英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2020王座戦 挑戦者決定トーナメント 羽生九段-飯島七段 その3

2020-05-30 15:51:28 | 将棋
飯島七段の次の一手は△4五香だった。


 この手では、他に有力手が多く、飯島七段も40分考えている。
 私は羽生ファンなので先手を持って考えていて、まず、気になったのが➀△5四香。
 角取りで、▲6五角と逃げると△5七香成と銀を取られ、しかも▲5七玉と応じるしかなく、玉が三段目に引っ張り出され、玉飛接近形となるので、飛車を攻められる中で玉にも弾が当たりそう(玉を攻められる中で飛車を取られそう)。
 ただし、△5四香に角を逃げずに▲3五桂と打つ厳しい一着があり、後手有利から互角に形勢が戻る。この▲3五桂があるので角取に打つなら②△5五香と打つ方がいいようだ(▲3五桂に△4四歩つ受ける手がある。以下▲2三桂成なら△4五桂や△4五歩や△5六香が考えられる。
 また、第4図の△4五香では③△7六歩(A図)も有力で、プロ棋士はこの手が第一感かもしれない。

 この手に対しては▲6五角(次に▲4三角成と▲7六角と歩を払う手を見ている)や▲2三角成△同銀▲7六飛や普通に▲6五桂と逃げる手も有力(後手としては手順に桂を跳ねさせるのは抵抗がある)。
 さらに、④△4四香(B図)も有力。

 ただし、この手には▲2六飛と2三の地点を狙う手が生じる。(▲2六飛には△4五桂や△4五歩や△2五歩の切り替えしがあり、▲2六飛とされても悪くなるわけではないが)
 なので、⑤△4五香(第4図・再掲載)が考えられる。これだと、5六の角の利きが遮られ、▲2六飛は怖くない。

 △4五香のマイナス点としては、本譜のように▲4五同角△同桂▲同飛と2枚替されることだが、角と桂香の2枚替は微妙(角1枚の方が価値が高いかも)で、先手としてはこの順を選ぶしかないようで、煩雑な他の手よりその後の展開を読みやすく、決断しやすかったのかもしれない。それに、2枚替えとなった局面は複雑さが消えている。《形勢が良い方は局面を単純化させよ》という格言(通説)にも沿っている。

 54手目は△4五香の他に4手段あったが、➀△5四香は互角、②△5五香と④△4四香はやや有利、③△7六歩(A図)と4五香(第4図)は先手有利と見る。

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