元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

父死亡後、遺産分割協議しないまま母も死亡したとき

2015-04-19 18:31:30 | 後見人制度
 遺産分割協議書の内容は?

 夫婦の一方の父親が亡くなって、すぐに母親も亡くなるという例は、よくあることです。逆に、母親が亡くなって、後を追うように父親がなくなるということもよく聞きます。一方が亡くなると、気の張りもなくなり、もう一方も亡くなるということかもしれませんが、私の年になると分かるような気がしてくるから不思議です。

 こういう場合には、先に亡くなった方の遺書が残っていれば、そのようにすればいいのですが、それがなかった場合には、先に亡くなった方の遺産分割協議もできないうちに、次がなくなり両親とも亡くなるということになります。前にお話した鈴木一郎さんのように、父が亡くなり父の遺産相続の協議を済ませた後に、先に亡くなっていた「山」の登記が母親の名義で残っていたというようなことも、ままあると思われます。

 こういった場合にはどうすればいいのでしょうか。

 父親・母親どちらが先に亡くなっても、残った母親、父親は同じ配偶者として扱われますので、先に亡くなった父、後から亡くなった母先に亡くなった母、後から亡くなった父とは、その立場を逆転するだけですので、仮に父親が先に死亡し後から母親が死亡した例で考えて見たいと思います。そして、その子供は長男、長女の2兄弟だったとします。

 基本的には、遺書がないので、財産について遺産分割協議を行い、それを遺産分割協議書にしたためて、不動産についてはその通りに登記を行えば登記所では受け付けてもらい、所有権移転を行ってもらえます。問題は父親が亡くなったときに、まだ父の遺産分割を行っておらず、この時点では相続人としてまだ母が存在しているという点です。

 父が死亡した時点では、相続人はその妻(母)と長男・長女ということになります。父の死亡時点で、母、長男、長女で遺産分割協議をして誰がどれだけ相続するかをきめるべきでありました。しかし、それも出来ずに母も亡くなったため、母の相続人長男・長女で遺産分割協議をすることになります。ここで長男、長女というのは、あくまで父の遺産相続人としての長男、長女ということになります。また母の相続人というのは、同じ長男、長女ということになります。すなわち、父の遺産相続人としての長男・長女と、父の遺産相続人しての「母」のさらに相続人である長男、長女がダブることになります。ですので、結局は、今生存している長男・長女で遺産分割の協議をすればいいということになります。その分割の分配等は、法定どおりではなく、協議でいかようにも決めることができますので、長男がすべて受け継ぐことも可能です。

 では、その遺産分割の書き方はどうするのでしょうか。

       遺産分割協議書
 被相続人 鈴木太郎(父)(本籍 ○○市××町 番)は、平成27年3月1日死亡した。また、鈴木太郎の相続人である鈴木花子(母)が平成27年4月1日死亡したので、鈴木太郎及び鈴木花子の相続人である鈴木一郎及び佐藤桜子(長男、長女、ただし長女は婚姻後「姓」を佐藤に変更)は、被相続人の遺産について次のとおりに分割することを協議した。
 1、次の各号の不動産は、鈴木一郎がすべて単独で取得する。
  (1)所在  ○○市・・・・・・・・番地イ
     地番  123番1
     地目  山林
     地籍  44.0㎡
  (2)・・・・・・・・・・・
 
 本遺産分割協議の成立を証するため、本協議書を2通作成し、各自1通を保有する。
 平成27年4月15日
  住所 ・・・・
  氏名 鈴木一郎 実印
  住所 ・・・
  氏名 △△桜子 実印

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