Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

『雨ニモマケズ  風ニモマケズ』

2006-04-07 12:41:10 | Weblog
この有名な宮澤賢治の言葉は、私が小学校3年のとき転入した学校の
まだ木造校舎だったスロープの壁に飾られた額に書かれていました。


当時は深い意味など、理解することはできませんでしたが

始めの「雨ニモマケズ  風ニモマケズ」という言葉が

転校生という少し不安な心持の私を
さりげなく、力づけてくれたように思います。


詩の全体の言葉を意識して、感じるようになったのは
おそらくずっと後のことで、いつのことかも記憶にはありません。

賢治のいくつかの本を読み、

その書かれたお話の世界が、時には美しく、時には哀しく
ユーモラスに見えながら、その奥深くに潜む何ものかを

上手く表現できない何処かで、感じながら
それらが、こころの何処かに深く沈んでいくような気がしていました。


最近になって、改めてこの

『雨ニモマケズ 風ニモマケズ』を声に出して詠んだ時

こころの奥深くから、その言葉の意味が湧き上がってきました。


その淡々と独り言のように語り掛ける言葉が
いまの私の生きるうえでの指針を示していることに気づきました。

まだ、私自身がたくさんのことを読んだわけではありませんが
賢治の詩を朗読する会のお話を伺ったり
賢治をテーマにした演劇を観ることを通して

賢治が思索し、思い描き、そして何かを伝えようとして
物語を創作していたことを、強く感じました。


もちろん私も、その詩に憧れはすれども
いまそんな生き方が、できているとは申せません。

ただ、そんな想いを大切にしていきたいと感じています。

そして、いろいろな方がいろいろな風に感じてくださって
いいと思えば耳を傾け、ちょっと違うと思えば気にせずに

ご自分の想いを大切にしてくださればいいのだと思います。


ついつい、自分の好きなこと感じていることを
そのままにお話してしまう癖が私にはありますが

私は、私の人生しか生きられません。

そしてあなたには、あなたの人生の岐路において
その生き方もあなたらしく、選択できるのですから・・・



ここには、手元にある 画 小林敏也 パロル舎の絵本から
「雨ニモマケズ手帳」どおりの詩をご紹介します。


 雨ニモマケズ   風ニモマケズ
 
   雪ニモ      夏ノ暑サニモマケヌ   丈夫ナカラダヲモチ

 欲ハナク  決シテ  瞋(イカ)ラズ   イツモシヅカニワラッテヰル

 野原ノ松ノ林ノ陰ノ小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ

 東ニ病気ノコドモアレバ   行ッテ看病シテヤリ

 西ニツカレタ母アレバ    行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ

 南ニ死ニサウナ人アレバ   行ッテコハガラナクテモイイトイヒ

 北ニケンクヮヤソショウガアレバ  ツマラナイカラヤメロトイヒ

   ヒドリノトキハナミダヲナガシ

   サムサノナツハオロオロアルキ

   ミンナニデクノボートヨバレ

   ホメラレモセズ   クニモサレズ

   サウイフモノニ   ワタシハナリタイ  


このあとに南無妙法連華経が書かれています。


さて、私はどんな人になりたいのか?


人の世の、いろいろなことをまっすぐに見つめ、逃げずに目を背けずに

自分の信ずるところを信じ、人を思う言葉に揺れ惑い

けれども、未来に志あって発した言葉には責任をもち

自分にできることを精一杯に、おこなっていきたいと想います。

言葉と行いを、一致できるように自らを省みて

伝わらぬ想いに悩みつつ、オロオロしながら涙を流し

いつか、共に気づくときのくることを夢に見て

ときの流れを待ちつつも、あふれる想いをこころにしまい

これも人の生きる道のりと、ゆっくり歩きながら

空をながめて風を感じて生きる人に、私はなりたいと想います・・・



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2 コメント

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毎日をニコニコ穏やかに!! (風待人)
2006-04-08 00:13:18


hama-wind さん



真面目かもしれませんが、できてないことだらけは事実です・・・



さて、いつもよくお邪魔する茂木先生のクオリア日記にリンクしているThe Ancient Qualia Cafeの中で



せんせいの「生きて死ぬ私」について



・・・死の恐怖には2つある。すなわち、

A 死ぬときにとても痛い思いをすること。

B 自分が死んだ後も世界が続いていくこと。



あなたはどちらですか?について、皆さんでコメントしたときの

私の書いたものです

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正直、その時になってみないと・・・ 2月14日(火)



いまのところ、Bでありたい、もしくはBのつもりでおります。



いつも申し上げますが、人生半ばあたりに差し掛かると

これは結構、現実味を帯びてきますので、

できればジタバタせずにその日を迎えたいものだと思います。



お寺で結婚式を挙げた、ある種、カナリの変わり者かもしれないので

その気持ちを上手に伝える言葉が見つかりませんが



思い煩っても、そうでなくても、いずれは皆さまが、通る道のようなので



それまでは、そのことを心配するよりは、

その時に、まぁまぁ人生こんなものかしらと言えるような毎日を送ることに意識を向けられたらいいのかなぁと、思います。



よっぽどの、のんき者なのかもしれませんが・・・





ということで、hama-wind さんに、よく似ているような気がします・・・

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いつもながら… (hama-wind)
2006-04-07 23:47:52
いつもながら、まじめでまっすぐな考えに感じ入っています。もちろん本心です。からかいや皮肉は、すくなくともあなたにはぶつけるつもりはありません。共感できる部分が多すぎますし…。

ただ僕はあなたほど一途にはなれそうになく…でもそれもまたよしとして生きています。

僕は…毎日をニコニコ穏やかに暮らしていけるのなら、それだけで満足です。そしていつかこの世から消えてしまう時を、笑って迎えることができたら…。そのための準備を日頃からしているようですよ。変ですよね~(汗)
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