D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Gulda Non-Stop('93)/Friedrich Gulda

2006-10-21 19:39:24 | classical
クラシックネタのついでにもう一枚だけ(笑)・・どうしてもここで紹介しておきたい爺さんがいます。
・・フリードリヒ・グルダ・・すごいピアニストです。



詳しい経歴はここでは控えますが(汗)、1930年ウイーン生まれで、惜しくも2000年1月に亡くなりました。
私が彼の音楽に初めて触れた時には既に亡くなっていたという事実を、ずいぶん経ってから知りました。

どうして彼がすごいのか・・端的に言えば‘天才のアウトロー’だったからです。
クラシック界での名誉を突然放棄し、装束をキュロット帽(たまにバンダナ)と平服に改め‘音楽は自由なはず’という強い信念を持ち続け、ピアノ以外の楽器の習得やジャズ・ロック関係のミュージシャンらと共演し、はたまたビッグバンドまで結成して活動していたそうです。
私はNHKで放映された彼のそんなアーカイブスを偶然拝見することが出来て以来、彼の崇拝者になっちまったというわけです。

ピアノに関しては、豪放磊落という言葉がピッタリかも。
しかしながら、タッチはあくまで繊細でロマンチックなことは言うまでもありませんが・・。

そして作品は沢山ありますが、その辺は他の方にお任せするとしてとりあえず1枚選んでみました。
現在でも比較的入手し易く、かつ彼のサンプラーとしてグレードが高いと言われている、この‘グルダ ノン・ストップ’です。
これは'90年11月にミュンヘンで演奏されたライブを収録したものです・・60歳頃の演奏ですが、かなり強力です。

【演目】

1.F.Gulda : For Rico
グルダ:フォー・リコ(息子リコのために)

2.F.Gulda : Minuet from the Cello Concerto(Arr.F.Gulda)
グルダ:メヌエット~チェロ協奏曲より(グルダ編曲)

3.W.A.Mozart : Fantasia in D Minor.K.397
モーツアルト:幻想曲 ニ短調 K.397

4.F.Gulda : Aria(solo version)
グルダ:アリア(ソロ編)

5.F.Gulda : Prelude and Fugue
グルダ:プレリュードとフーガ

6.C.Debussy : La Puerta del Vino(Preludes:BookⅡ,No.3)
ドビュッシー:ヴィーニョの門~前奏曲集第2集第3曲

7.C.Debussy : La Fille aux Cheveux de Lin(Preludes:BookⅠ,No.8)
ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女~前奏曲集第1集第8曲

8.F.Chopin : Etude in C-Sharp Minor,Op.25 No.7
ショパン:練習曲 嬰ハ短調 作品25-7

9.F.Chopin : Barcarolle in F-Sharp Major,Op.60
ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 作品60

10.F.Chopin : Nocturne in F-Sharp Major,Op.15 No.2
ショパン:夜想曲 嬰ヘ長調 作品15-2

11.F.Schubert : Impromptu in G-Ftat Major,D.899,Op.90 No.3
シューベルト:即興曲 変ト長調 D.899 作品90-3

12.J.StraussⅡ : “Ich lade gern mir G¨aste ein”from Die Fledermaus(Arr.F.Gulda)
J.シュトラウス2世:“お客を呼ぶのは私の趣味で”~オペレッタ「こうもり」より(グルダ編曲)

13.J.StraussⅡ : “Br¨uderlein und Schwesterlein”from Die Fledermaus(Arr.F.Gulda)
J.シュトラウス2世:“親しい仲間よ”~オペレッタ「こうもり」より(グルダ編曲)

14.Traditional : Fiakerlied(Arr.F.Gulda)
民謡:辻馬車の歌(グルダ編曲)

・・無知がばれそう(笑)なんで、個別の紹介はやめときます。
私は、#1がとても好きで、どこかに楽譜がないか探していますが、なかなかありませんね。
・・元々チェンバロで書かれたからかな・・この盤ではもちろんピアノで演ってますよ。

グルダには3人子供がいますが、前妻との子パウル(Paul)と後妻との子リコ(Rico)の2人が立派にプロのピアニストとして成長してます。
この後妻さんは‘祐子グルダ’さんという日本人のジャズ・ピアニストで、現在も現役で活躍されてるようです。

TVで放映もされましたが、'04年に東京でグルダの追悼コンサートがあり、愛弟子の‘マルタ・アルゲリッチ’(Martha Argerich)らと共に、2人の息子達も出演してました。
・・‘息子パウルのために’という曲もありますが・・微妙な曲です。(笑)

グルダといえばアリア・・というのがファンの間では合言葉になってるようですね。
ドビュッシーは?ですが、ベートーベンやモーツアルトは一聴の価値ありです。

・・フラっと現れて、突然超絶なパフォーマンスを繰り広げ、あっけにとられた人たちを尻目に、何事もなかったように去ってゆく爺さん・・彼みたいな人に私もなりたいなァ。(笑)



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2 コメント

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Guldaの楽譜 (みゆぴか)
2006-11-06 00:40:18
銀座のヤマハにあったのですが、あまりに高価だったので断念しました(T_T)
NYの楽譜屋さんでは、安く手に入るかな~と期待したのですが「お取り寄せ」になっちゃうといわれました^^;
Prelude and FugueはKeithが大好きで、ライブで頻繁に弾いています。私もいつか弾けるようになりたい曲です。
KeithはGuldaに敬意を表して『Fantasia: High Level Fugue: 4th Bridge』という曲を作りましたがCDに「難しい!自分はまだまだです」などとかわいらしいコメントを寄せております。

お話は違いますが
Shinko Music Mook『Progressive Rock』
という本にelmar35さんの先生のUK時代の写真が2枚ほど掲載されています。是非お手にとってご覧ください^^
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みゆぴか様 (elmar35)
2006-11-06 22:20:42
コメントありがとうございます。
無理やりお付き合い戴いたようで恐縮です。(汗)
キース御大の音源捜してみます・・凄く気になったままなんですよね。
・・本も。(笑)
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