英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

春休み小中学生将棋大会

2011-03-26 20:07:06 | 将棋
 本日、春休み小中学生将棋大会がありました。
 福井新聞社共催で、福井新聞社さんの社屋の多目的ホールで行われました。
 私の教え子が3人参加したので、その応援に行きました。仕事だった私は、朝からせっせと働き段取りをつけて、午前10時20分ごろ新聞社に向かい、11時過ぎに着きました。案内のはがきには午前9時となっていて、まあ、5~7人のリーグ戦なら2,3局は観れるだろうと思っていたのですが、5年生のK君はすでに全6局終了。同じくI君は最後の1局を指している最中でした。≪お前ら、早過ぎ!≫
 I君は角桂損の敗勢。ところが、相手が飛車を只取られ(しかも、自分で相手の駒の利きに逃げた?)で、一気にもつれ、まだ互角だったものの、動揺が響いて指し手が乱れ、I君の逆転負け。
 5年生は14人で2組の分かれリーグ戦。各組2位までが準決勝に進出。I君はこの勝利で3勝3敗。なんと2位に同星で4人が並ぶという大混戦。4人で1人の準決勝進出を争うトーナメントとなる幸運。しかし、あっという間に敗勢、若干もつれましたが、勝機はありませんでした。
 対局前に
「20分の持ち時間は充分考える時間があるので、時計は気にしなくていいから、良く考えて指すんだぞ」
「うん、わかった」
ちっとも、分ってなかった……
 K君は残念ながら2勝4敗。でも、このふたりは、同じように強くなって……ゆっくりだけど、強くなっているよなぁぁ……師匠が悪いのか…、とにかく、ふたりは好敵手です。これからも、そういういい関係で指し続けて欲しいなあ。

 そしてもう1人はT君(3年生)。
 先の二人より学年は2つ下ですが、指し始めたのは多分二人よりは早いみたいです。この3人は同時に私のところに来ましたが、その時点でわずかにT君の方が強かったです。その差は詰まってきていますが、現在もほんの少しT君の方が上のように思います。
 ただ、自分の指し手に自信を持ち過ぎの感があり、けっこうもろい負け方をします。将棋の指し方(陣形や攻め方)はT君の方が上ですが、将棋のしぶとさは先の二人のほうがあり、対戦成績はいい勝負のようです。
 今日は、そういったもろさが出ず、白星を積み重ねましたが、上位二人には順当に破れ3位でした。
 上位二人は7勝1敗で並び、再戦によって優勝を争いました。
 私が見に来たときには、終盤戦。2手スキが掛かるかどうかのところ。ところどころ間違えていましたが、受けるところは受け、攻めるところは攻めると、指しての方向性は間違えず、こういう将棋を指す二人にはT君はまだ歯が立たないなあと思いました。
 将棋はY君の玉に必至が掛かり、相手のH君の玉には詰みはありません。残り9分ぐらいで、最初は受けを考えていたようですが、受けがないことを悟り、必至に詰み筋を探します。
 「詰まないなあ」という表情でしたが、とにかく行くしかないと王手。H君は必至を掛けた時点で「勝った」と思ったのでしょう。≪自玉は大丈夫、相手は形作りに来た≫と思ったのでしょう。逃げ方、受け方が最善ではなく、多分、こう指せば間違いなかったのにという手を3回ほど逃し、少しずつ危険度が増していきます。ただ、下から下からの相手の寄せなので、見た目は安全地帯に逃げ込んでいるように思えてしまいます。
 だから、かなり危ない状態になっているのにも気づかず、4度目の誤りを犯し、ついに詰み筋に。
 その後、Y君も間違え、厳密には詰まない状態になりました。そこで、Y君、龍で王手。しかし、その龍の位置にはA君の馬が利いており、H君、同馬。ところが、馬がそちらに行き馬の利きがずれて、腹金の1手詰。Y君の金を打つ手の早いこと。
 しばし呆然のH君でしたが、小さく「負けました」と頭を下げる。
 勝ったと思ったことが敗因でした。しかも、その時間、多分5分ぐらいY君が長考したため、「勝った」という思いが増幅されてしまった。油断と言っていい緩みが、指し手に反映してしまいました。「勝った」と思わなければ、多分勝ちきれたはずでしょう。
 大変悔しい思いをしたH君でしたが、それだけの悔しい思いをした分、きっと強くなるよ。
 最後の最後まで、あきらめなかったY君も見事。特に、必至に追い込まれる数手の守りも必至に踏みとどまっていて、その頑張りが、H君の「勝ち」への意識を強くさせたのだと思います。
 レベルの高い3年生の決勝戦でした。

 当初の予定では1~3年をまとめて「低学年の部」でしたが、参加者が多かったので、「1・2年生の部」と「3年生の部」に分けたそうです(1・2年生も表彰は学年ごと)。なので、用意した楯には「低学年の部」と刻まれているので、急遽作り直して、後日1~3位までの入賞者に送るそうです。
 流石の対応、福井新聞社さん、ありがとうございます。

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4 コメント

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お疲れ様でした。 (勝手新四朗)
2011-03-26 22:24:56
今日は、お疲れ様でした。
土曜日も仕事なのですね~。(大変そう)
3年生の決勝は、この前の小中学生王位戦のT川君 VS T見君の将棋のようですね~。
(必至を掛けた方が頓死負けするという)
大人でもそうですが、心の油断は恐ろしいです。5年生の部の決勝もかなり見応えがあり、最近の小学生はレベルが高いですね~。
(大学2年でC級に出ていた私では とてもとてもです)
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何度も… (将棋を知らない母)
2011-03-27 10:02:15
何度も同じような場面を見ています。母は将棋の事はさっぱりわからないので…いつもKの顔色を見て判断していました。精神的に強くなるのって大変ですが(母は出来ていません…)この経験が将棋以外のいろんな苦難にぶつかったときに役にたつから…がんばれよーと思って応援しています。昨日はお声を掛けようと思っていた時には遅く、帰ってしまわれて残念でした。
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お疲れさまでした ()
2011-03-27 12:59:45
勝手さん、こんにちは。

>土曜日も仕事なのですね~

 日曜日も仕事です(積極的にしませんが)。大会に出ないのはそのせいもあります。一番の理由は棋力の低下ですが。
 仕出し屋さん、料理屋さん、寿司屋さん、式場、旅館、保育園、老人ホームが相手なので、イベント当日や前日が忙しくなり、金曜や土曜日が忙しさのピークになります。だから、金曜日の夜の会議は「勘弁してくれ」という気持ちです(笑)。
 そんなわけで、大会には途中から顔を出し(準備を手伝わない)、途中で帰る(後片付けをしない)という非常に申し訳ない状態です。
 5年生の決勝戦、ブログで拝見しました。なかなかの勝負手で白熱の決勝戦でしたね。
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貴重な経験です ()
2011-03-27 13:11:16
将棋を知らない母さん、こんにちは。

>精神的に強くなるのって大変ですが(母は出来ていません…)この経験が将棋以外のいろんな苦難にぶつかったときに役にたつから…がんばれよーと思って応援しています

 そうですね。
 将棋は、自分で考え、精神的なものも自分で処理しないといけません。なので、よい経験ができると思います。
 勝手さんもおっしゃっていましたが、今の子どもは我々のころより強いです。そして、強くなる子は精神的にも発達しているように思います。
 これは逆のことも言え、騒いだり我儘な子どもは強くならないように思います。
 ただ、あまり精神的なものを強いるのは面白くないのです。将棋をしていれば自然と身につくような気がします。

>昨日はお声を掛けようと思っていた時には遅く、帰ってしまわれて残念でした。

 それは、ごめんなさい。
 いやあ、私ってシャイなんですよ。
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