英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

羽生二冠が竜王位挑戦者に ~第30期竜王戦~

2017-09-08 23:31:35 | 将棋
第30期竜王戦挑戦者決定戦第3局は、羽生二冠が制し、挑戦権を獲得した。
126手、終局時刻は22時29分。消費時間、▲松尾八段4時間59分、△羽生二冠4時間57分。


 飛車角が乱舞する一触即発の複雑難解な将棋だった。
 先日の王座戦第1局の大熱戦(大混戦)での敗北もあり、観ているだけなのに、ガチガチに力が入り、終局後はぐったり。(羽生二冠は私の百倍疲れたであろう)

 ここ数年で一番、いや、互いに永世竜王が掛かった第21期(2008年)竜王戦第7局に次ぐ重大な一局のように思っていた。昨年の名人位失冠以来、足元がふらつく将棋が目立ち始め、敗局が増え、今期の王位戦では精彩を欠き菅井七段に1-4で敗れ二冠に後退。さらに、先日の王座戦では大逆転負け。
 この竜王挑戦者決定戦で敗れると、「羽生、衰えた」という評価が定着してしまうところであった。他の棋士も羽生二冠への畏敬も薄れ、羽生二冠本人も、自身の将棋観がぐらつく……勝利への困難度が増すという悪循環が生じる。



 久々の羽生-渡辺戦
 両者に陰りがみられるとは言え、竜王戦では格段の強さを見せる渡辺竜王、通算タイトル数98期の稀代の大棋士の羽生二冠。随一の黄金カードである。

 将棋ソフトによる将棋の変革、若手の台頭と、激変の将棋界!
 羽生二冠もここ二年、苦闘が続いているが、それは渡辺竜王戦に向けての“走り込み”、脳力アップと考えたい。
 名局を期待。


 それはともかく、今日敗れたら、当分、私は悲しみの深淵に沈む日々が続いていたであろう。
 とにかく、よかった。うれしい。
コメント (6)
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『刑事7人』第3シリーズ 第9話「血戦 ~最終決戦…死刑囚脱走!!仲間の死 衝撃の真実 ~」

2017-09-07 23:58:29 | ドラマ・映画
ドラマ冒頭、簡単な“これまでのハイライト”の後、準備室メンバー、特に天樹(東山紀之)への観察官による聴取を挿入
それにより、ドラマの重みと緊迫感を高めようとしたのかもしれないが、これが大失策!

 ラテ欄で「仲間の死」と煽っており、沙村(髙嶋政宏)と脱獄囚・丸藤(音尾琢真)との対決シーンは相当な危機感を感じるところであるが、観察官聴取シーンでの顔を晴らしただけの沙村の姿を見ているので、全く危機感を感じなかった。
 同様に山下(片岡愛之助)救出シーンも危機感なし。。



 “仲間の死”というのは青山(塚本高史)の情報屋・久喜(米村亮太朗)のことだったらしく、相変わらずの狡い手法である。

 ちなみに、「ついに最終章――仲間が殺された…12係の仇討ちが始まる!」というラテ欄もあったようだ。

【ここから先はネタバレに繋がる推察】(外れるかもしれません)
・観察官聴取の時、天樹は肩・胸にサポーター(ギブス?)をしていたので、少なくとも今話のラストの馬久根(山本學)襲撃の騒動が収まった後だと思われる。
 さらに、天樹が暴走したことを匂わせる「殺意」について問いただしていた。現段階で天樹の暴走はないので、最終話後半、もしかしたらクライマックスの後の聴取だったのだろうか?
・聴取を受けていたのは、天樹、沙村、水田(倉科カナ)、青山の4人だけだった。とすると、室長・片桐(吉田鋼太郎)と山下は命を失ったのか?真の黒幕だったのか?

【細かな不満】
・「精神的に苦しめる」「憎悪の感情を生み出す」目的で、情報屋を斬殺したり、沙村と仲の良い宮本あかり(ハマカワフミエ)を巻き込んだ。
 まあ、それは良いとして、あかりを買収し脱獄囚に協力させたのは、沙村の心にダメージを与える為なのだが、「買収→協力」が分かりにくい。天樹の洞察力・推理力でそれに気づくことができたが、沙村だけでは無理!
 もっと、分かりやすく、沙村とあかりに心の傷を負わせるような行為、例えば、沙村と脱獄囚の格闘で沙村が優勢になった時、沙村が不利になるような行為をさせるとか…
 中途半端な買収だった為、「沙村が助けに来てくれた」「あかりの援護で危機を逃れられた」と本来の狙いとは逆効果。

・自ら劇薬を飲み死ぬことで、天樹たちの追求から逃れたロク。
 どうせなら、青山を挑発して殴らせ、そのはずみで自ら吹っ飛んで、窓ガラスを突き破って転落死ぐらいした方が効果的。


 脚本担当は“要注意脚本家” 真野勝成氏
 “警戒作家”の椅子は近い……


【ストーリー】番組サイトより
 「第11方面本部準備室」のメンバー・山下巧(片岡愛之助)が拉致され、行方不明となって数週間――。室長・片桐正敏(吉田鋼太郎)の独断による指揮のもと、天樹悠(東山紀之)ら「第11方面本部」の面々は、管轄する臨海エリアの薬物カルテルを摘発。臨海エリアを裏で牛耳り、山下の拉致にも関与していると思われる大地主・馬久根恒義(山本學)を倒すべく、大きく動き出した! しかし、この動きを察知した警視庁内部監察官・島村唄子(久世星佳)は、以前こっそり偵察を命じておいた刑事・水田環(倉科カナ)に再び接触。片桐の不透明な動きを暴こうと暗躍する。

 一方、天樹はホームレスを通し、「M」と名乗る人物からの書簡を受け取る。そこには、謎のURLとログインパスワードが記されていた! いったい「M」とは何者なのか…。天樹は訝しがるが、片腕がない男ということ以外、「M」に関する情報は得られない。そんな中、刑事・青山新(塚本高史)は薬物カルテル摘発の裏情報源として協力してくれた、昔のワル仲間・久喜鉄平(米村亮太朗)から大きな情報を得る。それは、馬久根の利権を狙っている「御厨」という男の情報で…!?

 その矢先、馬久根が恐ろしい報復に出始める。手下の事件師・ロク(川口力哉)を使って、久喜と身重の妻を惨殺したのだ! しかし、馬久根が絡んだ証拠はひとつも残されておらず…。
 さらに、不測の緊急事態が発生する。天樹らの仲間だった刑事・永沢圭太(鈴木浩介)を殺した死刑囚・丸藤遼平(音尾琢真)が、東京拘置所から脱走。その直後、刑事・沙村康介(髙嶋政宏)がほのかに好意を寄せるジムのスタッフ・宮本あかり(ハマカワフミエ)が失踪し…!

脚本:真野勝成
監督:及川拓郎
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2017王座戦第1局 ~大逆転負け~ ……その1「私が思う敗因と急いた攻め」

2017-09-06 23:02:06 | 将棋
 大逆転負け……
 ショック度は2016名人戦第2局、逆転負けによる虚脱感は2016王位戦第5局………

 大局観の狂い、読みの精度が落ちている、体力・脳力などの持久力の衰え、羽生王座の方が間違えやすい局面が続いた……などの原因が考えられるが、AbemaTVの映像の挑戦者の中村六段の鬼気迫る表情から、中村六段の気迫がひしひしと伝わってきた。気持ちで羽生王座を上回っていた。羽生王座の一番の敗因のように思う。
 非勢に陥ってからの頑張りは見事で、羽生王座云々と言うよりは、中村六段を讃えるべきであろう。


 無料で中継してくれるAbemaTVには感謝しているが、解説者を充実させてほしい。中田功七段の三間飛車のファンなのだが、思い込みで局面をとらえ過ぎて、読みの精度にかけていた(110手目あたりでは先手玉が4五に逃げていくのを見逃していて「後手勝ち」を断定していたかと思えば、123手目に危険そうな6五に玉を逃げる手が全く見えていない……などなど)。
 それと、私だけかもしれないが、頻繁…本当に頻繁に回線が途切れるのを何とかしてほしい



 序盤、後手の羽生王座が△4四歩と角換わりを拒否して、今はやりの“雁木風”の構えを採用。
 先手中村六段が2筋に動いたのに対し、△5五歩と動いて得た1歩を、8筋の継歩に活用。これが功を奏し、局面をリード。
 そして、先手の急所に△6七歩と突き刺す。

 ▲6七同金は△8七歩成▲同歩△同飛成なので▲7九角と逃げたが、先手陣の急所にくさびが打ち込まれた。
 ▲7九角以下、△6四銀と第二の矢を繰り出す後手に対し、先手も桂頭攻め覚悟の▲7七桂の勝負手。
 以下、△7五歩▲6五歩△7六歩▲6四歩△7七歩成▲同銀△6五桂打(第2図)と進む。
 6七に歩が残り、後手が快調だが、先手も銀桂交換の駒得に持ち込み、手順に6四に歩が進んだ。
 将棋の流れは後手だが、その流れほど局勢は傾いておらず、後手の指し方も意外に難しい。
 

 第2図の△6五桂打……“継ぎ桂”。美濃囲い崩しの筋や、両取りに重ねて打てば守備駒で取られても同桂で両取りが解けないなど、時には抜群の効果を発揮するが、「三段目+五段目」の継ぎ桂の場合は駒の働きとしては重複感が強い。
 本譜は△6五桂打▲7六銀△2六角▲同飛△5七歩と詰めろで攻めたてる。確かに息をつかせぬ厳しい攻めのように見える……

 ▲3五歩と角切りを防がれる前に角を切っておく。さらに手順に飛車の横利きをそらすこともできるが、△2六角と攻めにも守りにも働いていない銀と刺し違えるのは勿体ない。先の△6五桂打と合わせて、短兵急なのではないだろうか?羽生王座も「単調だったかも」と振り返っている。
 感想戦では△6五桂打では単に△5七歩が良いとされた。▲同金なら打つ必要がなくなり△6五桂と跳ねることができる(△6五桂に代えて変な手だが△8七桂もあるかも)。また、△5七歩に▲同角ならそこで△6五桂打でよい。
 羽生王座は△5七歩に対して角切りを防ぐ▲3五歩を気にしたようだが、これには△4六歩(軽妙図)が“味よし九段”(有吉九段)。
 
 ▲4六同金なら△6五桂と跳ねることができ、▲4八歩と受けるのは飛車の横利きを止めるうえ、▲4二歩など攻めに歩を使えなくなりプロなら絶対に打たない歩だ。また、▲4八飛と飛車で歩成を受け、あわよくば4筋逆襲を目論む手もあるが、玉飛接近で当たりが強くなり、マイナスになりそう。

 とにかく、軽妙図の余裕の手順に比べて、本譜は“急かされて攻めている”印象を受ける。

 単調図以下▲6七金に△5八銀と打ち込む。

 △5八銀は夕休前に49分の考慮。夕食休憩(50分)を含めると、ほぼ1時間40分。勝ちを読み切ったと思いたかったが、感触の良くない攻め筋……竜王位挑戦者決定戦第2局の△2四香を思い出す。嫌な予感がした。
 最近、優勢の局面で長考した手や夕食休憩後の指し手が疑問手だったことが多いし……

【続く】
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立ち直れそうにない

2017-09-05 22:58:17 | 将棋
王座戦第一局は大逆転負け。

ちょっと立ち直れそうにない……
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2017柔道世界選手権 更なる理不尽な判定

2017-09-03 23:41:36 | スポーツ
しつこいですが、柔道世界選手権の続きです。
「新ルールの功罪」「頻繁なルール改正と審判の未熟さ」
(続けるつもりは、なかったのですが)

女子78㎏超級 決勝 朝比奈沙羅 - ユ・ソン(中 国)
 本戦の4分間は、有効に近い技を2回掛けるなど、朝比奈が優位の内容。「消極的」の指導もユに一度出された。
 GS(ゴールデンスコア方式)に入ると、まず、ユが巻き込み技を出し(ほとんど効果なし)、朝比奈も支え釣り込み足で相手の体勢を崩す。
 この辺り(GS24秒)から、ユに疲労の色も見え始める。
 45秒、ユが朝比奈の腕を取りしがみつくように倒れ込む(技と言えるものではない)。
 ここで、朝比奈に「消極的」の指導。
 1分04秒、ユが朝比奈の腕を取り、巻き込み気味に倒れ込む(全く効果なし)。ユの疲労の色が濃くなり、起き上がるのも辛そう。
 1分17秒、ユが朝比奈の腕を取り、ぶら下がるように倒れ込む(ぶら下がっただけ)
 1分26秒、ユが朝比奈の腕を持って、うつ伏せに倒れ込む。
 1分38秒、ユが朝比奈の腕を引き、うつ伏せに倒れ込む。
 1分53秒、ユが朝比奈の腕をつかんで、うつ伏せになる。(腕をつかんで寝ているだけ)

 1分56秒、朝比奈に「消極的」の指導が出され、朝比奈の負けが宣せられる。
 ユ、満面な笑みでコーチの下へ歩み寄る。
 満面の笑み(恥ずかしいという感情は全くないようだ)……「JUDO」をしたユの勝利だった。


 GSでユが出した巻き込み技(“技”と呼べる代物では全くなかったが)は7つ。
 効果は全くなく、少なくとも5回は「掛け逃げ」の指導が出ても全くおかしくないモノだった。

 審判が未熟過ぎ!

 朝比奈にとっては納得のいかない敗戦であった。
 しかし、「消極的」の指導を取られる危険性があったので、5度連続、ユの“うつ伏せ”(恐ろしい技である)を出させてしまったのは、工夫が足りなかった。


 男子100㎏超級原沢は2回戦で敗れ(初戦敗退)、王子谷も3回戦敗退(優勢負け)。
 原沢は、GSでの「消極的」の指導が出されて負け。
 ハイライトの映像しか観られなかったが、原沢が押しに押していたようだったが……
 GSでの「指導負け」という怖れていた事態に陥ってしまった

 原沢、王子谷とリネールの試合が観たかったなあ。
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2017柔道世界選手権 頻繁なルール改正と審判の未熟さ

2017-09-02 17:55:38 | スポーツ
 ルール改正の頻度は、競技によって大きな差がある。

 野球、サッカー、テニス、バスケットボール、陸上競技、競泳などは改正が少ない。
 私の思いつく範囲では(用具・道具の規定は除く)、野球だと(グローバルではないかもしれないが)ホームベース上での衝突行為の防止、延長戦の短縮など。サッカーは延長戦のゴールデンゴールの採否。テニスはタイブレークの導入。バスケットボールは3Pシュート導入、30秒ルール→24秒ルール。陸上競技や水泳はフライングの一発失格(水泳は泳法規定の変更もある)……(漏れているかもしれません、ご了解を)。

 ルール改正が多いのは、レスリング、柔道、バレーボール、スキーのノルディック複合が思い当たる。
 改正の理由は、純粋な競技内容の質の向上を図ったものもあるが、テレビ中継時間を意識したゲームのスピーディー化(ラリーポイント制への移行やタイブレークの採用)や、プレイのレベルが上がったことによるもの(体操の採点方法、ビデオ判定)、テレビ中継や五輪採用の為一般受けするような変更も多い。
 しかし、競技組織の力関係によって改変されることも多々ある。有名なのは「スキーのノルディック複合では、日本が得意なジャンプの得点の比率削減」であろう。遠い昔、日本が強かったころのバレーボールでの「マーカー幅の削減」も該当しそうだ。

 今回の柔道の改正はどうなのだろうか。
 基本方針の「一本取って、勝利する」は、“質の向上”を図るものと考えられる。
 しかし、各国の綱引きによるルール改変が行なわれてきた過去の例を考えると、単純に質の向上を図ったものとは思いにくい。

 まあ、連盟の本音はともかく、今回のルール改正によって、「指導」の比重が高くなったように感じる
 一見、「本戦の4分間では技のポイントのみで勝敗が決せられる」で技重視のように思えるが、「有効の廃止」「男子の試合時間短縮」でゴールデンスコア方式(以後“GS”と表記)に入るケースが増える。GSでは(基本的に)指導数に差が付けば勝敗が決するので、指導の重要度が高くなる。さらに、本戦においても反則負けになる指導数が4から3に少なくなったことも、指導の重要度アップの一因となっている(詳しくは、「2017柔道世界選手権 新ルールの功罪」をご覧ください)


 指導は審判の主観に負うことが多く、試合序盤に出される指導など「試合を動かすためのアクセント」のように、審判の気分で出されることも多い。
 とにかく、「何故?」と思われる判定が多いのである。「投げ」に関しても疑問に思うことは多いが、「指導」に関してはより主観が大きくなるので始末が悪い。
 「2017柔道世界選手権 新ルールの功罪」でも不平を述べたが、昨夜の中継でも非常に不満に感じたので、先の記事と重複が大きいとは思いながらも、今回の記事を書いてしまいました。


女子78㎏級 3位決定戦 佐藤瑠香-アントマルチ(キューバ)戦
 1分40秒に裏投げでアントマルチが技あり
 2分01秒アントマルチが「場外」指導を取られる(主審ではなく他の審判の指示……主審はインカムを装着している)
 残り1分30秒(開始2分30秒)辺りからは、アントマルチは腰を引き攻勢の意欲はなく、佐藤の技に対応することに専念し始める
 残り55秒、アントマルチが内股から関節技に持ち込もうとする(この技だけは攻勢の意欲あり)
 膠着状態によって中断。この時、アントマルチは10秒以上仰向けのままで、体力の回復を図る。
 残り40秒、アントマルチが掛け逃げっぽい払い腰で倒れ込む。この時、アントマルチは約10秒起き上がらない
 この後、腰を引き攻めの意思がないアントマルチ。残り20秒で掛け逃げっぽい技を出す。この時、帯を直すふりをして20秒ほど起き上がらない。 
 残り16秒、佐藤が技を掛けるが、焦りと相手の引き腰で形にならず、場外。さらに15秒ほど場内に戻らず休むアントマルチ。
 残り15秒から必死に攻める佐藤に対し、防御するだけのアントマルチ。
 残り3秒、両者場外による中断(故意ではないので指導にはならない)。
 ゆっくり起き上がり、帯をゆっくり直して休むアントマルチ。
 試合再開、攻勢に出る佐藤に対し逃げるアントマルチ。ここでようやく「指導」(他の審判の指示)が出される。
 試合再開、しかし残り2秒では技を掛けられず、試合終了。

 残り40秒で「掛け逃げ」で指導を出すのが妥当であろう。
 さらに、その後も専守と掛け逃げの時間が続き、少なくとも残り20秒で指導が出されるべき。
 2度目の指導が出ても3度目の指導が出るのは難しいが、指導2回となればアントマルチも攻勢を取るしかなく、逆転のチャンスも高かった。


 この試合に限らず、疑問に感じる「指導」が多い。
 男子90㎏級の決勝戦も、GSで指導で勝敗が決まった。
 “首抜き”の指導かと思われた(ズガンク選手と観客が勝手に思い込んだ?)が、指導を受けたのはズガンクで、マイドフ選手の勝ちとなり、金メダル。何の「指導」だったのかは、実況も解説もなかった。

 そもそも、納得のいかない種類の「指導」が多い
首抜き……奥襟を取られると窮屈な姿勢になり、この体勢を首を抜いて逃れるとこの「首抜き」の指導を取られる。
 攻勢に出るのは難しい非常に不利な体勢で、防御するのが精一杯。さらに、この体勢が続き守勢が続くと、「消極的」指導が出される。
 非常に理不尽である。

場外……故意に場外に出るとこの指導を受ける。
 しかし、場外際で技を掛ける際に足を引いて完全に場外になってしまうという場合も、指導を取られることが多い。
 そもそも“場外”と言っても、片方の選手が場内に居れば試合は継続するし、技の途中ならば両者が完全に場外に出ても継続されるという非常にあやふやな規定。はっきり、逃げた故意の時だけ指導を出すべきだ

足取り……少し前に、手を使って下半身を攻撃するのが禁止になり、以前は一発反則負けになったが、緩和された。
 しかし、技や防御の流れで手が足に振れてしまった場合でも、“鬼の首を取った”ように即座に「指導」を発動する。

 逆に「組み合わない」という指導が出されたのをほとんど見なかった。「指導」から除外されたのだろうか?

 私は、不利な組み手になると払いのける行動こそ、厳しく防止して欲しいと思っている。


 とにかく、柔道を見ていると、審判の未熟さが目立ち、ストレスを感じる。私のストレスは別にして、おかしな判定で勝つべき選手が敗北するのはあってはならない。
 この審判の未熟さは、頻繁なルール改正によるものが大きい。熟練するまでにさらに改正されてしまうのである。


 五輪が終わるたびに改正するのは、競技としてのプライドを感じない。
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『刑事7人』第3シリーズ 第8話「悪女 ~無差別殺人VS嘘まみれの女たちの危ない関係~」

2017-09-01 16:32:10 | ドラマ・映画
 徳永富彦氏の脚本は“虚構”をテーマにしたモノが多い
 その他の特徴としては、立体的構造(二重構造)や同時進行など凝った構造。
『相棒』
 season13…第4話「第三の女」、第11話「米沢守、最後の挨拶」
 season14…第5話「2045」、第17話「物理学者と猫」
 season15…第7話「フェイク」
『捜査一課9係』
 season10…第8話「3つの捜査線」
 season11…第8話「3つの大追跡」

今シリーズでは 第4話「死味」遺体を見て笑う男の正体!?V字の傷痕の謎!! を担当している。


 今回のテーマも“虚構”
 しかし、原咲希(矢田亜希子)の虚構はあまりにも見え透いていて、しかも、薄っぺらで、ドラマとしては残念と言うしかなかった。

 “仮空間”(SNS)での虚構を、実空間(パーティ)でも維持するのは、困難。
 どうしても綻びが生じてしまう。実際、3人の男性に虚構がばれてしまう。実生活も過去の学歴も嘘で、SNSにアップする高級そうな画像のみというのは、あまりにも無謀。よく、3人にしかばれなかったものだ。
 逮捕時に、水田環(倉科カナ)との会話で語ったが、『同性に対する見栄』が最重要だったらしい。
 しかし、砂の城(虚構のSNS・実生活)に住んでも、安静ではいられないだろうし、虚しいだろう。


 その虚構を維持するために、2人の男性を毒殺(病死扱いとなった)。
 さらに、そんな嘘をも受け入れてくれた男性(しかも金持ち)も、殺害してしまうとは……

 虚構の生活から脱出し幸せな生活が待っている……それを、自ら手放してしまうとは………
 “同性に対する見栄”と言っても、井村遼(斉藤佑介)と結婚すれば、実生活において見栄をはれたというのに………
 女性心理を全く理解できなかった井村も、その意味では自業自得。あれだけ、苦労して虚構を築いていたのだから、その虚構を発表(暴露)するのは危険すぎる。
 咲希も、殺害せずに井村を説得すればよかったのに。
 まあ、実生活より虚構の方が大切……狂気に侵されていたのだろうけれど


 咲希と環のやり取り(環はビンタの張られ損)での、“同性への見栄”が重要だったのだろうけれど、3人の命を奪った重大な罪を糾弾してほしかった
 毒(シアン化合物)の入手方法も気になる。

 

【ストーリー】番組サイトより
 マーケティング会社の社員・井村遼(斉藤佑介)の昇進を祝うパーティーで、主役を含む参加者3人が次々と倒れた。結果、井村は死亡。彼と同じ会社の社長・伊藤真理子(山口香緒里)と、個人投資家の原咲希(矢田亜希子)はなんとか一命を取り留め、病院へ搬送される。まもなく、何者かがパーティーの最中、立食用パエリアに毒物を混入したことが判明。天樹悠(東山紀之)ら「第11方面本部準備室」の面々は、SNSから拾い上げたパーティーの参加者リストをもとに、犯人を突き止めようとする。

 そんな中、入院中の真理子から、ある証言が飛び出す。井村と咲希はパーティーで婚約を発表する予定だったというのだ。さらに、天樹は参加者リストの中に、見覚えのある顔を見つける。それは上戸礼子(佐藤康恵)という女性で、天樹が現場検証のためにパーティー会場へ向かう途中、すれ違った女性だった。しかしSNS上では、礼子はパーティー不参加となっている。不審に思った「第11方面本部準備室」のメンバーは、さっそく礼子の身辺を探るが…!?

 やがて、今回の被害者たちと接点を持つ“新たな不審人物”が浮上する。なんと、その人物とつながりのあった人間が、過去に2人も亡くなっていたのだ! 探れば探るほど、浮き彫りになる“うわべだけの人間関係”…。そんな中、天樹は関係者のSNS投稿の中に、事件のカギを握る“大きな嘘”を発見する――。

脚本:徳永富彦
監督:長谷川康
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