ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

キューブリックに愛された男

2019-10-29 23:45:26 | か行

完璧主義者と名高い、天才キューブリック、

実生活でもめっちゃ細かっ!(苦笑)

 

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「キューブリックに愛された男」71点★★★★

 

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「2001年宇宙の旅」(1968年)、

そして「時計じかけのオレンジ」(71年)や「シャイニング」(80年)で知られる

天才にして異才のスタンリー・キューブリック監督。

 

99年に「アイズ・ワイド・シャット」を完成させた

5日後に70歳で亡くなり、

いまだ「神!」な監督ですが

 

その完璧主義者ぶりなどから、相当にヘンクツで難しい人物だった――というのも

伝説になっている。

 

でも、実際、どうだったのか?

 

本作は

そんな彼に30年間、執事のように仕えた

エミリオ・ダレッサンドロ氏(78)がキューブリックを語るドキュメンタリーです。

 

 

1970年、タクシー運転手だったエミリオ氏は

偶然に天才監督と出会い、

そこから彼の絶大な信頼を得て、

99年に彼がなくなるまで、秘書、いや執事のような役割を果たしていた。

 

キューブリックの死後、20年あまり沈黙していた彼が

改めて“主(あるじ)”を語ったんですが

 

まず、とにかくエミリオ氏は

キューブリックからのメモや撮影小道具など

あらゆるものをきちんと整理して取ってある収集魔(笑)

 

それが幸いし、事実関係の裏付けは十分にある。

 

「猫たちのごはんについて」とか、

キューブリックから指示されたあらゆるメモが残っていて

その完璧主義者ぶりが

映画製作のみならず日常生活に及んでいたとわかります。

 

そして同時に大変な動物好き&動物愛護家だったこともわかる。

 

なによりエミリオ氏自身が記憶力も抜群で

語りも俳優なみ。

ほぼ一人語りで87分を持たせるんだから、かなりの人物なんですよね。

 

で、そんな彼の話から

素顔のキューブリックが見えてくるところが

この映画のおもしろさなんです。

 

そして

そんなキューブリックの要求に

24時間応えたエミリオ氏は、いわばキューブリックに

人生を狂わされてもいるわけで

 

 

しかし、エミリオ氏の語りから

彼には抗えない人間的魅力もあったのだ、こともわかる。

 

 

キューブリックの人となりを知る、貴重な証言であり

すぐに「シャイニング」も見返しちゃいました(笑)

 

また本作は、映画制作現場でキューブリックを支えた男を取材した

「キューブリックに魅せられた男」とカップリング公開されます。

2作を併せて観ると、おもしろさ倍増!なので、おすすめです。

 

さらに

『キネマ旬報』11月下旬号(かな?)で

イタリア在住の、生エミリオさんにインタビューさせていただいています。

巨匠との「ホントの話」はどうだったのか?

ぜひ、映画と併せてご一読くださいませ~

 

★11/1(金)からヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国でカップリング公開。

「キューブリックに愛された男」公式サイト

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