100回目の夏

夏の高校野球がきょう開幕しました。
正式には、第100回全国高校野球選手権記念大会というそうです。
その記念大会の開会式には皇太子ご夫妻がご出席され、始球式は松井秀喜さん、そして第一試合が松井選手の出身校である星稜高校という、不思議な繋がりを感じる開幕でありました。

この開会式の1週間ほど前から、球場の周りの空気がいつもの高校野球の前とは違っていたように思います。
チケットの順番の場所取りもいつもより早く場所を取るシートの帯が長く伸びて、週末前にはもう場所取り禁止の看板が出ていました。

そして昼過ぎに買い物へ出ると、球場から離れたわが町のバス道から住宅の中を通る道路にまで何人もの警察官の姿があり、何やら物々しい雰囲気。
まさかこんな海べりの住宅街の中を皇太子ご夫妻がお通りになるはずもないのに、この警官の数は一体何なのだろう。
けれど考えられるとしたら、それしかない。
しかし炎天下でじっと見ている訳にもいかず、実家に戻りました。

後でたまたま休憩中のタクシーの運転手さんに聞いた話では、開会式の後、皇太子ご夫妻がこの近所の学校と老人介護施設を訪れられたそうなのです。
その運転手さんが球場から離れた場所でお客さんを乗せて運転していると、警察官から車を止められたらしい。
そして指示に従って停車していると、目の前を国旗を掲げた車が通ったそうです。
「中は見えませんでしたけどネ」と運転手さんは笑っていましたが、こんな町に畏れ多くも皇太子ご夫妻が御出座しになるなんてと、信じられない気持ちになると同時に温かい幸せな気持ちになったのでありました。