えることにより、音を打ち分けます。能楽の中では謡の合いの手など、彩りを添え華やかです。ドラムで例えると、スネアドラムでしょうか。

大鼓は構造はほぼ同じですが、小鼓よりも大きいので音が低いと思っていました。実際には鋭い、高い音がします。これは革を火であぶって硬くしているためだそうです。能楽の中では主に進行を司る役目で、ドラムで例えると、バスドラムのようです。

能楽は基本的には、笛、太鼓、小鼓、大鼓、謡の編成です。これを聞いて、女性はピンと来ませんか?そうです!雛祭りのお飾りの五人囃子です。かつては婚礼の際にこのような能楽が奏でられたのですね。

はるか昔の、優雅な婚礼の宴が目に浮かぶようです・・・