英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

まだまだっ! これからっ! (2018王位戦挑戦者決定戦)

2018-06-04 23:45:53 | 将棋
王位戦挑戦者決定戦、羽生竜王対豊島八段は豊島八段が制して、菅井竜也王位への挑戦権を獲得。

 仕掛け後に、羽生竜王の指し手が変調で形勢を損ねたが、羽生竜王の強気と辛抱を織り交ぜた指し手に対し、豊島八段が大事を取った指し方をしたため、羽生竜王が持ち直し混戦に。
 勝負の流れは羽生竜王かと思われたが、豊島八段が辛抱した後、羽生陣に斬り込む勝負手を繰り出し、羽生陣に襲い掛かり、攻めを繋ぎ続け、押し切った。



 羽生名人としては、豊島八段の斬り込みに対して、一歩も引かずに攻め合いを選んだが、彼我の玉の危険度を読み違えた感がある。

 第5図辺りで控室では、羽生優勢と見ており、≪豊島八段の△7四桂に対してどのように決めに行くか≫という方向で検討をしていたようだ。おそらく、羽生竜王も自分に利がありと見て、≪自然に応じれば勝利に近づける≫という方針で指し手を読んでいたのではないだろうか?
 第5図より、▲7五銀△8五飛▲7四銀と指し進めた。先手の8五の桂と後手の7四の桂との交換だが、僻地(8五)に跳ねさせられた感のある盤上の桂と、後手が敢えて打った桂との交換は先手に得があるように思え、さらに▲7四銀は飛車当たりの先手である。自然で最強の応手と思えた。

 しかし、▲7四銀に対し△7五飛と切り返された第6図は、容易ならざる局面だった。

 第6図で、羽生竜王は▲6四飛と、更に自然、且つ最強の応手を続けるが、豊島八段の△7七歩が思いの外、厳しかった。

 第6図では▲8五銀打と持たれて指した方が良かったかもしれない(以下△9三桂なら▲4四角や▲8四角)。第5図でも、他の指し方があったかもしれない。


 劣勢から互角以上に盛り返した終盤の入り口。この棋勢の好転の度合いが大きかったため、実際の形勢よりプラスに形勢を判断したのではないだろうか?
 第5図より少し前の局面に遡ろう。



 第1図の少し前の羽生竜王の指し手が変調で(おそらく▲2二歩と打った周辺)、図の▲5八金は劣勢を自覚して、≪4五の桂は取られても仕方がない≫と辛抱した一手だった。
 それが第2図では、先手の4五の桂と後手の8五の桂が振り替わった形となり、さらに▲7六歩と自陣の修復も果たし、何とか持ちこたえることができた。

 打った7六の歩はタダだが、△7六同飛と取ると▲7七銀で飛車の逃げ場所が悩ましいと思われていた。


 △7二飛は▲7三歩がある。△7一飛は▲6四飛△6三歩▲8四飛と回れる。△7四飛には▲6六桂の飛車銀両取りが掛かる。
 しかし、豊島八段は△7六同飛!
 以下、▲7七銀△7四飛▲6六桂△8四飛▲5四桂△同歩と、こう進めば先手がいいのではないかという手順が展開された。
 更に、▲4五歩と歩を補充し拠点を作った手に対し、△4二歩!

 歩を取られた手に対し、4二に歩を謝る……これは“出入り”が無茶苦茶大きいと思えた。
 第4図からの▲8六銀も何となく気分の良い手で、以下△8八角成▲同玉に△7四桂と打ったのが冒頭の第5図。
 
 第1図から第5図まで望外の展開で、気分の良い指し手が続いた。羽生竜王が形勢判断を誤ったのも無理はないだろう。

 第7図となっては先手がまずそうだが、▲7九金と耐える手はないのだろうか?(▲3二歩を利かしてから▲7九金かも)



 名人戦は先手番を落としての2勝3敗。
 王座戦は本戦(挑戦者決定トーナメント)1回戦で深浦九段に敗れ、敗退。
 そして王位戦。タイトル復位を目指していたが、挑戦者決定戦の大きな一番で敗れる……


 流れも内容も良くない……
 しかし、≪まだまだっ! これからっ!≫

 2004~05年に掛けて、対森内戦で、竜王戦、王将戦、名人戦と3連続失冠。
 2008年、3連勝後4連敗で渡辺竜王に敗退。
 2011-13年、森内名人に3期連続敗退……などなど苦境は何度もあったじゃないか!

 まだまだ、これからである。
 
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