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[アルカロイド]食生活について語ろう

2023年06月10日 | 美容ダイエット

◎アルカロイドAlkaloid あるかろいど
  今の季節新緑がまばゆく、新芽を摘(つ)まんで口にしたくなります。水仙の葉をニラと間違えたとか、アジサイの葉をあしらいに使って食べ食中毒を起こしていたことが聞かれました。水仙の鱗茎にリコリン(Lycorine)のアルカロイドを含み有毒とされますが鱗茎のすりおろし汁に小麦粉を加えたりして練り、肩こり、乳腺の腫れ、打ち身、筋肉痛、歯痛など痛みを解消するとして外用の民間薬として用いられてきました。作用が穏やかなテォブロミン(Theobromine:ココア)などは日常的に飲用してます。
 食品としている山菜、野草、茶、コーヒーなどの嗜好飲料などにも含まれています。主にアカネ科、ケシ科、キンポウゲ科、セリ科、マメ科、メギ科などの多くの植物に主に熱帯、亜熱帯地方に多く分布します。アルカロイドを含む主な植物の生理作用についてお届けすることといたしました。

 ドイツ人化学者Carl F.W. Meissner によってアルカロイド(ドイツ語 Alkaloide)という名称を1819年に導入しています。この語は後期ラテン語のalkaliと同じく、「植物の灰」を意味するアラビア語 からとして何々ののようなを意味しています。 
今までに2000種類以上のアルカロイドが発見され、人工的にも合成されています。動物から身を守るために働く物質といわれています。アルカロイドとは植物塩基の意味で、植物に含まれる塩基性含有窒素化合物で有機酸塩とし存在することからアルカリで分解し溶剤抽出、蒸留により分離されます。苦味の成分で「苦味質」ともいわれ種類としては毒性を示すものが数多く顕著な生理作用があり利用されているものもあります。作用が穏やかな、お茶、コーヒーに含むカフェイン(Caffeine)は、臭いが無く苦味があり、熱湯にとけ出しやすく、光沢のある白色針状の結晶でタンニンと結合して沈殿します。
お茶でのアルカロイドの興奮作用は、抹茶>玉露>コーヒー>紅茶>煎茶・ウーロン茶・ほうじ茶>番茶の順で含みます。茶に見出されたものを別名で茶素(テイン)ともいわれ、紅茶にはテォフェリンを含みます。脳の中枢神経を刺激し、筋肉を刺激し眠気の除去、興奮作用を呈し記憶力、集中力、判断力をよくします。
カフェインは、市販の風邪薬、栄養ドリンクに含まれ、しばしばドーピング(運動能力を高めるための薬物)に用いられることもあり尿中に12μg/mg排泄が認められてはならないこととなっています。疲労回復、血流促進、利尿、強心、食後の消化促進作用もあり体内で尿酸となって尿中に排出されます。一杯程度の茶、コーヒー、紅茶に20~100mg、カカオ豆、コーラに45mg含まれます。ウーロン茶のカフェインの量はコーヒーの1/3程度、栄養ドリンクでは50~200mgとされています。 カフェインを1回につき500mg、1日に1g(1000mg)以上とると、 胃部不快感、動悸(どうき)などの副作用が起きやすくなると言われ、致死量は、推定10g以上とされています。

ジャガイモの新芽、緑色部分に多く幼芽の半分ぐらいですが皮にも含まれるソラニン(Solanine)は、希硫酸によって赤くなり、加水分解でソラニジンと糖(グルコース、ガラクトース、ラムノース)に分解されるグリコアルカロイド(α-ソラニンとα-チャコニンを主成分とする)で苦味があります。ソラニジンが、ステロイド(抗炎、免疫抑制作用がある)系のアルカロイドで腹痛、メマイなどを起こし、神経障害、瞳孔拡大、赤血球破壊作用を呈し毒性を有しています。生芋で20~40mg/100gで中毒を起こすといわれます。一般に0.05%程度含み0.1%に達するものもあり危険とされています。加熱して分解されず水に難溶、アルコールに溶けます。ソラニン(Solanine)は、日の当たるところで保管すると発芽し皮が緑がかって増加し芽、皮を取り除くのがよいです。他にトマト、ほうずき、ヒヨドリジョウゴ(多年草)、なす、ピーマンなどナス科の植物にじゃが芋ほどではないが含みます。

胡椒は、香味、辛味成分アルカロイド(ピペリン、チャビシン)を含み魚、肉の消臭、防腐、抗菌作用があり食欲増進に用いられています。


 よく聞かれる食用、薬用としている植物でアルカロイドを含むものをあげてみました。
アカネ科:コーヒーノキ、キャッツクロー、キナ
ケシ科:ケシ、コマクサ、クサノオウ
キンポウゲ科:オウレン、トリカブト
セリ科:ドクニンジン、ドクゼリ
マメ科:クララ(マトリグサ・クサエンジュ)、
メギ科:イカリソウ、ナンテン
マオウ科:マオウ
ナス科:ロート(はしりどころ)、たばこ、チョウセンアサガオ、じゃがいも、トマト、ほうずき、なす、ピーマン、クコ
ミカン科:キハダ
バンレイシ科:ポポウ
ユリ科:犬サフラン、アマドコロ
ヒガンバナ科:ヒガンバナ
アオギリ科:ココア
コカノキ科 :コカ
マチン科:ホミカ(馬銭まちん)
ムラサキ科:コンフリー
キキョウ科:ロベリア
キョウチクトウ科:インドジャボク、チョウジソウ
コショウ科:胡椒
トウダイグサ科:ヒマ(とうごま:唐胡麻)
などがありました。
最近ではテトロドトキシンやサキシトキシンSaxitoxinのように動物や微生物が産生する有害な含窒素化合物や、幻覚剤であるLSDなど非天然型の化合物もアルカロイドに含めることも多い傾向です。生合成的には、アミノ酸を出発物質とするアミノ酸経路によって生成される真性アルカロイド(モルヒネ、アトロピン、キニーネ、コカインなど)と、非アミノ酸由来のプソイド(シュード)アルカロイド(エフェドリン、アコニチン、ソラニンなど)に分類しています。

 歴史的に有名なソクラテスの獄中毒殺では、紀元前399年ドクニンジン(コニン)の絞り汁の一服でした。マオウに含むエフェドリンが1885年に発見され喘息の特効薬となったことはよく知られています。
ケシの未熟果よりでる乳汁を乾燥して得られたアヘンにはモルフィン、ヘロイン、コデイン、ナルコチン、パパベリンなどのアルカロイドを含みモルフィン(Morphine:モルヒネ)は鎮痛、麻酔、催眠作用があり依存性のきわめて強い麻薬です。ケシの開花後、10~20日経った丸い大きな実の下方のくびれ目が薄黒く着色した未熟果(芥子坊主)に切り込みを入れるなどして乳液状の物を乾燥させ黒い粘土状の固形物になります。これが阿片(あへん)で約10%ほどのモルヒネを含んでいます。 精製の必要がなく、顕著なきわめて有効な効果があったので古くからその存在が知られているところです。
阿片そのものは今日では他の麻薬に比べ麻薬性は相対的には少ないとされるものの過度の服用は幻覚症状などを引き起こし、中毒になります。製薬原料として広く利用され阿片はモルヒネ、ヘロインの原料となりヘロインは麻薬性が特に強い成分でありアヘン、モルヒネよりもさらに危険な麻薬として厳しく取り締まりがおこなわれています。

タバコのニコチン(Nicotine)は興奮作用があり中毒量は1~4mgで致死量は40~60mgです。コカの樹葉のコカイン(融点98℃)は、麻酔性があり、これを利用した炭酸飲料は習慣性になりやすく注意が必要です。有毒性のあるものとして毒セリのシクトキシン、彼岸花のリコリンがあげられます。水溶性アルカロイドのリコリン、ソラニン、トマチン(トマト) は水に晒(さら)すことによって抜くことができます。

彼岸花はヒガンバナ科、秋の彼岸に咲くことからの呼び名としているようです。 全体にアルカロイド(リコリン・セキサニン・ホモリコリン)を含み嘔吐・下痢を伴い中枢神経をマヒさせます。秋に開花した後に、すぐに葉がでて冬を迎えます。周りの野草が枯れている時期に光合成をして、球根(鱗茎)にでんぷんを蓄えています。
救荒作物として鱗茎にでんぷんを貯えていることから水にさらして毒抜きをして食用としていました。 江戸時代にサツマイモが導入されて、彼岸花はその食料としての役目を終え今では食べ物という感覚はありません。
かつては毒を利用して壁土に混ぜ防虫に、田んぼの土手に植えネズミ、もぐらからの外敵を防いだりしていたことが知られます。外用ですりつぶした球根を貼って浮腫、肩こりに効果があるといわれています。

チョウセンアサガオ(アトロピン、スコポラミン、ヒヨスチアミン)、ハシリドコロ(アトロピン:融点116℃)には、強いアルカロイドであり麻酔性のある毒素を持ち有害植物とされますが、鎮痙(ちんけい)、止血(しけつ)薬としても知られています。モルヒネ(未熟のけしの果皮)、キニーネ(キナ:解熱・抗マラリア)、エフェドリン(マオウ:喘息)、ピペリン(コショウ)、アトロピン(ロート根、葉、種子)、ストリキニーネ(ホミカの実)、ロベリン(キキョウ科)、レセルピン(Reserpineキョウチクトウ科)、ツボキュラリン(マチン属科)、アコニチン(トリカブト)、リシン(Ricin:ヒマシユ)など数多く存在しています。

 以上のようにアルカロイドは、直接食用にできるものから、有毒物質を取り除いて食用としたものもあります。生理作用が強くそのままでは毒物とされますが、微量用いることによって人体に有用な作用をもたらしています。一般に化学物質は、LD50(半数致死量)の数値によって区分されます。毒性の程度は経口LD50ラット(mg/kg)で極大<1mg(体重60㎏の人で換算して60mg/1日)  大1-50mg  中50-500mg 小500-5,000mg 極小5,000-15,000mg 殆ど異常なし>15,000mg(体重60㎏の人で換算して900g/1日)ぐらいとしています。多くの情報を得ることによっていざという時のための日常生活に役立つことがあります。

 

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