・帆立貝Scallop ほたてがい
イタヤガイ科、関東、北陸以北の北海道、東北地方の湾内砂地の水深10~30mの浅瀬に生息する。
寒海性で直径20cmにも成長する二枚貝で殻の付け根の部分両側に出っ張りがあり一面が平で殻の開閉によって海中を遊泳する。その姿が帆かけ舟のように見えることから名前がついたといわれる。
寿命は、10年ともいい養殖ものが多く1年で3cmほど3年で10cm~12cmに成長、成熟させ食用とする。中腸腺(内臓)は、無害の時期もあるが中毒を起こすことがあることから除去し出荷している。
帆立貝の身を取り出した後の貝殻は、牡蠣の稚貝を付着させ種床(たねどこ)として利用している。
5~8月、12月から翌年の3月を旬とし旨味のある高級食材として大きな貝柱を主に刺身、酢の物、焼き物、煮物、スープ、フライ、コキール、干物、缶詰にする。貝柱の周りの外套膜(がいとうまく)、ひもとと呼ばれるところは、寿司ネタ、酢のものに、和、洋、中華と幅広く利用される。
生での長時間加熱は、身が固くなったり旨み(コハク酸)がなくなってしまうことから干した貝柱で干貝(かんぺい)といい、主にだし取りとして中華料理に、また漢方に用いられる。
低カロリーで貝柱には、セレン(内臓を丈夫にする、抗がん、抗酸化作用)、亜鉛(1.8mg/100g中・血管を柔軟にする)を含み、身全体で鉄(2.8mg/100g中)、銅(0.13mg/100g中)を多く含む。タウリンを含み細胞の活性化に役立つ。