ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

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桂三枝鈴本演芸場初お目見え

2006-04-21 22:16:19 | Weblog
晴れ。

昨日、2月に引き続いて、上野鈴本演芸場に落語を見に出かけた。
今回は桂三枝の鈴本初お目見え特別公演の千秋楽。
春風亭小朝、林家正蔵、林家木久蔵らとにかく豪華で誰がトリを勤めてもおかしくない面々がそろった公演。
久しぶりに浮世の憂さを晴らすほどに笑ってきました。
まあこうして普段の生活で疲れた心を笑いで癒すこのカタルシス、これこそが寄席の醍醐味なんでしょうね。

さすがに百戦錬磨の師匠たち。
場を次第に盛り上げて客席の雰囲気を和やかなものにしていく。
関東の名匠たちが、迎えた関西の巨匠に気持ちよく千秋楽のトリを勤めてもらおうという思いのみなぎった、すばらしい舞台であった。

とりわけ、木久蔵師匠には笑わせていただきました。
「笑点」でおなじみのボケぶりももちろん、それだけではない毒もあって意外だった。
なんと言っても枕だけで観客を大いに沸かせるその技量たるや天性のものという気がした。

その木久蔵師匠の子息、林家きくお、林家たい平といった若手のはつらつとした噺や、円熟味を増してきて妖艶な小朝師匠、
そして正蔵を襲名して貫禄も出てきた元こぶ平の林家正蔵師匠なども会場をグイグイ引っ張ってくれた。

そして、トリの三枝師匠の創作落語「背なで老いてる唐獅子牡丹」。
やくざの世界もご多分に漏れず高齢化が進み、出入りをかけようと若い衆をよんだところ、
もうすっかり爺さんになってしまった若い衆(笑)。
老人ホームからオムツをもって出入りにでかける始末・・・。

三枝師匠の独特の間とタメに引き込まれそうだった。
さすがに師匠、千秋楽ということで多少お疲れ気味ではあったが
立ち見も出るほどの大盛況で、楽しいひと時だった。