ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ブルーアワーにぶっ飛ばす

2019-10-16 23:45:00 | は行

ぶっ飛ばせ、じゃなくて

ぶっ飛ばす、なのがポイントなのさ。

 

「ブルーアワーにぶっ飛ばす」71点★★★★

 

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CMディレクターの砂田(夏帆)は30歳。

仕事でもバリバリ、結婚もしていて「もってる」オンナのハズなのに

どこか満たされず

悶々としている。

 

そんな砂田が、祖母の入院で

大っ嫌いな田舎=茨城に、帰省することになる。

 

一緒に行く、と言い出したのは

幼いころからの砂田の“秘密の友だち”キヨ(シム・ウンギョン)だ。

 

悪態をつきながら、ついに実家についた

砂田を待ち受けていたものは――?!

 

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いろいろ手に入れてるはずなのに、どこか満たされず

世の中に悪態をつく、30歳女子・砂田。

そのすさみ加減が、マジ「パねえ」(笑)。

そして

演じる夏帆さんの、振りきれ加減が、いい。

新たな境地に行ったなあと感じました。

 

監督の箱田優子氏は1982年生まれ。

CMディレクターとして働く彼女の、半自伝的な要素もあるらしく

 

仕事相手へのたたみかける言動、

かと思えば、撮影現場で大物俳優を取りなす「術」も持ち、

飲み屋では盛大に(あるいは、こっそり)毒を吐く――

ハハハ、ニッポンの働く女子には、ツボるツボる。

 

そんな砂田がだいっきらいな

田舎に帰省することになる。

そこで同行するのが、“秘密の友だち”キヨ。

演じるのは

「新聞記者」(19年)の好演も記憶に新しい

シム・ウンギョン。

 

二人のリズミカルな会話とテンポがまた爽快で

かなり「素」?と思わせて、これもいいんですわ。

 

 

田舎、実家、親、そして生々しい生と死。

いまだそれと相容れない30歳は

そうした何もかもがわずらわしく「関わりたくない」と逃げ回る。

エネルギーもあるだけに

グネグネ加減もパねえ、わけで。

 

そんな砂田がそこと再びコネクトできるのは

まだまだ先だろう、と確かに思う。

自分を振り返っても

うーん、できるようになったの、38歳くらいか?とか。

 

ってな具合に

誰にもきっと「あのころの感情」を思い出させると思う。

日本のぐねぐね女子も、なかなかやるな!という

一発でした。

 

今週発売の「AERA」、いま観るシネマで

夏帆さんにインタビューさせていただいています。

本当に可憐な夏帆さん。

あの振りきれ演技はどこから?

シム・ウンギョン氏との掛け合いは、実際どうだったのか?などなど伺っていますので

映画と併せて、ぜひご一読ください!

 

★10/11(金)からテアトル新宿、ユーロスペースほか全国で公開中。

「ブルーアワーにぶっ飛ばす」公式サイト

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