松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

弓の素材としての櫨 その2

2007-08-03 23:22:55 | 和弓と櫨
弓の素材に櫨が使われていたと知って
和弓の歴史を、ちょっとおさらいして
みることにしました。

まず、縄文時代は主に狩猟目的として
木から削りだした単純な弓が作られていました。
補強の為に樹皮や麻を巻き締め
漆で固めた弓も時折発掘されています。

弥生時代になると、貧富の差が生まれ、
狩猟目的から対人兵器への改良がすすめられます。
弓に対してより遠く、力強く、つまるところ殺傷能力が求められます。
戦いがあればあるほど、兵器は進歩します。

しかし平安時代に入ると、神事や出産などの際、
魔除けに鳴らす弓(鳴弦)として使用された「梓弓」という言葉も
季語として和歌に詠まれるようになりましたから、
兵器以上の精神的な意味も含まれるようになり
神器としての特色も深めていきます。

そういえば、弓が邪気を払い
悪魔を恐れさせると考えられたことから
男の子のお守りとして破魔弓がありますね。
また、敬宮(としのみや)愛子様の誕生の際、
平安時代の装束で床に向けて弓を引く
「鳴弦の儀」が行われました。
これもやはり魔除けの神事です。

古代から弓の素材として、
主に檀(まゆみ)の木材が使われてきました。
万葉集にも「真弓」または「白檀弓」と歌われています。
「張る(春)」とか「引く」の枕詞に使われました。
この檀の材質の特徴は緻密で強靱。
杖や櫛にも利用されました。
他に槻(つき・ケヤキの古名)や梓、そして櫨が使われています。

ところで、いくら強靱な檀でも、
あまりに無理な力を入れると
木材ですから折れてしまいます。
弓と弦とが離れるほど飛距離や威力が出ますから
自然に弓は長くなっていきました。

平安中期、弓の歴史における大きな飛躍が訪れます。

この続きはまた明日。

↓押してくださると励みになります。

人気blogランキングへ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。