英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

夕焼け

2009-09-09 22:24:28 | 歳時
 今日は昨日までとはうって変わって、涼しくなりました。秋の空気です。
 昼過ぎまでは、大気が安定せず、曇っていましたが、夕方になると雲が消え、きれいな夕焼けが見られました。



と、これは、デジカメのオートモードです。
肉眼で見た夕焼けの色とはかなり違います。

 今度は、フラッシュなしにしました。オートモードのままで、フラッシュなしに設定すると、(たぶん)光量を確保するためシャッター速度が遅くなります。(最初の写真はシャッターもオートですが、夕焼けに焦点を合わせてあり香料もあるので、フラッシュは焚かれませんでした)



 それがどう影響するかわかりませんが、夕焼けはオレンジ色が強くなり、肉眼に近くなりました。


 次は、夕焼けモードで撮りました。シャッタースピードは通常と同じように感じました。(夕焼けモードにすると、自動的にフラッシュがオフになります)



 肉眼同様のきれいなオレンジ色の夕焼けが取れています。さすが夕焼けモードです。
 視界を少し右(北に回します)



 特に前の写真と変わったところはないのですが、せっかく撮ったので。

 もう3,4分後に撮ったものです。



 特に変わり映えしませんね。(せっかく撮ったので)

 私は、通常、デジカメで撮ったものは、トリミング以外、加工(補正)はしません。
 補正をしたほうがきれいになることが多いのですが、なんだか、ウソをついているみたいなので、補正はしないことにしています。
 よくわかりませんが、被写体が占める率が大きい色に全体が引きずられる傾向があるように感じます。菜の花畑を撮ると、全体も黄色が強く、草原を撮ると緑っぽくなるようです。
 カラー補正などをすると、そういった傾向を修正して、色にメリハリが出ますが、菜の花畑を肉眼で見た時の視界全体が黄色の染まるというイメージとは離れるように感じます。

 話がそれますが、肉眼について少し。
 夕焼けを撮る場合、夕焼けに焦点を当てるので、明るい空が基準になり、手前の道路は暗くなります。
 人間の眼は、不正確なところもありますが、こういった違った要素を一度に見る場合は、すごく高性能なのだと思います。

 肉眼に近づけて修正をしたものが次の写真です。



 実際に肉眼では、手前の道路はこの修正写真のようにもう少し明るく見えていたと思います。(修正を重ねたので、夕焼けの色は変になりました)


 あと、きれいな夕日を見て、感動して、シャッターを切ります。見た印象は、ソフトボールやバレーボールぐらいの大きさのイメージがあります。ところが撮った写真(画像)を見ると、ビー玉ぐらいでがっかりします。
 夕日はビルなどの対象物があるからだと言われていますが、先日見たのは、海に沈む夕日なので、対象物はありません。
 やはり、心象が大きいということなのですね。 

 ちなみに、私は自分の写った写真を見て、がっかりすることが多いのですが、写真は正直ということなのでしょうか……
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世界陸上③ 長距離編Ⅱ

2009-09-08 23:01:54 | スポーツ
 日本選手は女子10000mに福士加代子選手、中村友梨香選手、佐伯由香里選手、女子5000mに中村友梨香選手、小林祐梨子選手、男子10000mに岩井勇輝選手、男子5000mに上野裕一郎選手が出場した。
 中村選手は、北京五輪のマラソンで13位とマラソンが目立つが、もともと、トラック種目や駅伝でも活躍していた。今回は、5000m、10000mともに自己ベストで、10000m7位入賞は見事。
 10000mの福士選手、5000mの小林選手も粘り強い走りで、入賞にあと一歩だった。

 女子10000mのもう一人の佐伯選手と男子10000mの岩井選手は2周遅れ、男子5000mの上野選手は1周遅れで、皆、完走選手の中では最下位だった。故障など選手それぞれ事情はあると思うが、これは流石にひどいと言わざるを得ない。

 佐伯選手は背が低くてスリム。しかも「非常に」という修飾語がつくほどなので、選手の中に小学生が紛れ込んでいると思った観客も多いだろう。
 2周遅れの最下位なので、最後は彼女の独走になり(本当の独走?)、あきらめずに最後まで一生懸命走る姿は、かわいらしく、観客の心をとらえた。
 競技終了後も、マスコットに抱っこされ、それがまた可愛らしいので、さらに、衆目を集めた。
 ベストを尽くしての最下位なら、責めることはできないし讃えるべきだと思う。しかし、競技最終盤や終了後、あまりに元気なので、本当にベストを尽くしたのかと疑りたくなってしまった。まあ、これは、私も経験があるが、辛さのピークを過ぎると、逆に楽になることが稀にある。たぶん、このときの彼女はそういう状態だったのだろう。
 彼女の場合、最下位になったことより気になることがある。
 周回遅れになる時、抜かれる選手は外側に寄って、トップ集団に道を空けるのがマナーだ。後ろを確認する余裕や、外に寄る余裕がない時、また、周回遅れが多くなり選手が入り乱れている時は、そのまま走る方がいい場合もある。
 このときの彼女は、最下位でしかも抜いていく集団が大集団なので、ペースの遅い、しかも、小さい彼女が、インコースを走り、次々に抜かれるのは、かなり危険な状態だった。これは、男子の岩井選手(彼は大柄だが)にも同じことが言える。

 日本選手の周回遅れが目立ったので、選考に問題があったのかというと、そうではないようだ。標準記録をクリアし、最重要視する日本選手権で上位に入るという条件を皆クリアしている(当たり前ですね)。
 今回、男子は5000m、10000mに一人しか派遣できず、二人とも最下位。男子長距離はこの先、不安だ。
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『クローズアップ現代』のゲスト解説者

2009-09-08 18:01:42 | 日記
 現代社会の問題点や課題を分析し解説してくれる『クローズアップ現代』は非常に為になる番組です。
 しかし、その問題があまりにも切実で、解決困難なものが多いので、毎日見るのはつらいです。(7時のニュースの延長でたまに見ています)

 昨日はスーパー雑草の話で、除草剤が全く効かない雑草が増えているそうです。その話の私にとっての副産物は、除草剤の仕組みがわかったことです。
 まあ、それはともかく、この記事を書いた動機ですが、
「この雑草の問題に大変お詳しい、神戸大学大学院教授伊藤一幸さんにお越しいただきました」
と進行役の国谷さんに紹介されたゲスト解説者の説明が、あまりにも下手だったことです。
 雑草、あるいは、除草剤について、ものすごく詳しいのかもしれませんが、テレビで上がってしまったのか、もともと説明が下手なのかは分かりませんが、国谷さんは、まとめるのに大変苦労していました。
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世界陸上② 長距離編Ⅰ

2009-09-07 18:01:11 | スポーツ
 短距離のスーパースターはボルト。短距離と言うより、陸上競技を代表する顔ですが、男子長距離のケネニサ・ベケレ(エチオピア)も、ボルトに引けを取らないスーパースターです。スーパースターというより「王者」と言った方がしっくりします。
 世界選手権、五輪、クロスカントリーと、彼の負けたシーンを私はほとんど見たことがありません。アテネ五輪の5000mで、エルゲルージ(モロッコ)に競り負けて銀メダルだった時ぐらいです。
 ベケレを破ったエルゲルージは1500mでも金メダルで、2冠に輝いています。この時点では、ベケレはまだ若手で、中長距離王のエルゲルージに挑んで、それをエルゲルージが退けたというのが正しい表現ですね。
 このアテネ五輪の1500mでは、バーナード・ラガト(当時はケニア、現アメリカ)が銀メダルでした。ラガトは07年の大阪世界陸上では1500m、5000mの2冠に輝いています。大阪大会のベケレは10000mで金メダルでしたが、5000mにはベケレは不出場、このレースの5位ベケレは弟。
 ベケレが若手と言っても、しっかり10000mでは金メダルで、“皇帝”ゲブレシラシエ(エチオピア)は5位におわり、長距離の世代交代を知らしめています。

 ベケレと言えば、驚異的なスピードのラストスパートが有名です。北京五輪の時は、ラスト400mを53秒で走りました。100m当たり13秒前半です。しかも、4000m過ぎから徐々にペースが上がっていってのラスト1周です。
 ベケレに勝つには、ベケレのラストスパート力を削ろうと、序盤中盤からハイペースに持ち込みます。日本選手はもちろん、並みのスピードランナーでは振り落とされます。それでも、ベケレは顔色を変えず追従し、例のラストスパートで最後の直線に入るまでに勝負を決してしまいます。


 さて、今大会の10000mは、ゼルセナイ・タデッセ(アテネ五輪10000mで銅メダル。大阪世界陸上10000mでは、前半から果敢にリードするも4位。北京五輪10000mは3位から1秒遅れの5位)が、4000mから先頭を引っ張り、ペースを一気に上げます。
 4000mまでは1000m当たり2分45秒から2分35秒、400m(1周)当たり67秒が62~63秒に上がりました。
 10000mの日本記録は27分35秒09、世界記録(ベケレ)は26分17秒53です。日本記録ペースで走っても、周回遅れになってしまうだけの差があるのです。世界記録は自然条件や体調が整い、初めから記録狙いで走らないと出ないので、五輪や世界選手権では、気温が高く、勝負本位になるので、27分の頭か27分を切るくらいが優勝タイムです。日本記録ペースで走れば10位前後になります。
 今回、4000mまでは日本記録ペースで、その後は世界記録ペースに上がったわけです。
 ちなみに、日本代表の岩井選手は2000m過ぎに、唐突に、1周だけ61秒と世界記録ペースより2秒も早くなるという揺さぶりに振り落とされました。(この1周だけ、女子の3段跳びに中継が切り替わったので、61秒というのは推定です)

 さて、5000m以降もタデッセは若干ペースダウンしますが、ハイペースで引っ張ります。5000~6000mは2分38秒、6000~7000mは2分39秒、7000~8000mは2分40秒。
 6000mで岩井選手は周回遅れになり、先頭集団は6人に絞られ、6400mで4人になりました。如何にタデッセがハイペースだったかが分かります。
 7600m過ぎて、ケニヤのミカコゴ(だと思う)も遅れ始め、ついに先頭集団は3人に。
 7600~8000mの1周は64秒4とややペースダウン。しかし、次の1周は62秒1とペースアップ。ここで、マサイ(ケニヤ)が遅れ出し、タデッセとゲブレの二人に絞られる。8000~9000mは2分35秒9とハイペース。
 その後もタデッセは62~63秒とペースを緩めず、ベケレを振り切ろうと力を振り絞る。しかし、ベケレは離れない。9500mで岩井選手は2周遅れとなる。
 残り1周の直前のホームストレートではベケレのホームは少しも乱れがない。これに対し、タデッセは喘ぐように走っている。残り1周の鐘が鳴る。その音を聞き、タデッセは一瞬、落胆の色を見せる。この時点で、ベケレを引き離せなかったということは負けに等しいのだ。
 それと同時に、ベケレがスパートして前に出る。タデッセも気を取り直して追うが、差は開く一方。残り150mで勝利を確信、ホームストレートでは勝利のポーズ。伝家の宝刀をふるうまでもない完勝だった。(最後の1周は56秒2)

 強い、まさに王者の走りでした。タイムは26分46秒31の大会新記録。2位のタデッセの走りも見事でした。
 世界陸上10000m4連覇で、ゲブレシラシエに並んだ。ちなみに、実況によると、ベケレは出場した11レースすべて勝っているとのこと。


 5000m。いつもは自ら先頭に立つことのないベケレが、序盤からレースを引っ張る。これには、理由があった。
 理由の一つは、バーナード・ラガトの存在。今大会の1500mは3位と敗れたが、ラガトのラストスパートの切れは侮れない。ペースを上げて、ラガトを消耗させる狙い。
 しかし、その割にはペースが上がらない。というか、スローペースだ。
 もうひとつの理由としては、自分でレースを作って、自分の思うペースで走りたかったということが考えられる。
 ハイペースの10000mを制し、5000mの予選を走り、暑さの中の3レース目。王者ベケレと言え、完調とは考えられない。他人のペースで走る余裕がないのかもしれない。

 4000m過ぎて、ベケレは徐々にペースを上げていく。しかし、思ったほどペースは上がらず、集団もほとんど崩れない。
 残り1周の鐘が鳴る。ペースが上がっているが、いつもの爆発的なスパートはまだ掛けない。いつもなら、鐘が鳴る少し前に掛けている。ストライドは大きいが、どこか重そうだ。
 残り250mになって、ようやくラストスパート。北京五輪銀メダリストのキプチョゲ(ケニヤ)が並走し、すぐ後ろからラガトがマークしている。
 残り150mでキプチョゲは後退するが、ラガトはピタリと追走。
 ホームストレートに入り、ラガトが並びかける。
 残り80mでピタリと肩を並べ競り合うように並走する。ベケレ、抜かれまいとラガトに体を寄せる。肩を突き合わせながら、競り合う。10センチほどラガトが前に出たように見えるが、ベケレも譲らず、並び返す。また、並走。残り35mでベケレが体の厚さ分、先行する。ラガト、力尽きたのか、ピッチが落ちる。勝負あった。1mベケレが先んじてゴール。

 すごいスパート合戦だった。相当危なかった。負けてしまうのではないかと思ったが、意志の強さの勝利のように思えた。
 ベケレは北京五輪の2冠に続いて、世界陸上でも2冠を達成!
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『新・警視庁捜査一課9係』 第9話「落雷花嫁」

2009-09-04 15:24:19 | ドラマ・映画
 今クールは、ドラマについてはサボろうと思っていましたが、あまりにひどい内容だったので、書いてしまいました。

 『9係』に「新」がついて、ドラマの作りもやや変更点があることは『意識レベル』で、書きました。
 今回、事件により焦点を当てるという方針が、裏目に出てしまいました。容疑者を増やし、ミスリードを誘い、真犯人を最後まで絞らせないようにしてあります。しかし、あまりにそれにこだわり過ぎて、ストーリーがご都合主義に陥ってしまっています。

 例によって、いちゃもんを羅列します。

①お腹の子を守るため、婚約者を殺害しようとする。仮にも結婚しようと思った相手です。子供をおろさない手段はほかにもあったはず。婚約破棄とか失踪とか。

②ストーカーが、思い人を他人にとられないため、殺害する。褒められたことではありませんが、まず脅迫とかの妨害工作をするのでは。結婚を知ったその日に殺害とは、しかも事故死に見せかけるトリックを使う。
 恋が成就しないと悟った時、男性と女性では殺害対象が違うと聞いたことがあります。男性の場合、ライバルを殺害する。女性の場合は、愛する対象を殺すだったと思いますが、どっちだったかはっきり覚えていません。
 ストーカーの場合、相手を失うのは耐えられないので、ライバルを殺すような気がします。対象を殺すのなら、自分も一緒に死ぬような気もします。自分だけ助かって、保身のため、トリックを使うなんて不自然です。

③世間体のため、それだけの理由で、お腹の子をおろせなんて、身勝手この上ないですね。今回の場合は、「自分の子ではない」という疑念を持っていましたが。

 ①②③、あまりにも生命を軽んじています。刑事ドラマやサスペンスでこういう批判を言うのはタブーかもしれませんが、あまりにも、安易です。


④中学生を妊娠させて、「純粋な恋」って、どこが純粋な恋なんでしょう?

⑤100%的中の天気予報って、無理があります。もし、的中率100%だったら、評判が大きくて、その秘密とか騒がれるでしょう。結婚退職したら、大騒ぎにでしょう。

⑥安西つかさ (浅見れいな)が、まるで別人でしたね。これだけキャラクターを変えてしまっていいのでしょうか?わがままな世間知らずのお嬢さんと出世志向が強い村瀬警部補(津田寛治)のやり取り&小宮山刑事(羽田美智子)の絡みがおもしろかったのに。

⑦つかさの証言を小出しにして、真相が徐々に明らかになっていきました。これも、安易というか手抜きに思えます。

⑧冒頭、被害者・高村亜希子(森脇英理子)が屋上に締め出されて、感電するシーンが出てきましたが、これは実際にはなかったのではないでしょうか?私の勘違いでしょうか?
 もし、これがミスリードのための架空のシーンだとしたら、卑怯を通り越して販促ですね。


 とにかく、私が見るのを断念した『天地人』に匹敵する、否、『天地人』を凌ぐ脚本でした。
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世界陸上

2009-09-03 23:45:50 | スポーツ
 いつもながらの「今更ながら」ですが、世界陸上です。
 衆議院選挙が強烈過ぎて、世界陸上なんて遠い過去の出来事のように感じます。私自身の記憶や感動もややぼやけてしまいましたが、よろしければ、お付き合いください。

 ★短距離編
 やはり何といっても、ウサイン ボルトでしょう。別次元の走りでした。9秒58!
 タイソン ゲイの9秒71もすごいタイムなのですが、それを全く問題にしないような走りでした。3位のアサファ パウエルはさらに離された感がありましたが、9秒84は立派なタイムです。やはり、この3人が抜きんでているようです。
 ゲイが完調でなかったのが残念です。とくに、スタートに影響が出たようです。予選でも、スタート直後は、他のランナーに後れをとっていました。後半の伸びは、他のランナー(ボルトを除く)を寄せつけないものがありました。
 もちろん、他の有力ランナーは競うように力を抜いて、余裕を見せようとしていました。しかし、それを差し引いても、ゲイの後半の伸びは良かったです。ただ、ゲイは後半もほとんど力を抜かずに走っていたのは、全力投入の精神ではなく、走りにブレーキをかけると、かえって足の故障に響くからなのでしょう。完調のもと、二人の競り合いを見たかったです。

 決勝も驚きましたが、準決勝も度肝を抜かれました。ボルトは50m過ぎから、力を抜き始め、75mぐらいからは、完全にリラックスして走っています。それでも、他のランナーが離れていきます。準決勝なので、他のランナーが力を抜いているようには見えません(2位のベイリーは多少、力を抜いていましたが)。
 その走りで、タイムは9秒89!。
 日本記録は伊東浩司氏が1998年に出した10秒00。朝原宣治氏は10秒02、現エースの塚原直貴氏は10秒09。
 つまり、ボルトは鼻歌混じりに走って、日本の歴代エースたちが、一生懸命走りベストの走りをしても、ボルトに全く追いつけないことになります。
 この時点で、決勝でボルトが全力で走れば、世界記録の更新は間違いないように思いました。

 ただ、8割の力で走れば、スピードも8割になるかというと、そうではありません。また、速く走ろうと、必死に走れば一番いいタイムが出るかというと、そう単純なものでもありません。たとえば、9割の力で10秒で走った(秒速10m)として、100%で走れば9秒という計算ができますが、実際にはそうはなりません。
 速く走ろうという意識が強いと、余分な力が入って、フォームも硬くなり、筋肉の力がスムーズに推進力に転化しません。力まず、それでいて、筋肉を無駄なくスムーズに動かす、これができたとき、最高の走りとなり、最速タイムが出るのです。
 だから、流して9割で走っても、力みがないので9割5分ぐらいのピードが出てると考えます。
 準決勝の後半、かなり流して走って(見た感じ9割強)9秒89なので、全力で走れば単純に1割弱タイムが縮まって、9秒3ぐらいは簡単に出そうな気がしますが、そう単純なものではありません。

 それはさておき、今回のボルトの次元の違う走りは、そんなクドクドした理屈を吹き飛ばすものだったと思います。今回は、苦手と思われていたスタートも克服してきて、トップクラスの反応速度でした。


 さて、北京五輪のジャマイカの強さを見せつけられた日本のコーチが、その秘密を探ろうと、ジャマイカの練習を視察に行ったそうです。しかし、そこで見た風景は、20~30年前の日本と変わらない練習風景だったそうです。ただ走るだけ、しかも、グラウンドやシューズなど練習環境もよくないそうです。肩透かしを食った気分だったそうです。
 特筆すべきは、ジャマイカの陸連の取り組み方。短距離だけしか力を入れておらず、長距離は見向きもしないそうです。とにかく、素質あるものを見出し、集め、切磋琢磨させる。それだけです。
 ただ、そんな中にも、短距離の理論があるそうで、それは、鍛えれば、ピッチは速くなる。しかし、それには限界があって、人類には一定の壁がある。実際、ボルトとゲイのピッチ数は同じだそうです。つまり、ストライドの差=速さの差なのです。このストライドが素質と考えるそうです。なので、ジャマイカの男子選手はみな大きいそうです。


 さて、日本選手についてですが、ほとんどの選手が自己新どころか、シーズンベストにも及ばないタイムでした。
 何が原因か?

①日本選手権が調子のピークで下降線だったり、故障した
②大舞台で、力が発揮できなかった

 大まかに言うと、この二つだと思っていました。
 ①の場合は、なかなか、そういう情報は表に出しませんから、前日や当日にならないとわからないという場合もよくあります。
 調子がいいという場合、特に、予選は割と余裕を持って通過して、インタビューでも、かなり手ごたえの良いような言葉を発していても、2次予選、準決勝の方がタイムが悪いことがよくあります。
 これは、緊張や興奮で、精神的にも肉体的にも消耗してしまったのではないかと考えていました。夏の暑さ、国外のレースという要素もありますし。

 しかし、原因はそれだけではないようです。
 2次予選、あるいは、準決勝になると、周りが速くなります。自分はベストの走りをしているのに、周りに前を走られる。「おかしい」「こんなはずでは」とか「もっと速く走らないと」と力みが出て、走りが硬くなります。
 国内レースではこういう経験はありません。海外のレースを経験しているとは思いますが、慣れていないのでしょうか?とにかく、そういった状況でも走りが硬くならないメンタル的なトレーニングを重視すべきだと思いました。
 日本人にとって短距離は厳しい種目です。が、せめて、自己ベスト、シーズンベストに近いような悔いのないレースをしてほしいです。
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衆議院選挙(補足)

2009-09-02 17:16:04 | 時事
 各局の開票速報を見た感想。
 NHKを軸に各局の速報を雑品ぐしながら観ました。あと、注目選挙区のドキュメントが見たかったので、各局速報を1時間から2時間ぐらい適当に録画して、チェックしました。

 フジテレビは力が入っていましたが、ゲストを呼びすぎ、いろいろ詰め込み過ぎで、中継も慌ただしかった。
 安藤キャスターは政局に詳しく、議員に鋭く切り込む技量はあるが、番組をまとめるのには向いていず、番組自体は空中分解の感があった。高島キャスターは単なる飾りで、進行をアナウンスするだけ。また、笠井キャスター、滝川クリステルもほとんど機能していなかった。

 一番見やすかったのは、テレビ朝日だった。注目区のドキュメントも面白かった。フジテレビは局のキャスターがドキュメントは時間を掛けて密着取材をしていたが、密着すればいいというものではない。それに、在京のキャスターが取材するよりは、地元のローカル局に任せた方が実情がわかるのではないか。

 先日、出口調査について触れたが、出口調査を基に当落を予想し、予想獲得議席を、投票終了と同時に発表した。TBSが自民97、民主321、日本テレビは24時間テレビ終了後、自民96、民主324、フジテレビは自民97、民主321という数字だった。NHKかテレビ朝日が自民の獲得議席予測が100を超えていたように記憶している。
 実際は自民119、民主308で、若干、民主寄りの予測だったようだが、ほぼ的中と言っていいだろう。この誤差は、出口調査が期日前投票の分を加味していないからかもしれない。

 今回、「小沢ガールズ(小沢チルドレン)」が「小泉チルドレン」を彷彿させると書いたが、中身は若干違うような気がする。
 標的に対抗できそうな人物(女性)をぶつける(落下傘候補)という点では似ている。
 ただ、しっかり理念を持った人物の比率が、「小泉チルドレン」の時より高いように思う。あの時はおまけ(比例)で当選してしまった人もいたし。
 それに、教育係が竹部氏と小沢氏ではかなり差が出てくるだろう。選挙時の指導は、「とにかく辻立ちを数多くこなす」、「握手はしっかり両手で目を見て」、「農村部にも訪れる」といった政策云々より、選挙の原点を叩き込んだらしい。選挙に勝つための手段だが、同時に、政治家としての根本的なものがしみこんだのではないだろうか?

 昨日のテレビ朝日の報道番組(小宮キャスター)で、田原総一朗氏が蓮舫氏に「小泉さんはいっぱい小泉チルドレンを作った。あなた(蓮舫氏)みたいな若い美人の女性が多かった。その多くの人が、今度落ちました。小沢さんは小泉さんをまねてか、みんな若くて美人の女性をやりました(登用しました)。多く当選しました。第2の小泉チルドレンとならないために、どうすればいいと思う。何にも知らない若い女性がいっぱいいるわけですよ」
と、意地悪な質問をしました。小泉チルドレンに対しても、小沢ガールズに対しても、田原さん、かなり偏見を持っているようです。
 これに対し蓮舫氏は
「何にも知らないとは私は思っていない」
と、反論するが、これを無視するように、田原氏重ねて言う。
「小泉チルドレンにしないため、どうする、これ」
否定するのをあきらめたのか、本音はそう思っているのかわからないが、蓮舫氏は
「風だけでこれからの衆議院議員を過ごす仲間にはなってほしくないと思っています。それはやはり、政治活動と地元活動は同時にやっていかなければならないと思っています。それと、(小泉チルドレンは)小泉さんの人気だけにあやかっていたとは言ってはいけないかと思いますけど、決して今回の小沢チルドレン(ガールズ)と呼ばれている方たちが、小沢さんの人気だけに頼っているとは思っていません」
この言葉を無視するかのごとく、田原氏
「100人以上のチルドレンが入ってきちゃいました。どうすればいいかなあと思っています?」
 蓮舫氏、苦笑いをする。(人の話を聞いてんの?というひきつった笑い)
「蓮舫さん、先生になりますか?」
「いやあ(大きく表情を崩して)、先生ということではなく、私たちは仲間で、フラットな間柄だと思っております。ただ、少なくとも国会経験を持っている先輩の議員から(先輩の議員として)、いろいろ教えられることがあるのであれば、それはやっていくべきだと思っています」

 蓮舫さん、意地悪な田原氏の質問にも、真摯に的確にこたえていました。美人ですが、いつも鋭い顔をして、怖くて生意気な印象を持っていましたが、認識を改めないといけませんね。大勝の余裕があるのかもしれませんが。

 田原氏は相当な偏見を持っているみたいです。わたしも、今回の小沢ガールズに同じような偏見を持っていました。でも、速報番組などを見ているうちに、小泉チルドレンのようにはならないように思うようになりました。
 それから、小泉チルドレンも、すべてが風に乗っただけとは思っていません。

 ところで、蓮舫氏ですが、今回の選挙で100人の応援演説に行ったそうです。
 きつめの顔が、ますます、精悍になったかと言うとそうではなく、頬がこけ、やつれた印象。疲労もあるし、民主大勝もあり、きついというより、緩やかな印象だった。

 それにしても蓮舫さん、田原氏の「あなた(蓮舫氏)みたいな若い美人の女性が多かった」の言葉は、否定しないのですね。

 このときの蓮舫さんを見ていて、誰かを思い出すなあと思ったら……………
………久本雅美でした。

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気がつけば…

2009-09-01 10:17:33 | 歳時
 気がつけば、丸裸……人間の話じゃないです。
 あちらこちらで、丸裸になっている樹を見かけます。特に、葉が小さい山桜系の桜の被害が大きいようです。
 たぶんここ一週間で、一気にやられたようです。犯人は毛虫。四六時中、しかも多数で食べ続けるので、あっという間です。
 プラタナスの被害も大きいです。こちらは盆過ぎあたりから。進行は桜に比べるとゆっくりのような気がします。
 人間や桜にとっては害ですが、毛虫にとっては当然で必須の行為です。どうせなら、近所の公園らしきものの雑草を食べてくれないかなあ。
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