ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

サウラ家の人々

2020-11-19 23:45:30 | さ行

「カラスの飼育」(1976年)で知られる

カルロス・サウラ監督のドキュメンタリー。

サウラ作品を知らなくてもおもしろいはず!

 

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「サウラ家の人々」74点★★★★

 

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1932年、スペイン生まれにして

「カラスの飼育」(1976年)で知られる

御年88歳のカルロス・サウラ監督のドキュメンタリー。

 

ワシもですね、サウラ作品って「カラスの飼育」しか知らないのですが

でも、これはおもしろいw

サウラ作品を知らない方にも薦めたい良作なのです。

 

なんとサウラ監督って

4人の女性との間に7人の子がいるそうで(ひえ~知らなかった!

それだけでも波瀾万丈感がムンムン(笑)

 

 

で、そもそもは

サウラ作品ファンのフェリックス監督(1975年生まれ)が

「彼が子どもたちとの対話を通して、自身を、女たちを語る」――――という企画を

たてたようなんです。

で、取材OKが出て、おそらく監督は小躍りしたでしょう。取材者として、わかる。

 

しかーし。

サウラ監督、これまたなかなか一筋縄ではいかない方で

撮影がスタートしても

「え?自分のこと?話さないよーん」みたいな感じ(笑)

 

まーあ、インタビューアー泣かせというか、

同業者として、背筋を汗が伝う感覚もいたしましたが

いやいやどうして、監督もなかなかに食らいつき、

取材相手に傀儡される様子までもが、おもしろみになっているんです。

 

それに、なんといっても88歳(撮影時85歳)にして、

生き生きと絵筆を握り、旺盛な制作意欲とユーモアに溢れ、

記念上映やイベントに招かれて世界を駆けるサウラ監督の姿を

すごい!かっこいい!と思ってしまう。

 

そんな監督のマネージャーをしているのは

まだ20代の美しき末娘だし

60代を筆致にした6人の息子たちも

写真で振り返ると、まあ一様に美青年なんですよね。

 

そんな息子を前に

「いまはハゲて腹が出たなあ」「おたがいさまでしょ」的な

父子の会話も笑えるんですが(笑)

 

映画の冒頭に映る、若き日の監督のシャープな横顔は、

歳を重ねてもそのままで

かつ息子たちにも、その鼻筋がそっくり受け継がれているのを見て

遺伝子ってすげえ!って思ったり

さまざまがあっただろうけれど、

それを超えて”親子”になっていく

家族のさまが映し出されていて、すごくいいなあ、と。

 

監督がいう

「映画も(自分の)子どもたちのようだ。その時代の空気と、そのときの私の心から生み出されるのだから」

という言葉に

想いの全てが詰まっている、と感じました。

 

マルタ・アルゲリッチの三女が撮った

「アルゲリッチ 私こそ、音楽!」(14年)

 

サラ・ポーリーの家族ドキュメンタリー

「物語る私たち」(14年)にググッとくる向きに

特におすすめです!

 

★11/21(土)から新宿K’scinemaで公開。ほか全国順次公開。

「サウラ家の人々」公式サイト


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