-196℃の部屋

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今日の実験~Diels-Alder反応 4日目~

2008-10-14 21:24:58 | 学校
Diels-Alder反応最終日の内容。

3日目の最後に出来た沈殿結晶を吸引濾過した後、これを40mlのトルエンに溶かす。
いやー、結晶量がハンパなく、吸引濾過しても水分が取れなかった…
なのでそのままトルエンに溶かしてみると、水層とトルエン層に分かれたぜ!
しゃーないのでスポイトで水を取り、今度は普通の濾過で不純物ぽいやつを除き、これをロータリーエバポレーターへ!


↑これがロータリーエバポレーター
ウォーターバスに浸けた溶液入りのナスフラスコをぐるぐる回転させながら、溶媒を飛ばすマシーン。

そしてここでやっちまった!
ナスフラスがゴム栓から外れて、80℃のウォーターバスにダイビング!

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ダイビングしたナスフラスコが完全に転覆したわけではなかったので、中にわずかに溶液が残っており、これを分液漏斗を使って水を排出することに。

さらにウォーターバスの水面上ではトルエンが揮発して溶けていた溶質がプカプカ浮いている。
これはTAの人が時計皿を使って回収してくれた。感謝。
どうやらトルエンに溶けて水には溶けないということで使えるんじゃないか? ということで、これをもう一度トルエンに溶かし、先の溶液に加えて再エバポ。

やぁ、トルエンが飛んでみると、結構な結晶が出てきた。
これに再びトルエンを少量加え、加熱しながら結晶を溶かす→溶かしたものを冷やして、再結晶させる、を行って、何とか目的物質が完成!

吸引濾過してから重さを量ってみれば0.82g あんなポカをやらかした割には意外に取れた!
(しかし最初の2,5-ヘキサジエンからの収率を計算すると4.5%だった……)

なお、この後できた物質の融点測定を行ったら138-142℃だった。
文献値が146-147℃なので、まぁ多分目的物質でしょう。
因みにこの物質の名前は「3.6-ジメチルフタル酸無水物」でした。


↑これが4日間通しての流れ。

1. 2,5-ヘキサジオン
2. 2,5-ジメチルフラン
3. 1,4-ジメチル-7-オキサビシクロ[2,2,1]ヘプタ-5-エン-2,3-ジカルボン酸無水物
4. 3.6-ジメチルフタル酸無水物

1日目が1→2の部分、2日目が2→3の部分、3日目、4日目が3→4の部分の反応を行っていたのでした。
2から3の間にある→の上の物質が無水マレイン酸。

さぁ、これでまたレポートが追加されたぜ(涙)

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
突然すみません。 (あや)
2015-04-08 22:39:04
ディールスアルダー反応の実験について、反応式3→4への反応機構を教えていただきたいです。
脱水しつつ芳香化…かな (液体窒素)
2015-06-02 20:26:31
亀レスで申し訳ありません…
この当時は深く考えていませんでしたが、酸性条件下なので、後ろの環の架橋してる酸素がプロトンを捕縛するでしょう。
最終的には芳香環になりつつ、この酸素部分が脱水して4になると思われます。たぶん…(自信なし)

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