Box of Days

~日々の雑念をつらつらと綴るもの也~ by MIYAI

オリジナリティ

2006年01月11日 | diary
 ちょいと面白かったこと。

 僕がブルース・スプリングスティーンのファンであることは、この日記を読んでくれている人ならある程度は知っていると思うけど、僕がピート・タウンゼントのこともけっこうしっかり好きなことも、やっぱり知ってる人はそれなりにいるんじゃないかと思う。

 で、僕は、スプリングスティーンとピートって、けっこう似てるなぁと思うことがよくあったりする(僕がそんな風に思っていることを知ってる人も、ひょっとしたら何人かいるかもしれない)。でも、この辺のことを言葉にするのはとても難しい。それは僕のボキャブラリーのなさだけでなく、どちらも日本でさほど人気がないという現実も、それなりに影響しているような気はする。

 でも、スプリングスティーン曰く「いつも新しいものをさがしている」ピート・タウンゼントに連れられて初めてU2を観に行ったそうだし、そんなスプリングスティーンのステージにピートが飛び入りしたこともあったりと、2人はまったく交流がないわけじゃない。ちなみに、ピートは『Born to Run』が発売されたとき、こんなことを言ってたりする。

 When Bruce Springsteen sings on his new album,
 that's not "fun", that's "fucking triumph”, man.

 こういう言葉もピート・タウンゼントが言うとなんかいいんだよね。で、そんなピートが最近、自身の日記でこんな音源を公開している。「おそらく妻のKarenの為に書いた唯一の曲。だから私はこの曲を彼女が愛するアーティストBruce Springsteenのスタイルで歌っているのだと思う」なんてコメント付きで(詳しくはこちらを参照)。

 How Did You Love Me Then その1

 確かにそんな気持ちが伝わってくるヴァージョンだよね。最初のヴァースなんて特にそんな感じ。でも、途中からそうでもなくなってくる(歌い方は最後までどっか意識してる感じがするけど)。そして曲はこんな風に変化していくことになる。

 How Did You Love Me Then その2

 はい、すっかりピート・タウンゼントになりました。めでたしめでたし。まだデモ段階ではあるけど、ピート独特のドライヴ感がきちんと出てきてると思う。で、言うまでもなく、こちらの方が魅力的なヴァージョンに仕上がっている(と思う)。

 音楽って面白いよな。最初はスプリングスティーンだったはずなのに、途中からそうでもなくなってきて、あれこれやってるうちに、気がついたらちゃんとピート・タウンゼントになっているという。きっとスプリングスティーンも、ピートみたいに曲を書いたことがある思う。でも、最後にはちゃんとスプリングスティーンの曲になったんだろうな。ただ、僕らがそんな創作過程に気づいてないだけで。まぁ、想像だけど。

 オリジナリティって、きっとそういうものなんだと思う。