Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

キラキラとした・・・?その2

2008-03-21 14:42:14 | Weblog
給食がなくなると、毎日のお昼ご飯の心配が始まりますが…

我が家は、良くないとは思いつつ「ワンパターン」が落ち着くようなので
いつの頃からか、たいてい麺類かチャーハンか…

モチロンお腹が空けば、それなりにしっかりと頂きますが
kirikou自身は、食べること自体に、あまり強い興味を示さないタイプなのかもしれません。

気になることがあれば、ご飯も食べずに夢中になってしまう…のは
もしかすると私にも、どこか似たところがあるかも知れませんけれど。

さて、シンポジウムの午後の部は、会場に着くとすでに始まっていましたが

お話は岡野栄之先生の「中枢神経系の再生戦略」とのことで

神経幹細胞のお話から、
今話題になっているiPS細胞(=induced pluripotent stem cells、人工多能性幹細胞)を
中心とした中枢神経系の幹細胞移植治療開発についての興味深いお話を伺いました。

総勢70人くらいの大所帯のラボでの素晴らしい研究とのこと。

コチラも、きっと最先端なんでしょうね~!

次は、鍋倉淳一先生の「脳機能の発達と回復:神経回路の再編成」で

胎児期からの発達および脳の神経細胞損傷後の回復期における
神経回路のダイナミックな変化についてのお話や

多光子励起顕微鏡を用いた脳内の深部微細構造の観察や
ミクログリア細胞のシナプスの監視や除去(お掃除?)に関与する映像を見せてくださいました。

(神経ネットワークのバリエーションは、どのようになっているのかしら…
という素朴な疑問も湧いてきて

さらに、先日のサイエンスゼロでグリア細胞に関連するお話が出ていたような気もしつつ)

最先端技術による革新的イメージング法などが、目には見えにくい様々な現象などを
視覚的に捉えて見せてくれることの面白さを強く感じました。

次は、伊佐正先生の「損傷から立ち直るための脳の仕組み」では

サルを用いた脊髄損傷から手の機能の回復するメカニズムについての
研究発表がありました。

また、回復の過程で「モチベーションの中枢」と呼ばれる領域と
運動野の間の機能的結合が強化されることが明らかになったとのこと。

回復に向けた「意欲」の持っている意味など、さらなる脳の機能の解明が期待されます。

休憩を挟んで次の北澤茂先生は
(そういえば…先日の「自閉症スペクトラム研究」の中でも、お話を伺っていました!)

今日のテーマは「脳の中の時間」で「時間順序判断」についての試行実験から
興味深い結果を示してくださいました。

人間の視覚空間を捉える際の代償と考えられえるとのこと。

次の泰羅雅登先生の「奥行きのある世界を観る脳の仕組み」では

(レポートを書く際に読んだ)例のランダムドットステレオグラムのお話も出てきました。

視覚的な情報が、脳に入って一次視覚野に入った後
主に「色・カタチ」と「奥行き・動き」の二つの経路に分かれて
(前者は物体視に関する腹側視覚経路、後者は空間視に関する背側視覚経路と呼ばれている)

それぞれ、側頭連合野と頭頂連合野に到達するそうです。
(言葉で書くとヤヤコシくって、解りにくいかもしれません。)

おふたりのお話を伺って、共通して思ったのは

人は視覚的な情報を如何に駆使して、
このような脳の働きや仕組みを獲得したのかしら?と言う疑問でしょうか~?

どこかで読みましたが、夜行性だったヒトの祖先が
昼の明るい中で活動するようになったこと…が、大きな要因(きっかけ?)になったのかもしれませんね。

さて、最後のお話は、これまでとは一味もふた味も違った(?)
川人光男先生の「ブレインインターフェイスの最前線」というお話でした。

(私にはウマク説明できないかもしれませんが)

脳の外側から脳の活動を記録して必要な情報を抽出して、
ロボットを動かすことができるようになったそうです。

その手法を用いて、アメリカにいるサルの大脳皮質のニューロン活動情報を
ネットワークを介してアメリカから日本に伝送して
リアルタイムでヒューマノイドロボットを歩行させるという実験に成功したそうです。

これから先、医療など様々な分野での実用化なども期待されているようです。

モチロン、人類の福祉と健康に大きく寄与する技術革新であってほしいと
心より願っております。

最後は、自然科学研究機構副機構長の岡田泰伸先生と立花先生のお話がありました。

基礎的な科学研究が進むことは、大いに望まれます。

研究の分野も、どうしても国際的な競争の中に置かれていること
当然、研究費などの資金面の課題があることなどが、お話から伺えました。

ただ、演者の先生方のお話の中にもありましたが
若い研究者の方々が、熱心に研究に取り組んでいらしゃるとのことを伺って

純粋な意味での科学的な強い探究心や好奇心を持ちつつ

社会的貢献という私たち一般の人たちにも何らかの恩恵をもたらしてくれるであろうことを
(アレコレと望みすぎとは、思いますが)大いに期待しております。

科学教育に関しての立花氏のお話では、

今は、まだ日本に脳科学という名前を冠した講座がないとのこと。

脳という臓器の複雑さと奥深さゆえに、その扱う分野の広さもあるのでしょうが
その広い分野の連携(領域架橋?)に、重要性があるということかもしれませんね。

また、「小中学校から脳科学に関する教育をすればいいのでは」という立花氏のご発言がありましたが
それには、私としてはチョッと疑問を感じました。

科学分野の発展に寄与するために、教育を施す…という考え方には、どうも違和感があります。

ウマク申し上げられませんが、その順番というのでしょうか…

科学的思考やものの見方に気づくように促すような…

人間を含めた身の回りの生きものや様々なモノ・コトへの興味や関心を促すような

そんな働きかけとしての教育があって、
その関わりによって、子どもたちそれぞれの自主的な意欲や動機付けが働いて

科学に興味を持つ子どもたちが生まれるのではないのかしら~?と

少々ナマイキかもしれませんが、お話を伺った後でつらつらと思いました。


さて、最後までお話を伺って
お隣に座って熱心にノートをとっていた若い女子学生さんらしき方に声をかけました。

伺うと生物系の大学3年生とのことで、研究方面に進みたいそうです。

「今日のお話もほんとうにオモシロかったですね。
頑張ってくださいね~!!」って、申し上げました。

それから、気になっていた「ミラーニューロン」のことなど
先日のシンポジウムでも、少しお話をさせていただいた
北澤先生に質問させていただこうと思っていましたが

他の方とお話中で、振り返ると
先ほどお話した瀬藤先生がすぐ後ろにいらっしゃいました。

思い切って…「あの…今日のお話には、関連がありませんでしたが

自閉症に関連してミラーニューロンというのは、
あまりトピックスになっていないのでしょうか?」と伺ってみました。

「自閉症については…遺伝子的な解明が進んでいます。…」とおっしゃって

私から「以前にもそのお話を伺ったことがありますが…」などなど
実際的なことについても、少し突っ込んだことを伺ってみました。

すると「今、浜松(医科大学)のほうでも親の会などと関わっていますよ。」とのこと。

「実は、私は保護者で…

ぜひ基礎的な研究が、子どもや当事者の方々の実際的な手立てにつながるように願っています。
何かの時には、またお話を伺わせてください。」と申し上げて別れました。


ここにも、素晴らしいお医者様で研究をなさっている方がいらっしゃいました。

ほんとうに様々な方向からのアプローチが進むことを望んでやみません。


…ということで、全くの素人の説明で
かえって解りにくくなっているような気もいたしますが

素晴らしい科学分野の研究について、関心を持っていただけたらうれしいです。

(また、ここは私の勘違いではないの~?ということなどありましたら
ぜひ、ご指摘いただけるとありがたいです。)

ところで、検索したところ
東京大学の立花ゼミの学生さんによる現場レポートがアップされていました

詳しいことをお知りになりたい方は、ぜひご覧ください。)


もうひとつ…私の苦手分野から、「チョッとだけ、なるほど~!」と思ったお話を引用いたします。

(風が吹けば桶屋が儲かる法式で、
そんな簡単な条件だけに整理して考えられないとは承知しつつ…)

大竹文雄編「こんなに使える経済学ー肥満から出世まで」
第2章教師の質はなぜ低下したのだろうか?(P76より、以下引用)

『…公立教師を労働市場の中でより魅力的な職業にしていく努力は可能である。
 具体的には、教員の給与を上げたり、その社会的地位を高めることだ。また教員養成系学部出身に限らず採用する道を開き、本当に教育に情熱を持つ人材を選ぶことも重要だろう。そのような教員採用の方法を実施している私学もある。もちろん、教師になる前、そしてなった後も継続的に教育訓練の場を与え、教育の質を上げていく地道な努力も忘れてはいけない。』引用ここまで)

こうすればウマク行く…ということが実際に実現できれば、ことは簡単なのでしょうが

学校の抱えている課題は、私などには計り知れないほどの複雑さがあるからこそ
なかなかひとつの方向性を導き出すのが、むずかしいのだと思います。

けれど…子どもたちや先生方が、キラキラとした輝きを生かせるように…

できることを、少しずつでも考えていけたらなぁ…と、改めてつよく想いました。


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