サンパウロの庶民的生活

わたしの半径1メートル以内で考えたことや感じたことをつづってみようと思います。

故郷を離れて暮らす人を樽で寝かしたお酒に例えてみる

2013-06-27 06:00:00 | Weblog

 もうすぐ一年の後半が始まる文月。ブラジルの学校は一か月ほどの休暇に入り、日本が故郷の人なら日本へ子を連れて旅立つ母も多い季節。アミーガたちとしばしの別れ・・・。

 日本で生まれ育った人なら、時々日本に帰るのが無難。でも帰らないなら帰らないで甲と出るか乙と出るか…

 郷里を離れて暮らす人を樽で寝かしたお酒に例えてみる。

 郷里を離れた時点で人間は異文化という空気で熟成が始まる。

 郷里に時々帰国するということは、熟成中のお酒の樽を時々開封するような感じ。熟成をあえて遅めて、熟成に必要な環境を逆戻りさせる感じで、でも、味がとんでもない方向に進んでいないかはいつもチェックできて、まずくなりそうだったら軌道修正が早めに可能で、不可のないまあまあのものが出来上がる。

 郷里になかなかずっと帰らないということは、ひたすら熟成が進み続ける。何年物というラベルが人間にも付けられ、えもいわれぬ味わいの希少な珍種となる。が、熟成中にカビが生えたり腐敗が上回ることもありうる。そうなると熱しても冷やしても濾過しても抽出してもどうしょうもない代物となる。

 長期熟成は吉と出るか凶と出るか・・・ふたを開けるまで神様の思し召し次第。