Vocal Sessionにご参加の方々の歌を聴いて思うこと・・・
まず、一番気になることは、「何を歌いたいのか?」「どうしてその曲を選んだのか?」
ということです。 最初のきっかけは、もちろんいろいろだと思います。
「誰それのこの歌を聴いてカッコ良かったから」
「自分も人前でライトを浴びてみたい」
「カラオケとは違うステージで発散したい」
でも、究極の目的は、自分と聴いている人を癒すことなのであり、
「何を、どう歌えばそれに近づけるか」というのは、「上手い」と思われるかどうか、
ということよりも重要です。
次に、陥りやすい間違いとして、「意味のないフェイク」があります。
フェイクというのは、オリジナルのメロディーやリズム、アクセントのポイントを
意識的に変えて、よりいい感じのスパイスを効かせる、とでもいうのかな、
そういう効果をねらって変化させることを言います。
どこかで聴いたようなフレーズやアクセントをむやみに入れて、もとのメロディーとは
かけ離れたものを作り上げてしまう場合があります。それが、より良い効果を
生んでいればいいのですが、かえって不自然になって、元よりも良くないことが
けっこう多いものです。
昨日の袴塚さんのお言葉;
「この言葉、四分音符二つで書いてありますよね。その意味を感じてください。」
そう、まさにそういうことです。毎回同じように歌え、と言うのではありません。
ただ、作者がその音符、その休符、その長さでその言葉をあてはめた意図を
十分に感じてそれを生かすように、また、より良くなるように歌って行くことが
大事なことなんです。
共演のミュージシャン(特に伴奏の要であるピアニスト)は、
「歌い手と一緒にその曲をいかに表現するか」に神経を集中しています。
何の曲を、どう歌いたいか、を強く感じさせるように歌う、それに向かって
練習したり工夫する、というのが、まず最初に意識していただきたいポイントなのです