emitanの心にうつりゆくもの

日常のこと、テレビドラマのことなどを中心に・・・

限界集落株式会社 最終話

2015-03-02 22:00:11 | 2015冬ドラマ
最終話(第5話) 「畑のちから・信用問題になった鉄平のミスを前に正登の決断は」

萩野鉄平(加藤虎ノ介)が有機農産物として出荷した「もちきび」から殺虫剤が検出され、新聞等で報道される。
トマリファームには、通販で予約していた客からのキャンセルが相次ぎ、直売所にも客が来なくなってしまう。
経営コンサルタント・多岐川優(谷原章介)は、トマリファームを守るために鉄平を除名処分にする事を提案し、社長の大内美穂(松岡茉優)は泣きながら反対するが、他の農家の人たちは誰も反論しなかった。
家に戻った美穂は父・正登(反町隆史)に、これまでずっと鉄平が大内家や村の人たちを助けてくれていた事を話すが、正登はこれまで3年間の村の苦労がこのままでは水の泡になってしまうと説得しようとするため、美穂は「村を会社になんかしなきゃよかったね」と言って部屋を飛び出す。
止村のある幕悦町では、農業研修生を受け入れてトマリファームで研修させていたが、食品偽装を行っている団体に研修させる事は出来ないという判断が出て、正登が研修生3人に研修終了を話すと、研修生たちはこの村で就農したいと言い出す。
菅原源(寺田農)は、不祥事で迷惑をかけたと謝りに来た多岐川に「もちろん生きていくためには金が必要だ。でも俺は、金のためだけに生きている訳じゃない。アンタの言う通り、農業は儲かるのかもしれない。確かにここ最近俺の儲けも増えた。アンタには感謝してる。ただ、金のためだけに仲間を切り捨てていいだか・・・」と話す。
鉄平に行政処分が下りたため、多岐川はマスコミを呼んで、美穂と正登と共に会見を開くことにする。
会見の前に美穂は多岐川に「会見を終えたら代表を辞めます。このまま続けても、村が救われる気はしません」と言って頭を下げる。
会見で、美穂は鉄平を除名するという言葉をなかなか言えずにいると、正登がマイクを代わって「萩野の処分は考えておりません。これまで以上に有機野菜の生産に取り組んでもらいたいと考えております。今回の件に関しまして、本人も十分反省しています。うちとしましても、今後同じことが起こらないように厳しく指導していくつもりです。自分たち、農家やってると失敗ばかりです。堆肥の配合、虫が出たとか根が腐ったとか、俺も死んだ親父も失敗ばかりでした。でも、畑でなら何回失敗したっていいと思っています。1回2回失敗しても、十回百回千回失敗しても、畑は許してくれます。いくら失敗しても最後はちゃんと許してくれる、それが畑です。それが農業です。(世間が許さなくても)失敗を許せねぇ奴は農家じゃねぇ。自分たちの仲間の鉄平を許さなかったら、畑やる資格はないと思っています。(村の総意でいいかと言う質問に)みんな分かってくれると思います。野菜で失った信用は野菜で取り戻します。少しでもいい野菜を作って。自分たち、農家ですから。今の自分たちに大事なのは、何よりも人です」と言い切る。
会見終了後、他の農家の人たちは正登に「間違った事は言ってねぇ」「俺たちも情けなかった。鉄平を切るって言われた時、反対できんかったもんな」と声を掛け、鉄平は「もし本当にチャンス貰えるんなら、無駄にしないようにやるから。精一杯!」と涙を流しながら頭を下げる。
役場職員・二ノ宮真治(鈴木浩介)は、会見で正登が言っていた「大事なのは人です」と話していたのにヒントを得て、町内の空き家を使って町外からの移住者を募集する取り組みを始めると、以前に観光農園に来ていた親子が就農を希望してくる。
正登は、多岐川の家を訪れて3年間で村を変えてくれた事について感謝の言葉をかけると、多岐川は「金を稼いで不幸になる人間はいない。どんな不安や揉め事も必ず金で解決できる。若い頃からそうやって生きてきた。家庭を持ってからも、金さえ入れていれば仕事さえしてれば、彼女たちを幸せに出来ると思ってた。でも、そんな人間が家族から愛される訳ないんです。仕事でも仲間に裏切られ、この村に逃げ込んできて、そこであなたと娘さんに出会った。まさか3年経ってもまだここにいるなんて…」と話し、酒を酌み交わす。
多岐川は、かつての仕事のパートナーに再び一緒に仕事をしようと持ちかけられるが、「面白いんです、限界集落」と言って断り、融資を申し入れる。
直売所に少しずつ客足が戻り始め、村では収穫祭が行われる。
美穂が「お祭り、来年もできるかな?」と話すと、正登は「やれるといいな・・・美穂、突然出て行って悪かった」と声を掛け、美穂は「ありがとう、お父さん」と言って微笑んで・・・


というような内容でした。

実際には、表示偽装を行っていたとなると、やっぱりお客さんは離れていって、なかなか戻ってこないのではないかな?
でも、この3年間の中で固定客が増えていて、「止村の野菜は美味しい」「今回は一農家のミスであり、他の野菜は何ら変わりはないのだから大丈夫」という強い信頼感&親近感が出来ていたのだとしたら、こういう展開もなくはないとは思いますが・・・。
お客さんがどうして戻ってきたかをもう少し丁寧に描いてほしかった気もしますが、元通りになる道はそうそうたやすいことではない/そういう道が明確にあればみんなやっていて農業はもっと儲かるし、苦労はしないという事だと思うので、こういった形で少しボヤかして終わったのは良かったのかもしれないとも思ったりしながら観ていました。

村の仲間を切り捨てる事に苦悩していた美穂の事を、優しく抱きしめる祖母・弥生(長山藍子)や、上手い言葉は掛けられないけど娘が一番辛い時(会見の場)に代弁して矢面に立ってくれた父・正登・・・
美穂は、本当にみんなに愛されているんだな~というのが改めて分かり、とてもジーンとしました。
次回作があるとしたら、美穂の結婚問題をメインに限界集落を描いていくのもいいかもしれませんね~。
限界集落っていうのは、人口減少と高齢化が一番の根深い問題ですから。
最終回では、農業研修生や観光農園のお客さんが就農を希望していましたが、こうして村外から人を呼び込む取り組みが増えていけば、村の活性化に繋がって、もしかすると人口減少の歯止めに繋がるのかも・・・。

先日、北海道のニュース番組で、ある酪農地帯の農協の特集をしていたのですが、その農協は乳質を管理する高額の機械を早くから取り入れて酪農家に指導を徹底して品質を高め、大口の販路(アイスクリームメーカー)を獲得し、新規就農を希望する人には助成をして研修も充実させているから、町外出身の若い世代の就農者が増えている・・・といった話をしていました。
ここ数年の取り組みではなく、何十年もかけて今のような状態になったという事だったのですが、やはり長期的に、先を見据えた事も必要なのでしょうね。
なかなか資金的に余裕がないと出来ない事かもしれませんが・・・。
ドラマでも、お金儲けの事だけを考えたら仲間を切り捨てるなどをすれば早いのだけど、長年培ったものや将来の事を考えたら、一時の痛みを我慢して耐えれば、長期的には「大事なのは人」というような事を言っていましたよね。


話はガラッと変わりますが・・・
キャバクラには行った事はないのですが(スナックならあるけど)、とうもろこしが1本3,000円って、さすがスゴイな!!と思って笑ってしまいました
でも、とうもろこしが出てくるキャバクラって、どんな年代&客層のお店なのだろう??と、そちらにも妄想が膨らんでしまいました(笑)
しかも「もちきび」は、見た目はかなりグロテスクですからね~。
罰ゲームで使うとか!?(何をした罰ゲーム!?)
まぁ、美味しいようなので、バツにはならないですけどね~。
あと、ちょっと疑問に思ったのですが、通販で「もちきび」数本だけを頼むのだったら、送料の方が高くないだろうか?と思ったり

他にも、多岐川はどうして佐藤(小木茂光さんが演じていた)と和解したのだろう?とか、ちょいちょい気になる所はあるのですが・・・
トマリファームの偽装表示事件を経て、多岐川自身の考え方も大きく変わったという事でいいのかな?(笑)

地方の問題を、暗い部分だけではなくホッとする要素も織り交ぜながら描いていたので、とても観やすかったです。
何よりも、キャストの方々がしっかりと「土」に馴染んでいて、その村の住人にしか見えなかったのが、とにかく素晴らしかったです!
そして、そんな中で美穂を演じていた松岡茉優さんが、一人若かったのですが、苦悩したり笑顔になったり色んな表情を見せながら「しっかりと村の中心に立っていた」のが、本当に素晴らしかったです!!

全5話だったけど、農業や限界集落を描くには少し話数が少なかったかもしれませんね。
でも、5話だからこそコンパクトにまとまっていて、間延びせず「話数が少なくて勿体ない。もっとやってほしい」と思わせてもくれていたので、ドラマとしては良かったのかな
NHKだからこそ、このセンセーショナルなタイトルで、この渋いキャストで、じっくり魅せてくれて、とても良かったです。
大満足でした!!
←web拍手です。
※これまでの感想
 第1話 第2話 第3話 第4話
※公式HP(こちら
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ウロボロス~この愛こそ、正... | トップ | おしゃれイズム マギーさん »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。