英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

台風9号福井上陸(福井県への台風上陸は観測史上初)

2010-09-08 22:26:12 | 気象
 今日、午前11時ごろ台風9号が福井県(敦賀市)に上陸しました。
 福井県への台風の上陸は観測史上初のこととのことです。
「え?福井には台風は来ないの?」なんて思ってしまうかもしれませんが、通ったこと、つまり、「通過」はあります。(ここ10年では3度ぐらい)
 「台風の上陸」というのは、台風が海から陸に上がることを言います。つまり海上にある台風が海岸線を横切って陸に上がる行為を指します。その後の行動はすべて「通過」になります。それから、島や小さな半島を通っても「上陸」とは言わず「通過」というそうです。沖縄も島なので、「上陸」ではなく「通過」扱いだそうです。報道では「沖縄通過」ではインパクトが小さいので「沖縄直撃」という表現をしているような気がします。
 福井県の場合、例えば、伊勢湾に上陸し、その後北上し福井県を通って日本海に抜けた場合、福井県は「通過」となるのです。
 福井県に上陸するには、今回のように九州の西を北上しその後、東寄りに進路を変え、日本と朝鮮半島の間の日本海を西進するコースに限られます。ここまでは、過去に何度もありますが、ふつうは東ではなく北東に進むので、もっと北の東北や北海道に上陸するパターンがほとんどです。(真夏だと朝鮮半島に上陸することが多い)
 今回は、猛暑をもたらした強い太平洋高気圧に押されて、九州の西を北上しました。その後上空の偏西風と高気圧の圧力が拮抗して北東に進む予定でしたが、今日になって級に太平洋高気圧が勢力を弱めたため、ほぼ真西に進路を取り、福井県沿岸に到達したようです。さらに、高気圧が引いたため、西どころか南寄りに進み、敦賀→静岡という進路になったようです。当初(昨夜)の予想では金沢付近に上陸、それが今朝になり福井直撃(上陸)となり、最終的にはもっと南の敦賀上陸となりました。

 でも、台風上陸が福井では初めてというのは意外でした。九州北部に上陸してその後日本海を進み、また福井に再上陸なんていうのはありそうですが、10年しかさかのぼりませんでしたが、少なくともここ10年はないようです。
 で、「台風上陸」というのは特別大変なことなのか、というとそうではありません。ゴジラならば上陸するかしないかは大きな違いですが、台風の場合、その勢力やコース(西を通るか東を通るか)、あるいは前線が付近にあるかなど方が影響が大きいです。
 一般的に台風が西側を通過する場合の方が影響が大きいです。強風や湿った空気が南からドンドン吹き込んでくるからですが、福井県の場合南東部に山脈や陸地があり強風や水蒸気を遮ってくれるからです。太平洋(近畿や東海)→北陸コースの場合、福井県に来るころには台風の勢力は弱まっていることが多いです。
 九州→日本海コースの方が海上コースなので勢力があまり弱まらない事が多いのですが、風は中国山脈が遮ります。

 今回は太平洋高気圧の気まぐれのせいで、希有なコースを通ったわけですが、990~1000ヘクトパスカルというごく弱い勢力だったので、上陸地の敦賀湾の中継でしたが、その時にはそよ風程度でした。(南東の風だったのでやはり遮られた?)まさに「台風なんかどこ吹く風」。

 福井県でも局地的にはかなり降ったところもあったようですが、適度な雨に恵まれ、猛暑もひと段落で、「よかった」でした。
 と思ったら、首都圏では大変なことになっていました。太平洋高気圧の気まぐれな撤退により台風(熱帯低気圧)は来るし、東北にあった前線が南下してくるしで、思いもよらぬ大雨に見舞われていました。

 ちなみに、昨夜の予報では
「明日(8日)の夕方までの予想雨量
 北陸・東海・四国の太平洋側で150ミリ
 近畿北部・甲信・島根壱岐で120ミリ」
関東の雨の警戒はなかったようです。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 広瀬新王位考 補足 | トップ | 『警視庁継続捜査班』 第8... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
珍しいケースですね。 (Dancho)
2010-09-09 19:55:38
英さん、こんばんは。

私も結構気象に興味があるのですが(仕事に関係ない資格で、一番取りたいと思っているのが、気象予報士ですから)、記憶にないですね、北陸地方へ上陸とは。
非常に珍しいし、存命の間には、もうないかも知れません。

今回の場合、太平洋高気圧の撤退もあるかもしれませんが、大陸性高気圧が少し「威張った」という見方もできます。

酒匂川の状況には驚きました。小田原の方はあんなに降ったのですね…。

ところで、英さん、一度西に住めば、台風の恐怖…只者ではない事が味わえます。
こっちは、「強力な台風が、強力のまま上陸する」位置にあるんですから。

>まさに「台風なんかどこ吹く風」

暢気な事は言っていられませんよ。甘く見るとそのしっぺ返しは強烈ですからね。

台風で3度も怖い思いをしているので、私にはとてもそんなこと言う勇気はありません(笑)。
頭では理解しているつもりでしたが (英)
2010-09-09 22:18:14
Danchoさん、こんばんは。

>暢気な事は言っていられませんよ。甘く見るとそのしっぺ返しは強烈ですからね

 はい、私も気象情報を見るのが趣味というくらい毎日チェックしていますから、沖縄や西日本での台風の威力は映像では理解しています。
 でも、おっしゃるとおり、見るのと聞くのとでは大違いです。お気楽発言だったです。
 西日本の方も大変ですが、沖縄の方の大変さは尋常じゃあないです。
 920~930ヘクトパスカルの勢力の台風が超低速で進みます。「進む」という表現に疑問符が付くくらいゆっくりです。気象情報の表記も「ゆっくり」とか「停滞」です。ものすごい勢力の台風が2~3日居座るのですから、それはもう大変です。
 福井でも一度だけ940ヘクトパスカルの勢力を維持してやってきたことがありました。「西日本の方は大変だ」と思いました。

 「どこ吹く風」という表現は、台風を侮ったのではなくて、そのくらい穏やかだったというのを表現したかったわけです。

 今回の稀有なコース取りは、確かに太平洋高気圧のいきなりの後退が要因ですが、「猛暑をもたらした強い太平洋高気圧に押されて、九州の西を北上しました」と本文でも書いたように、太平洋高気圧の異常ながんばりも大きな要因に挙げられますね。

コメントを投稿

気象」カテゴリの最新記事