送られてきた資料で眠気も吹き飛んだ朝。
日本国の姿勢としてはこのピラミッドは今も正しいと思う。だけど個々人のレベルではちょっと違う気もする。
日系人について、国を捨てたとか、日本国民でないとか、それもまた一面では本当だと思う。
少なくても日本国籍が無ければ日本人と言えないかもしれない。だけど、文化的なレベルでは、何を持って日本人とするか、日本にいる人よりも日本人みたいな海外の日本人、日系人は少なくない。
そもそも日系人と言う言葉が、第二次世界大戦中のアメリカ合衆国で生まれたとも聞いた。要は、アメリカ生まれの子どもで、アメリカに忠誠を誓った者は日系人、日本に忠誠を誓った者は日本人と区分された。海外の日本人が区別された瞬間、それがブラジルにも適用された。だから、この事実から言えば、日系人は日本を捨てたと捉えられても仕方がない。
おそらく、第二次世界大戦前に海外に出た人は、海外雄飛を夢見て、出稼ぎを夢見て、日本人として海外で生活をしていた。日系人と言う意識はなかった。それが第二次世界大戦で歯車が狂った。日本本国もだと思う。
戦前、ブラジルにいた外交官でも民間エリートでも、こんな外交官ピラミッドが吹き飛ぶような、懐が深く教養深い人の記述が数々残されている。そう、ピラミッドは肩書上は事実でも、日本人としては一体感をもって海外でがんばろうとしただろうし、皆で俳句などを一緒に詠んでいたような人たちもいた。
このピラミッドが本当にまかり通っていれば、日本本国が危うい。ピラミッドを超えたところでしか、未来を生き抜けない。
20世紀の大富豪といわれたギリシア人のアリストテレス・オナシスは、トルコのイズミルで生まれて成長していた。トルコの革命でギリシアに難民として戻り、その直後に17歳くらいでウルグアイやアルゼンチンで無一文に近い状態から、巨万の富を作る基礎を築いたらしい。ギリシア本国は経済破綻と言われていても、何百万人と海外に暮らすギリシア人やその子孫の総経済力や実はすごいようにも思えてくる。
第二次世界大戦中のビジネスで飛躍を遂げたオナシスは、世界を転々としながら、でもギリシア人として生きたみたいだった。ギリシアで生きたことはほとんどない人だった。彼の愛人の一人もマリア・カラスというギリシア系アメリカ人のオペラ歌手だった。ギリシアつながりで惹かれあった部分はあると思う。
海外に暮らす日本人でもギリシア人でも何人でも、海外にいる方が自分のルーツや何者かを意識しやすく、それがグローバル社会で生きるには必須条件の強いアイデンティティーとなっていく。ブラジル人とは、そんなものを超越した、地球人としての意識が強い人々であるとも思う。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます