Box of Days

~日々の雑念をつらつらと綴るもの也~ by MIYAI

Pat Garrett and Billy the Kid

2007年09月18日 | diary
 昨日はサム・ペキンパー監督の『ビリー・ザ・キッド』をようやっと観た。ペキンパーと言えば、『ワイルド・バンチ』であり『ゲッタウェイ』であり『コンボイ』なわけだが、古いロック・ファンにとって、この映画は、ボブ・ディランであり、“Knockin' on Heaven's Door”ということになる。で、僕は古いロック・ファンなので、「音楽もインストが多く、ディラン本人の出演シーンもそれほど多くない」という音楽雑誌の記述を何度か読んだことがあったりして、なんとなくわざわざ観ることもないかなぁと、これまで放っておいたのだけど、いきつけのアナログ・バーにビデオがあったことで、こうして無事観ることができたと、そういうわけ。

 で、これが思っていたよりもずっと面白い映画だった。ペキンパー監督らしい哀愁漂う西部劇で、クリス・クリストファーソンもジェームス・コバーンも、とても良かったと思う。そして、ディランの音楽も、映像や物語にぴたりとはまって素晴らしかった。ディランの出演シーンに関しては、あんなもんでいいと思う。いてもいなくても支障のない役だったし、彼のファンでない限り、楽しめるような演技じゃなかった。棚にある商品をずっと読み上げて行くシーンが、僕は気に入ったけど、それは僕がディランを好きだからであって、冷静な意見じゃない。

 ビリー・ザ・キッドと言えば、失われゆく西部の象徴なわけで、ひょっとするとジェシー・ジェームスよりも人気があるかもしれない。まぁ、僕はどちらの伝説も好きだけど。

 読みすすめている『John』は、ちょうど半分が過ぎたくらい。昨日も海に持っていって、それからマックの椅子に座って、夜は『ビリー・ザ・キッド』を観た後にベッドに寝っころがりながら、読んだ。今は楽しい話が多く、安心して読んでられるけど、こっからはつらい記述が増えることになる。この本に限らず、ジョンの本は、どれも最後にはつらい結末が待っている。そこが僕には…ちとつらい。

Good to Me

2007年09月17日 | diary
 オーティス・レディングの『The Soul Album』が流れる部屋から。昨日、友達が来たときに少しかけて、そのままになってたんで。これはいつ聴いても素晴らしい。外では電気工事をしてたりする。でも、気にせず窓を開けて、ちょっぴり大きな音でオーティスを聴いている。

 午後3時を過ぎた頃、僕がサラダを作っていると、友人が自転車に乗ってやって来た。手にはリンゴ・ジュースとかっぱえびせんを持っていた。僕は蕎麦を茹で、味噌汁を作って、サラダと一緒に出した。で、レオ・コッケのレコードを聴きながら、2人で遅い昼食を食べた。それからオーティス・レディングをターン・テーブルにのっけて、リンゴ・ジュースとかっぱえびせんをいただいた。自転車で海へ行き、ウクレレとブルースハープで、井上陽水ちっくな歌をてきとーに作って歌ったりした。知り合いが犬を連れて通りがかり、そんな僕らの写真を撮ってくれた。陽が暮れそうになると、僕らは駅向こうの銭湯へ行くことにした。そこは昭和的な外観のくせに、中は極めて平成的だった。銭湯でタオルを買ったら250円もした。高いと思った。でも、久しぶりの銭湯は、なかなかいいもんだった。風呂上がりに近くの焼き鳥屋に入ると、そこは昭和的な店で、テレビでは巨人戦がやっていた。ビールの大瓶を2人で分けて飲んだ。胃が悪いという友人が、もう冷たいものは飲まないというので、それからは熱燗を飲んだ。友人は「気にせずビール飲んでくださいよ」と言ってくれたけど、僕も尿酸値が高いのでちょうどいいのだと言った。しみじみとした空気が、昭和的な店内に実に昭和的に流れた気がした。そして、これまでのように、いきつくところまで飲みつづけるのはもうやめようじゃないかと話し合った。そして、僕らはそこそこの時間で切り上げ、次の店に行きたいのを我慢し、この日は別れた。部屋に戻ったのは、午後10時頃だった。

 なんとなく、自分を律することができた気分だった。これからもこの調子でがんばっていきたい。

 今日もこれから海へ。ジョンの本を持って海へ。今、ブライアン・エプスタインが登場したとこ。これから快進撃がスタートすることになる。いけー、ビートルズ!

Ain't She Sweet

2007年09月16日 | diary
 天気のいい連休中日。海もそれなりのにぎわい。所沢や足立などのナンバーをつけた「プチ・リゾート組」の車もちらほら。

 今朝トーストを焼こうとしたらパンが切れていた。そこで、ちょっくら考えてから、朝マックしに海沿いのマックへ出かけた。ホットケーキとアイスコーヒーを注文し、割と座り心地のいい椅子のある窓際の席でそれらをぱくつきながら、シンシア著の『John』を読み始めた。

 前も書いたかもしれないけど、みんなジョンの悪魔のようなところに惹き付けられたのだと、僕は思っている。面白くて、罰当たりで、誰よりも鋭利な言葉とクールな態度で、唐突に誰かをこてんぱんにやりこめるジョンに、憧れたんだと思う。きっと理屈や道理を超えてかっこよかったんじゃないかなぁと。で、そんなジョンが仲間だけに見せる平等な目線や優しさを知ると、なんだか認められたような気分になって、さらにさらに惹かれていったんだと思う。全然比較にならないけど、僕自身、長くつきあいたいと思う友人達には、多く場合、彼らの長所よりも短所の方に愛着があったりするので、案外そういうもんじゃないかなぁと思ってしまうのかもしれない。まだ、ちょっとしか読んでないけど、この本の中にはそんなジョンがいるような気がして、読み進めるのがとても楽しみになった。

 結論:やっぱりヨーコよりシンシアの方が信用できる。

 区切りのいいところで本を閉じて、海へ。いつものボードウォークに着くと、海はとても青くきらきらと光っていた。Tシャツを抜いでごろんちょ。視線の向こうの空もまた青く、どこまでも広がっていた。降り注ぐ太陽はぽかぽかと暖かく、僕はうとうとしたり、ジョンのことを考えたり、携帯にきたメールに返事を書いたりした。そんな風にして午前中は過ぎていった。

 で、今は午後1時の風呂上がり。ビートルズの『Anthology 1』を聴く昼下がり。“Ain't She Sweet”とか“Besame Mucho”とか。これからちょっとだけやることなって、後で友達が遊びに来る予定。そんな風にして残りの時間は過ぎていくと思われる連休中日…だったりする。

Final Cut

2007年09月15日 | diary
 今日から世間は3連休なんだそうで…。その辺の感覚がすっかり抜け落ちてる今日この頃。遅めの昼飯にパスタを茹でたんだけど、微妙に量が足りなかったらしく、さっきコンビニに行ってサンドウィッチを買ってきた。麦茶とハムのサンドウィッチをいただきつつの日記なり。

 昨日は苦手な英語メールを書いた。頭も心もかなり真剣に使って、ひぃーひぃー言いながら書き上げ、送信をクリックしたときには、しっかり5時間ほどかかっていた。さすがにぐったりする。それから江ノ電に乗って、中西文彦氏の演奏を聴きに行く。場所は、鎌倉の古い一軒家を改造したカフェ。僕が着いたときには演奏はもう始まっていた。中西氏は、いつもよりもかなりフリーキーな演奏をしていた。なんでも、エグベルト・ジスモンチのライヴを観て、そんな気分になったんだそうな(もちろんそれだけじゃないんだろうけど)。自由度の高いライヴだった。

 部屋に戻ると、さっき書いたメールの返事が届いていた。それは嬉しい内容で、僕はほっと胸をなでおろした。きっと今夜はうまく眠れないなぁと思い、いつものアナログ・バーへ。ドアを開けると、店内はいっぱいだった。僕はカウンターに座って、ビールを注文し、飲み干してから、タコのマリネとコンビーフを頼み、またビールを注文した。金曜日の夜らしい賑やかな店内では、少しファンキーなジャズが流れていた。

 店を出たのは午前1時40分頃だった。僕はすぐには家に帰らず、自転車でぶらぶらしたり、自転車を止めて座ったり、そんなことを1時間をほどしていた。帰ってからは、ピンク・フロイドの『Final Cut』をターンテーブルにのせて、A面だけ聴いたところで、睡魔に襲われ、寝た。

 目が覚めたら、あと30分ほどでお昼だった。携帯を見ると、着信がたくさん残っていた。僕はベッドから出ることなく、ごろごろと転がりながら、長電話をひとつした。ふとカーテンを開けてみると、外はとてもいい天気だった。

Honey Hush

2007年09月14日 | diary
 今日はとても気持ちがいい。ずっと外にいたくなるくらい。後で海に行ってこよう。自転車に乗って行ってこよう。そうしよう。

 昨日はCDショップをあちこちまわり、夜はビートリィな友人と飲んだ。キャロル・キングのチケット代金を支払い、シンシアのジョン本を借りる。最初はあれこれと世間話をしていたのだけど、いつしかポールのアルバムの曲順当てクイズへ。早速、『Back in the U.S.S.R.(Choba B C.C.C.P)』、『Unpluged』、『Run Devil Run』からスタート。ところが、これが2人ともほとんど玉砕状態。「これはもうほんと大好きでねー。死ぬほど聴きましたよー」とか言ってるくせに、ひどいときは2曲目から出てこない。挙げ句の果ては、「そもそもどんな曲が入ってましたっけ?」とのたまい、ようやっと曲名が出てきても、それがどんな曲か思い出せなかったりする。“Honey Hush”が、ものすごーくかっこいい曲なのはよーく覚えてるんだけど、2人でどんなに頭をひねってもメロディが出てこない。これではどうにもすっきりしないので、終電の時間が近づいてはいたけれど、近くにあるビートルズ・バーへ駆け込み、“Honey Hush”を聴かせてもらったのだった。ほらね、すごくかっこいいじゃん。

 しかし、微妙にショックだった。こんなんでポールのビッグ・ファンを自認してていいのだろうか?そんなことを逡巡しながら、帰りの電車の中で思ったこと。

 すべて酒が悪い。全面的に酒のせいだと思う。

 …ということにした。でも、心にある自責の念は消しきれず、今日は朝からずっとポールを聴いてたりする。えっと、『Back in the U.S.S.R.(Choba B C.C.C.P)』とか『Unpluged』とか『Run Devil Run』とか。ほらね、すげーかっこいいよ。いぇー、ポールさいこぉー。

 今夜は時間があったら、鎌倉の大仏の近くにあるカフェへ行ってみるつもり。中西文彦氏のソロ・ギター・ライヴがあるので、行ってみるつもり。ひとりでふらりと行ってみるつもり。それまでに済ますことを済ませてしまおう。そうしよう。

今日はお出かけ

2007年09月13日 | diary
 夜中目を覚ましたら、少し肌寒かった。「ふがぁ…、いよいよそんなことになってきたかぁ」とひとり言などひとつつぶやき、毛布を引っ張り出して、頭から被ってみたら、気持ち良く2度寝できた。ほんともう、そんな季節がやってきてるんだと思う。

 その際、少し気にかかることがあったので、メールをチェックしてみたら、案の定、ちとめんどくさいのがひとつ届いてた。別に悪い内容とかそういうんじゃないんだけど、なかなか思った通りにはいかないという話。というわけで、もうひとがんばり。

 昨日は一歩も外に出なかったので、これで3日間がっちり部屋にこもっていたことになる。元々そのつもりでいたことだけど、ほんとにそうなったんで、ちょっとびっくりしないでもない。だって、普通少しくらいは出かけるよね。病気でもあるまいし。用事なさすぎ。ま、雨とか降ってたし、それらしい状況ではあったけれど。

 思い通りにいかないのはめんどくさいけど、思った通りというのも、それはそれで面白くないな。勝手なものなり。

 今日は昼前に出かけて、夜遅くに帰ってくる予定。さくっとお酒なども飲んでくるつもり。なんだかちょっと嬉しい。

十四才

2007年09月12日 | diary
 朝からハイロウズのベスト盤など。心なしかコーヒーの減りがはやいような…。気のせいかもしんないけど。さ、今日も1日元気出してこう。おー。

 6月に会社を辞めてから、外に出る機会とか人に会う機会というものが、ぐぐぐぐーっと減った。で、元来の世間知らずが輪をかけてさらに世間知らずになってたりする。さすがにこのままだとよろしくないかもしんない…と本能が察知したのかなんなのか、最近はときおりテレビをつけてみたりする。ニュースとか情報番組をそれとなく眺めたりする。で、血肉にならないことを身につけてみたりする。でも、結局、なんの解決にもなってないんだけど。

 昨日は1歩も外に出なかった。今日も基本的には部屋にいると思う。でも、明日は出かける。明後日も出かける。部屋にいるときは誰ともしゃべらないのに、外に出るといろんな人に会うので、けっこうたくさんしゃべったりする。つまり、けっこう極端だったりする。もうちょっとそこそこな日があるといいなぁと思ったりもする。

 この前スーパーでだいぶ久しぶりに「ふえるワカメちゃん」を買った。で、昨日それをひとつまみお椀に入れて、水にひたしたら、ワカメちゃんはみるみるうちに膨張し(という言葉が適切かわからないんだけど)、なかなか立派な姿を見せてくれた。昔、「これって何倍くらいになるんだろうね」と訊ねたら、「10倍じゃない」というかなりいい加減な答えをもらったことがある(即答だった)。そんなことを思い出しながら、昨日僕は、醤油をかけて、膨張したワカメちゃんを食べた。

 ちょっとした理由で、チラシをいくつかひっぱり出したら、渋谷にあるモッズっぽいバーのものが出てきた。多分、行ったことのない店だと思う。どうやらロニー・レインの映画を観に行ったときにもらったものらしい。裏面にThe Whoの写真と“Keep the Face! Move on Up!”の文字。ふむ、今度行ってみよう……あれ?うーんと、前に連れてってもらったような気もしてきたな。そのときは、バスペールエールを飲んで、ポールのライヴ盤が流れていたような。同じ店だったりして。そんな気もしてきた。

 ヒロトが♪ジョナサン~と歌っている。僕は一度だけハイロウズのライヴに行ったことがある(後注:その後フェスでもう1回観た)。そのとき、この曲はまだCDになってなかったと思う。できたての新曲で、とてもいい曲だなぁと思った。

You're Missing

2007年09月11日 | diary
 昨日友人から感動的なサイトを教えてもらったので、まずその話題から。えっと、パティ・ボイドのサイトです。トップ・ページからいきなりジョージとの2ショットです。他にもそこかしこにジョージがいます。エリックもいます。見たことない写真がいっぱいありました。はっきしいって息がつまりました。はぁはぁいっちゃいました。よかったら覗いてみてくださいませ。ジョージに会いにいってみてくださいませ。ジョージがくつろいでます。あーよかった。

 昨日は予定通り、1日部屋に引きこもっていた。いくつか電話をかけて、ひとつだけ電話がかかってきた以外は、歌を歌うこともなく、ずっと黙っていた。幸いコンポは好調に動いていたので、エリック・クラプトンとかJ.D.サウザーとかを聴けたので、さびしくはなかったけど。

 さて、スプリングスティーンのツアーが決まり、各地のチケットが続々と発売されていっている。どう逆立ちしたところで遠征不能な僕としては、ただ指をくわえて見てるだけなんだけど、昨夜は遂にあのマジソン・スクエア・ガーデン公演が発売ということで、なんだか妙にそわそわしてしまい、どうにもならないことはわかり切っているのに、さてどうしたもんかと、うんうん唸ってみたりしつつ、とりあえずDVD『Live in Barcelona』を鑑賞して、少しでもスプリングスティーンのライヴに行った気になることにしたんだけど、…けっこう逆効果だった。

 でもさ、どうせ即完売だったに決まってるわけで、行くつもりでもチケット取れなかったかもしんないわけでね。そんな風に自分を慰めつつ、「“You're Missing”ってほんといい曲だよね…」とつぶやいた午前1時ちょっと前だった。

 窓の外は曇り空。風もなく、部屋はちょっと蒸し暑かったりする。僕は今日も引きこもりの予定。で、多分、ずっと黙ってるんだと思う。でも、もしかしたら、ちょっとだけ歌を歌うかもしれない。“You're Missing”とか“Matamoros Banks”とかを。あと、麦茶をいっぱい飲むと思う。しゃべらなくても、なぜか喉だけは乾いたりする。

ひとりの時間

2007年09月10日 | diary
 うちの洗濯機はよく止まる。止まると蓋を開けて、片寄った洗濯物をほぐしてあげてから、また蓋を閉めると、動き出してくれる。今朝はそんなことを3回ほどくり返した。ヤフオクで安く買った中古品なので、まぁ文句は言えないんだけど。あと、随分前からテレビの映りも悪い。ビデオやDVDとの接触もよろしくなく、観ているとときどき画面が真っ暗になる。そして最大の問題は、オーディオ・コンポの調子がいよいよ末期感を漂わせつつあることで、洗濯機なら壊れても手洗いすりゃいいし、テレビやビデオは見なきゃいいだけのことだけど、コンポはちょっとね…。

 でも、今朝は(今んとこ)調子良く鳴ってくれてる。エリックの『No Reason to Cry』を楽しく聴けている。どうかこんな日々がいつまでもつづきますように。

 外は細かい雨が降っている。出かけようと思ってたけど、傘をさすのが億劫なので、やめた。で、ついでに言うと、明日も明後日も、多分どこにも出かけない。というのも、部屋でやらなきゃいけないことを、この際、まとめてやってしまおうと思ったので。

 そんなわけで、コンポの調子がますます気にかかってたりする。シーン…とした部屋で3日間も過ごしたくない。

 でも、今んとこは調子良く鳴っている。エリックのギターがきゅんきゅん鳴っている。なんとかこのままの感じで突き進んでいただきたい。どうぞよろしく。

終わりかけの日曜日

2007年09月09日 | diary
 昨日はBBQに誘われ、初めて登戸という駅に降りた。友人と合流し、はじめましての人達とご挨拶。天気も良く、風も気持ち良く、肉もビールも美味しかった。多摩川の河川敷は、夏が終わったからか、それほど人はいなかった。何度か追加の買い出しをし、焼そばを作り、野菜炒めを作ったら、いつしか夜になっていた。きれいに片づけをし、みんなで駅へ向かう。そこからは飲みに行く人達と、帰る人達に分かれた。僕は2次会へは行かなかった。なんとなくその方がいいような気がしたので。別に他意はなく、ただなんとなく。

 地元の藤沢駅に着いたのは、午後9時頃だった。ときたま行くジャズ・バーで、島田吉隆氏のバンドがライヴをやっているというので、観に行く。店のドアを開けると、70年代の匂いのするブルース・ロックがいい音で鳴っていた。島田氏はCharやボ・ディドリーのバンドでドラムを叩いていた人で、その演奏はとても多彩で、変化にとんでいて、聴いていて飽きることはなかった。「あんな音をどうやって出しているのだろう?」と、立ち上がってみるんだけど、残念ながら僕の席から島田氏のスティックさばきは見えなかった。ギターは21歳の青年で、この界隈では評判のギタリストだった。確かに上手で、ちゃんと雰囲気のあるギターを弾いていることに感心した。ただ、島田氏との年齢差もあってか、どうしても遠慮してるように感じてしまう。そこがなんだか歯がゆく、もし彼が、例えば自分のバンドとかで伸び伸びと弾いたときに、どういう演奏を聴かせてくれるのか観てみたいなと思った。

 ライヴが終わってから、いつものアナログ・バーへ行くと、友人数名がカウンダーで飲んでいたので、そこにまぜてもらう。いつも元気な人がこの日は少し落ち込み気味で、ちょっと心配になった。マスターが奥さんの発表会(サックスを習っている)の写真を見せてくれた。ある友人が釣ったイワシの写真を見せてくれた。また別の友人がボブ・ディランの話をしてくれた。僕は昨日聞いたキウイ・フルーツの話をした。そんな風にして時間は、いつも通りに、流れていった。

 ラーメンを食べようということになり、最後に1本のビールをみんなで分けて飲んだ。少し落ち込み気味なその人に「つらいときは『Born to Run』を聴けばいいんです。元気が出まっす!」と力強くアドバイスをしたら笑われた。図書館前にとめた自転車を取りに行くのを、友人のひとりがつきあってくれた。道すがら21歳のブルース・ギタリストの話をすると、「あんなの全然ダメですよ。もう聴いてて気持ち悪くて」と、かなり辛辣な意見が返ってきたので驚く。「そこまで言うことなくねー?」と、それからしばらくの間、図書館前にて議論をし、気がつけば午前2時半を過ぎていた。

 今日は高校時代からの友人と13時に待ち合わせ、一緒に昼飯を食い、打ち合わせなどをしてきた。で、さっき帰ってきたとこ。そろそろ外は暗くなりつつあり、なんとなく1日が終わりかけてたりする。遅くまで飲んだ翌日は、1日がとても短い。