英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

第76期名人戦(2018年)第1局 その1

2018-05-14 17:29:54 | 将棋
 名人戦第3局は羽生竜王が勝利し、2勝1敗とリード。
 第3局は角交換腰掛け銀“風”(実際には銀は5六や5四に進出、腰掛けなかった)の将棋で、途中までは第2局と同一進行(ただし対局者は先手後手逆。22手目に佐藤名人が手を変えた)。
 互いに4筋、6筋に位を取り、角を打ち合い、互いに間合いを計りながらその角を細かく動かし、3、4、6、7筋で細かい折衝が起こった。
 好位置の4六、6四に居た角を動かした方、さらに、3筋、7筋を攻撃した方が、損をするという難解な将棋だった。
 難解な将棋は羽生竜王の得意とするところだが、第1局のような詰みの有無までを読み切らなければならないような激しい斬り合いではなく、模様の良さを求め合うジリジリした展開は佐藤名人の方が分があるような気がして、不安がいっぱいだった。(羽生名人もこういうジリジリした展開も得意であるはずだが、最近は方向を間違えたかのような暴発気味の動きをしてしまうことが少々…)

 結局、佐藤名人が激しく動いたが、浮き駒の3四の銀を狙った▲2六桂からの反撃が厳しく、羽生名人が難解な将棋を抜け出した。
 7六、3四の互いの銀の頭(7五、3五)に歩を打たれると取られてしまう形で、先に銀取りに動き、銀桂交換の駒得を果たしたが、その反動が大きく、渡した桂で3四の銀を狙われてしまった。(実は一日目で先手の銀が既に7六に居て、その継続と▲7七桂と跳ねてしまうと、△3七角成と角を切られ(角桂交換の駒損)、▲同金に△6四桂と7六の銀を攻められると先手不利という変化があった。鏡のような将棋だった)


 この将棋も取り上げたいが、やはり第一局を取り上げておかないと、このブログの意味がない。いえ、自意識過剰ではなく、備忘録としての存在意義ですよ。


 第1図は20手目の局面。この2手前の△6二玉は少数派で、△5二玉が多数派。1手前までは477局(▲243勝△229敗4千日手1持将棋)あった前例が、△6二玉の局面になると8局に激減(【名人戦中継解説】より)。
 佐藤名人は△6二玉を2局指している。そのうち1局は、朝日杯の対藤井聡太四段(2018年1月14日、段位は当時)。2局とも敗れているが、だからこそ、その後の研究は深く、確信を持っての選択だったのだろう。先手番の羽生竜王も、直前の王位戦挑戦者決定リーグの対村山慈明七段戦(4月6日)で△6二玉と指している。この手に対しては、▲3六歩もあるらしいが、本譜も村山七段も▲3六飛、△8四飛(第1図)と進む。『将棋世界』の小暮氏の観戦記では、『▲3六飛は「穏便」』と表現されているが…………
 第1図で藤井四段も村山七段も▲3八金と指しているが、本局では▲2六飛!小暮氏の観戦記では、「▲2六飛と寄ったため、のっぴきならない大決戦に突入することになったのだ」とある。
 ▲2六飛とせずに、放置したまま、あるいは▲3八金だと、△2四飛に▲2八銀や▲2七歩と受けなければならない。そう進んでも、先手が悪いわけではないが、部分的には屈服形で癪に障る。
 ▲2六飛は△2四飛を拒否した手で、より良さを求めた手である。しかし、リターンを求めればリスクが生じる。▲2六飛だと危険な筋が発生する。それが△8八角成▲同銀△4四角(第2図)。


 実は、朝日杯の中継棋譜の解説欄に
『※局後の感想※ 「▲3八金に代えて▲2六飛は、△8八角成▲同銀△4四角で先手不利です」(藤井)』
 とある……
 また、
本局の棋譜中継解説欄にも
『「あれ、大丈夫なの」と阿久津八段。△8八角成▲同銀△4四角で△8八角成を狙う筋があるからだ』
 とある……
……不安

 ちなみに、本局の感想戦では
『「▲3八金のほうが普通な気がしました」(羽生)』
と。

「その2」に続く。
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