美術の旅人 Voyageur sur l'art  

「美術」との多様な出会い。見たこと、感じたこと、思ったこと。

小さいけどより美しく快適になった普及版アースシップス Living in Tiny Houseから

2020-03-19 13:32:38 | レビュー/感想

より美しく快適になった普及版アースシップス←  

センターのガラスの開口部を大きくとった斬新なデザインに、ギリシャや中近東にでもありそうな白い家のイメージをセットしたおしゃれな外観。それを見ただけで憧れる人が多いのではないか。これはKirstenの映像で先に紹介した、アースシップス(Earth Ships)をダウンサイズした良くできた普及版と言える。オリジンのSF映画を思わせる異次元の印象と、ちょっと過激なサバイバルを啓蒙しようという意図はなく、新鮮なスタイル&仕組みの、お金がかからないタイニーハウスで、サスティナブルなオフグリッド生活を、より快適に心地よく楽しもうという一般向けの提案がある。

何しろ周りは荒涼とした砂漠ではなく、緑に覆われた南オーストラリアのリゾートである。この環境に合わせて、デモニッシュなものを漂白し、Earth Shipsの基本コンセプトをよりコンパクトにして洗練させ、しかもより一層快適さを実現する新しいシステム&テクノロジーも取り入れることで、普通の人への訴求力は格段に大きくなっている。実際的に、ああ、いいなあ、できそうだなあと思わせられるものに変わっている。

アースシップスに魅せられたマーチンとゾーエはアメリカのニューメキシコまで行って、1ヶ月滞在し、マーク・レイノルズから直接教えを受け、お墨付きももらった。だから、この70m四方の家は、決してアースシップスのフェーク、表面的真似事ではない。オーストリアの地方政府の認定まで受けた、オーストラリアで最初の本格的なEarth Shipsの家なのである。建築過程では、映像にも出て来るが共鳴するたくさんのボランティアの人たちの多大な助力があったようである。彼らはEarth Shipsをオーストラリアの人々に普及させるために、ビジネスとしての構想もすでに持っているのかもしれない。

マーチンは、根が開放的な親切な人であるようで、オリジンのアースシップスでは良く分からなかったところを、映像も加え詳しく説明してくれる。屋根から流れ落ちた雨水を効果的に集め、汚水も地下に引き入れて植物の生育に無駄なく役立てる処理システム、そしてユニークな一年中温度環境を快適に保つためのフリーエアーコンデショナーの仕組みも良く理解できた。あの廃品素材、タイヤやガラス瓶も、ここでは暮らしを美しい彩る造形素材として、より一層効果を上げている。両端のエントランスやバスルームを見ていると、廃品のガラス瓶が信じがたいぐらいゴージャスで美しい建築素材に思えて来るから不思議だ。

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