ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ソウル・キッチン

2011-01-21 18:57:59 | さ行
コケティッシュで楽しくて
お腹が空きました。


「ソウル・キッチン」72点★★★☆


ドイツのハンブルグで
レストラン「ソウル・キッチン」を経営する
ジノス。

倉庫を改装したような店で
メニューは冷凍のフライドポテト(!)など
「ん?」なものだが
そこそこ客も入ってる。


ある日、ジノスは
高級レストランで
シェフがクビになる場面に居合わせ

「うちにこないか?」

と、シェフをスカウトする。


しかし、このあたりから
なにやら
レストラン経営にも人生にも
暗雲が立ち込めてきて…?


イスタンブールの
ミュージックシーンを撮った
「クロッシング・ザ・ブリッジ」や

「そして、私たちは愛に帰る」などで知られる
ファティ・アキン監督の新作。


ドイツ在住のトルコ系移民である彼は
民族や文化の混ざった
多様性やごった煮感を描くのがうまく

今回も
さまざまな人々が集まる
“ごった煮食堂”を舞台に

生き生きとした人物たちが
魅力を放つ作品でした。


言ってしまえば
単にツイてない男が
どうにかがんばるって話なんだけど

なんか魅力があるんですねえ。


へんに飾ったり
カッコつけたりしない人たちの
素のまんまの“強さ”には
かなわない、というのか

人間的な味がある、というんでしょうか。

「ギックリ腰」なんて古典的なギャグ(?)で
延々引っ張ったりする
ベタさも楽しく


料理シーンはさほど多くないのに
めちゃくちゃお腹が空きました。


おなじみ『週刊朝日』ツウの一見で
人気の料理研究家
コウケンテツさん
本作についてお話を伺いました。

監督とは同い年でもあり
また「自身のルーツ」的な探求の姿勢など
けっこう感覚が近いんだそう。

1/27発売号で掲載予定です。
お楽しみに☆


★1/22からシネマライズほか全国順次公開。

「ソウル・キッチン」公式サイト

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2 コメント

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グ~ (三本毛)
2011-01-22 04:20:45


観ていておなかが空く映画っていいよね。

中華料理を食べてるシーンなんか見た日にゃ
絶対に中華食べたくなるもんね。
お料理がおいしそうということもあるけど、
食器が触れ合う音とかがいいんだよね。

まずい、こんな時間におなか空いてきちゃった……。
映画と食べ物 (ぽつお番長)
2011-01-24 02:25:28

やっぱり映画で
一番食べたくなるのは中華だね~。

あとワインね~。

食卓のシーンって
お国柄がわかっておもしろいよね。


最近よく見るのが
中国の人って

ごはん食べてるときに
人の茶碗に
おかずを勝手に
どんどん盛るのよ。

身内でもお客でも。

親しさの証なんだろうけど
番長的には迷惑かも・・・。

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