早速、“悪しき前例の打破”??
でも、強権発動の理由の説明は、説明になっておらず、今後の菅総理の政権運営に不安を感じる
【菅総理の説明】
「NEWS WEB」記事より
①法に基づいて、内閣法制局にも確認の上で、学術会議の推薦者の中から、総理大臣として任命している
②日本学術会議は政府の機関であり、年間およそ10億円の予算を使って活動しており、任命される会員は公務員の立場になる
③人選は、推薦委員会などの仕組みがあるものの、現状では事実上、現在の会員が自分の後任を指名することも可能な仕組みとなっている(ことは問題だと考えている)
④推薦された方をそのまま任命してきた前例を踏襲してよいのか考えてきた。省庁再編の際に、必要性を含め、在り方について相当の議論が行われ、その結果として、総合的、ふかん的な活動を求めることになった
⑤総合的、ふかん的な活動を確保する観点から、今回の任命についても判断した
⑥昭和58年の参議院文教委員会で、政府側が「形だけの推薦制であって、学会の方から推薦をしていただいた者は拒否はしない、そのとおりの形だけの任命をしていく」と答弁したことについて、「過去の国会答弁は承知しているが、学会の推薦に基づく方式から、現在は、個々の会員の指名に基づく方式に変わっており、それぞれの時代の制度の中で法律に基づいて任命を行っているという考え方は変わっていない」
⑦記者団が、任命の見送りは、学問の自由の侵害ではないかと指摘したのに対し、「学問の自由とは全く関係ない。それはどう考えてもそうではないか」
(記事から要点を抜粋し、番号を割り振っています)
【説明に対する疑問点】
②……国の予算で運営しているから、政府が主導するのは当然であるかのように感じるが、学術会議の役割の一つに「政府に対する政策提言」を掲げているのなら、今回の政府の意向に反する人物の排除(としか思えない)人事指導はあってはならない。
学術会議の推薦のみの構成に問題があると考えるのなら、学術会議推薦枠・政府推薦枠を設けてはどうか?
⑦……
「学問の自由とは全く関係ない。それはどう考えてもそうではないか」……
どう考えても納得できないから、疑問の声が上がっているのでは?
《反論を全く受け付けないような論調》……そう言えば、官房長官時代も語調は強くなかったが、度々見られたなあ。
⑤……
総合的、ふかん的な活動を確保する観点から、今回の任命についても判断したと言うが、
“総合的、ふかん的な活動を確保する観点”とは具体的にどういう判断なのか、全く分からない。
⑥……どこかの報道で、「昭和58年の答弁を取り上げ、2018年(2019年かも)にその答弁を否定する内規のようなものが設けられている」というような解説があったが、それを学術会議側が周知していたのだろうか?
非常に問題を感じる今回の任命拒否。
上記の②のような予算実情があるのなら、学術会議の政府批判など聞き流しておけばいいものを、今回のような具体的な強権を発動したら、世論の反発を受けるに決まっている。そんな簡単な予見もできないのかな。