ラビンドラナート・タゴール
ベンガル語本「ギーターンジャリ」
第74番
雷(いかずち)にあなたの笛の音がひびく
それは聴きなれた歌ではなく。
聴きとる耳をわたしにあたえてください
その音に目ざめることができるように。
やすき音にわたしはもう惑わされない
死のなかにかくれている
かぎりなきいのち
そのいのちこそ心を深く魅了する
・・・・・・
ティンドリヤにて
内山眞理子 抄訳
*ベンガル語版「ギーターンジャリ」所収、英語版には収録されていない歌です。
詩人の生涯をつうじてインドは英国の支配下にありました。この歌によみこまれた「嵐」は、
祖国インドの、自立を求める闘争をあらわしているかのようです。