松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

山本町柳坂曽根、夏の櫨並木

2007-07-19 21:30:49 | 復活奮闘日記
先日、久留米市山本町柳坂曽根の櫨並木を通ったので、
撮影してきました。
青々とよく茂って迫力がありますね。

ここの櫨並木は昭和40年代、
伐採されそうになった事件がありましたが
保存運動に尽力した故・香月徳男さんなど、
周囲の方々の協力で、なんとか生き延びてきました。

もっと過去を遡ってみますと
興味深い事がわかりました。

江戸時代、松山櫨の発見者である大庄屋竹下武兵衛の書いた
「農人錦の袋」は、有用な櫨の技術書として
関心のある人々の間で写本されていたようですが、
肝心の竹下家には既に存在していません。

唯一現存したのは、
旧山本郡柳坂組の大庄屋を勤めた上野包淑が、
天保九年に久留米藩士吉田家所蔵本を筆写し、
それが明治四十五年に「有馬文庫」として転写されたものです。
(その後上野家の写本は紛失)

つまり上野包淑が筆写して、
その後、明治まで上野家が大事に持っていなければ
「農人錦の袋」は幻の書のまま終わっていたわけで、
山本町という所は、櫨並木の保存ばかりでなく、
竹下武兵衛の貴重な著作をも保存してくれた
櫨の守り神がいるような土地なのです。



7月も半ばを過ぎて、実もだんだん大きくなってきました。
去年はあまりぱっとしなかった紅葉ですが
今年はぜひ真っ赤な紅葉が
見られるといいなと願っています。

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