思うがままに

Step by Step

入院5日目

2007-02-11 | ひとりごと
朝 目覚めて隣に妻の寝顔が見えないことで、また一人の自分に気付いた
世間は3連休のど真ん中
カーテンをあけると爽やかな青空が広がっていた
洗濯機に汚れ物を詰め込みスイッチを入れた
無意識にも今、私がしなければならないことが勝手にできてしまった

いつも朝はヨーグルトを食べさせられる
賞味期限が迫ったボトルが冷蔵庫の奥に3つもあるのに気付いた
大きなスプーンでモクモクとすくって口に放り込んだ

『からだにいいから 食べんとあかんよ』
『はい はい 食べるやん! うるさいなぁー』

朝食は無言のまま、あっという間に済んだ

さっと朝刊のテレビ欄に目を通した
『おっ ラグビーがある!』

神戸市街地に向かう道路は比較的空いていた
今日は45分で病院に到着
平均車速に換算して約33km/h これくらいで走れたら充分だ

病室に入ると妻は昨日の新聞をベッドに広げて読んでいた
私はカバンの中から「はい 今日の新聞」と言ってベッドに置き、タオル、下着、靴下等をロッカーに詰め込んだ

相変わらずチューブが鼻に入っていた
「上向いてる鼻が余計上向いてしまうかもなぁー」と妻をからかった
「ほんまや だんだんお父さんに似てきてしまうわ」
そんな言い方をするときは本調子
「昨日 何食べたん? ラーメン食べたらあかんよ! 野菜もちゃんと食べてよ ビールは1本やで!」と益々本調子
「ちゃんとやってるよ!」とラーメンを食べたのを見抜かれた私はオドオドしながら反論

「今日なぁ ラグビーがあるから早めに帰るわ」
「ええ? ここで見て帰ったらいいやん!」
「そんなちっちゃなテレビなんかあかんわ」
「さびしいなぁー」と私のわがままに精一杯反論してきた

私はラグビーが好きで好きで・・・
神戸製鋼が出ない日本選手権が物足りないけど、今日はヤマハVS関東学院戦!

12時前に病室を出た
妻は見送ると言って下まで機械を転がしながらついて来た
「ちょっと風が冷たいからなぁ ここでええよ」と言うと、淋しそうに「うん じゃ気をつけてね」と言った
振り返ると手を振りながら笑っているようで、でも淋し気な妻の姿が見えた
私は笑顔で手を振った
『俺ってひどい人間かも・・・』


家の玄関の鍵を開けた時、携帯に電話が・・・
「あのー Tシャツは持って来てくれんかったん?」
「ロッカーに入れたけど・・・ちゃんと見なさいよ」

あれ? Tシャツ? 入れたかなぁ?

「ちょっと待って ああー お前の部屋に置いたまんまやったわぁ」
箪笥から取り出したTシャツがそのまま積んであるのが見えた
「明日 持って来てねぇ」
「はいよ」

こんな私だから 妻からは全幅の信頼が無いのかも・・・・