英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

藤 【補足を追加しました】

2009-05-08 18:56:43 | 歳時
 藤は今が盛りで、あちらこちらにぶら下がっています。




 写真はヤマフジです。これに対して、藤棚などが作られ、園芸に栽培されているのがノダフジ(単に藤と呼ばれるときもあります)です。
 両者の違いは、弦の巻き方が違うのと、ヤマフジの方が花の房が短い(小振り)なのと、小葉の枚数(ヤマフジ11枚、ノダフジ11~19枚)だそうです。

 最近、ヤマフジを見かけることが多いのですが、山が管理されてないことの現われだそうです。他の木々の上部に茂り、光合成の妨げになるので、管理された森林では、刈り取られるそうです。


【補足】
 山が管理されなくなったのは、木材の価格が下落して、林業で生活するのが難しくなったからだそうです。

 最近、何かというと「エコ」ですが、その割には、高速道路料金を1000円にして、排気ガスを撒き散らしているのはいいのかなと思ってしまいます。
 それはさて置き、「エコ」といえば、レジ袋(エコバッグ)やエコポイント(省エネ家電)とかが頭に浮かびますが、その少し前から、割り箸も糾弾されています。
 最近では、オバマ氏と『ちりとてちん』で有名になった小浜市は、塗り箸の産地で、『マイ箸運動』で意気盛んです。
 もちろん、私もエコ活動(マイバッグ、マイ箸)に異を唱えるつもりはありません。ただ、それならば、一貫性を持って行動して欲しいなあと思うわけです。
 テレビ局も「エコ」「エコ」と連呼するのなら、深夜放送を自粛すべきですし、クリスマスになると、至る所で電飾の花が咲かすのは如何なものなのでしょうか。

 あらら、話が横道に逸れてしまいました。
 割り箸の話でした。昭和の時代、割り箸はそのほとんどが国産でした。それが、森林破壊につながったかというと、そうではありません。間伐材や建築廃材が主に利用していました。
 
 森林を放置していくと、樹が伸び放題、茂り放題になり、日光が地面まで届かなくなります。地面どころか、下枝辺りも光が差し込みません。そうなると、光合成は樹の上部でしかできなくなり、樹はやせ衰えます。水害や土砂崩れも起こりやすくなります。
 そうならないよう、ある程度、樹を間引きして、光の通りを良くしてやるのです。また、それによって、空間的にも枝が伸びる余地ができて、樹木はしっかりしたものになります。(人間が森林に手を加えることが、本当にいいことなのかは分かりません)


 その間引き作業を「間伐」と言い、その木材を間伐材と言います。
 また、建築廃材も木材の有効利用です。

 だから、「割り箸=森林破壊」とは単純に言えないのです。


 ところが、資本主義の世界ですから、単価は安い方がいいです。間伐材や建築廃材とは言え、主材料の杉や桧やエゾ松は高価です。また、人件費もかかります。
 安価なカナダやチリなど外国産(アスペンやポプラや樺)に押されていきました。(箸としての価値は、アスペンよりは杉のほうが遥かに高いのですが)

 その上、木材自体が低価格の外国産に押され、阪神大震災で木材住宅の需要は減り、更に安い中国産の割り箸の進出(現在、世界の割り箸のほとんどが中国産)で、箸製造業者は更に苦しくなっていきました。

 アスペンをはじめとする外国産の箸は、一時的に儲ければいいと言う考えで、根こそぎ伐採していきます。「後のことは知ったことではない」のです。
 どの分野でもそうですが、「価格破壊」を奨励すると言うことは、今までの社会システムを破壊し、自然を破壊していくことになるのです。

 だから、現代においては「マイ箸運動」もその意義は高いと言えます。(ただし、箸を洗浄する水資源も頭に入れる必要があります)
 しかし、低価格を追い求めることが、林業を廃れさせ、森や山を荒れさせています。

 まあ、そういった堅いことはさて置き、「杉や桧の割り箸=森林破壊でない」ということを、分かっていただきたかったのです。
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4 コメント

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この前・・ (koumama)
2009-05-08 21:04:26
GWで出かけたとき高速道路沿いに藤の花の木を見かけました。茨城の山の方に沢山。
これはヤマフジだったのですね。

山が管理されてないことの現われ・・・そうなんだぁ。。。知りませんでした。

綺麗でとても目の保養になったけど
普通は刈り取られてしまうものなのですね。

勉強になりました。写真いつもだけど・・
綺麗です

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いつも褒めていただき ()
2009-05-08 22:19:43
ありがとうございます。

 山が管理されないようになったのは、木材の価格が下落したからだそうです。
 そのことに関して、思い出したことがあるので、本文に補足します。
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環境を守るには・・・ (安倍晴明)
2009-05-11 17:28:57
やはり環境破壊物質に対して税金をかけるのがよいと思います。二酸化炭素だけでなく、オゾンや放射性物質、重金属、アスベスト、遺伝子組み替え作物等。ただし、税金をとる以上、行政の責任は重くなりますね。
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結局 ()
2009-05-11 23:52:59
 環境破壊物質に税金を課すにしても、価格が採算ギリギリだと成り立たなくなりそうです。
 食品偽装などのように、ごまかそうとする企業が出てくる。とにかく、価格破壊=環境破壊に陥ると思います。
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