英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season18 2週連続スペシャル 第15話「善悪の彼岸~深淵」

2020-02-06 16:02:48 | ドラマ・映画
犯罪のプロフェッショナル南井(伊武雅刀)の末路―――
 ―――ドラマとしては面白かったのかもしれないが………

南井の症状や心情
・相棒(マリアの父)を亡くしたことの怒りとあまりに犯罪者の心理に同調した影響で、《犯罪者の中には贖罪の心を持つことができない者がいる。そんな犯罪者は自らの死でその罪を贖わせることが相応しい》という信念を構築した(逆五芒星事件の犯人を自殺に見せかけて毒殺)
・相棒(マリアの父)を亡くしたことと、自身の老いにより、記憶障害・人格崩壊を起こし始めた
・右京の鋭い観察眼や深い推理力に、一種の憧れに似た感情を抱いていた
・もう一度、右京と一緒に捜査したかった

今回の南井の行動
 ロンドンの”逆五芒星事件”をなぞった連続殺人事件を起こして、右京に捜査をさせ、共に捜査している状況を味わっていた。
 南井自身は自分が殺人を犯している自覚はなく、ロンドン事件の犯人が犯行を行っていると思い込んでいた。


 《探偵(刑事)が犯人》という“反則技”は、時には“あり”だと思う。特に、今回の《犯罪組織(殺人集団)の黒幕で右京と対等に渡り合える切れ者と思われた南井が実は認知症だった》という真相は意外性が高かった。
 それに、右京への思いと認知症が今回の事件を起こしたというのは、突飛な設定にもかかわらず、説得力があり、不合理を感じなかった。
 そして、何より、伊武雅刀の哀れさを感じさせる演技が素晴らしかった。右京(水谷豊)の悲しみに満ちた南井を抱擁する姿も心に沁みた。

(南井が脱走して、崖から転落したエピソードはない方が良かった。ホームズのライヘンバッハの滝をなぞらえたかったのと、“南井復活”の線を残しておきたかったのだろうが……)

ただし、ロンドンの相棒(マリアの父)を亡くした時から認知症を発症したという設定と、南井が誘導した日本での2つの事件( season16 第7話「倫敦からの客人」season17 第17話「倫敦からの刺客」)とは、整合性が低い。
 日本の2つの事件は南井が殺人を誘導しており、《犯罪者の中には贖罪の心を持つことができない者がいる。そんな犯罪者は自らの死でその罪を贖わせることが相応しい》という南井の信条とは矛盾している。悪人を裁く為に殺人鬼を生み出すのでは本末転倒。それに、season17 第17話「倫敦からの刺客」の時は、南井自身はロンドンに居たままだったので、《右京とともに捜査をしたい》という願望を満たすものでもない。

もちろん、南井の行動に一貫性がないのは、逆五芒星事件から記憶障害・人格崩壊を起こしているからという理屈も成り立つが、先の2話の段階では脚本の徳永富彦氏も南井のキャラを定まっておらず、今回、強引に収束したという邪推が沸いてしまう……

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【ストーリー】番組サイトより
進行する連続殺人はロンドンの再来!?
宿命の敵との究極の頭脳戦、ついに決着!


 再来日した南井(伊武雅刀)の行動を注視していた右京(水谷豊)は、東京・山手線沿線で相次いで起きている殺人事件が、かつてロンドンの地下鉄で発生した“逆五芒星事件”と呼ばれる連続殺人と多くの類似点があることに気づく。
 そんな中、品川で警邏中の巡査が射殺される事件が発生。それもロンドンの事件の状況と酷似していたため、右京と亘(反町隆史)は、南井が逆五芒星事件をなぞっているのではないかと考える。原宿の転落死、日暮里の絞殺、品川の射殺に続く“第四の事件”は、何としても防がなければならない。右京は、ロンドンの事件の場所と被害者を照らし合わせ、池袋近辺にある大学の女性学長が次のターゲットではないかと推理。警察は、右京の進言に従って、女性学長の警護にあたるが…!?
 そして、南井の最終的なターゲットが右京の現相棒である亘ではないかと推測した右京はある行動に出て…?

相次いで起こる事件は南井から右京への挑戦状!?
最後のターゲットとして、相棒=亘に魔の手が…。
天才vs天才の戦いは衝撃のラストに向け、さらに加速する!!


ゲスト:伊武雅刀

脚本:徳永富彦
監督:内片輝
コメント (2)
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