ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

バードピープル

2015-09-26 22:42:54 | は行

あ、これ好きそうだな、と思って観た人は
間違いなく好きになると思う。


「バードピープル」71点★★★★


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パリ、シャルル・ド・ゴール空港近くのホテルに
やってきたアメリカ人のゲイリー(ジョシュ・チャールズ)。


成功したビジネスマンである彼は
今日はパリで会議に出席し
明朝にはドバイに飛び立たなければならない。

が、そんな日々は明らかに彼を摩耗していた。
そして翌朝、彼はある決断をする――。

いっぽうホテルでメイドとして働く
オドレー(アナイス・ドゥムースティエ)は
大学も休学し、アパートと職場を無為に往復する日々。

ホテルの窓辺から、空港を飛び立つ
飛行機を眺めていた。

すると、彼女にあることが起きて――?


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「レディ・チャタレー」から8年ぶりとなる
パスカル・フェラン監督の新作。


ささやかだけれど、ふっと心に入ってきて
好きだなあと思える映画でした。

監督は本作を着想したとき
村上春樹の小説を思い浮かべたそう。
なるほど~。なんか伝わる。


舞台となるのは空港やホテル、移動するバスという
人々が交錯する空間。

目的を持って、先を急ぐ人々のなかで
ふと、異邦人のような、所在なげな気分になる瞬間って
ないですか。

それとか
空港までのモノレールに揺られて、遠くを見ているときに
ふと感じる、吹っ切れ感や、開放感のようなもの。

そんな空気を
とてもうまく写し出していると感じました。


そして、そんな場所で、所在なげな男女の物語が
スーッと始まっていく。

最初のエピソードがアメリカ人の男の話で
続いてホテルメイドの女の子の話になり

特に女の子のほうは
「え?こうくるの?」と驚きつつウケた(笑)。


女の子を演じているのは
フランソワ・オゾン監督の
「彼は秘密の女ともだち」のアナイス・ドゥムースティエ。

うん、この映画の彼女は
すごくかわいい。
小動物っぽさが、ピッタリハマってました。


映画を観たあと、ボーッと流れていく
抜けた景色が見たくなって
ゆりかもめに乗っちゃいましたよ(笑)。

モノレールで空港に行ってもよかったな。

余談。
そういえば「レディ・チャタレー」で監督に会ったかもしれん。
記事を書いた記憶があるなー。対談だっけ?


★9/26(土)からユーロスペース、新宿シネマカリテほか全国順次公開。

「バードピープル」公式サイト

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