ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

音楽・本・映画・サッカーなど興味の趣くままに書いていきます。

帰宅の時代/林望

2006-04-13 23:13:59 | 
曇り。

「自分らしく生きる」。簡単なように見えてなかなかできることではない。
林望はクールに自分らしく生きようと主張する。個人主義は悪いことではない、と。
たしかにそうだろう。アフターファイブはクールに割り切って早く家に帰って自分のために、家族のために過ごそう。
その通りだと思う。仕事だけがすべてに優先する価値観ではない。
確かにそう思うけど・・・。
でも決して新しい価値観だとは思わない。

林望は自らの努力によって自分が自分らしくいられる生き方を手に入れてきたことを語る。
なるほど他人の目を気にせず、自分の生き方を貫くのはかっこいい生き方だろうけれども、
そんな自分をそのまま開陳してしまう格好悪さもあるのではないか。

自分が格好よく生きられない妬みもあるのだが、彼のように自分らしく生きられればそれは楽しいだろう。
でも、自らの努力とは関係なしに自分らしく生きるのはいかにも難しい。
そしてその思うに任せない人生こそがまた楽しいのだと思う。
ままならないから人生だと思うのだが。

ナビスコカップ予選2節 横浜F・マリノス対FC東京(横浜・三ツ沢公園球技場)0-2

2006-04-13 00:12:38 | サッカー
雨のち曇り。
ずいぶん暖かくなってきた。雨の後夕方になっても気温が下がらず、湿度の高い薫り立つような春の夜。
横浜は三ツ沢へサッカーを見に行く。
途中三ツ沢公園を抜けていくのだが、桜が終わり早くも新芽が芽吹き始めて若い緑が美しい。
ナイター観戦にもってこいの季節がやってきた。

さて、水曜開催の今日はナビスコカップの予選。
ワールドカップ・イヤーの今年は前半の日程がタイトで、この1週間で3試合をこなすハードスケジュール。
土曜日に磐田に快勝した東京は、10日前に辛くも引き分けた横浜と再度対戦。
ようやく調子が上向きになってきたところでもあり、今日も勝って流れを確固としたものにしたいところ。

勝っているときはチームをいじらないとはよく言うことだが、先日の磐田戦とはまったく変えてきた。
なんと3バック!(写真のとおり)
これはある意味でエポック・メーキングな試合ではないか。
練習でも試していたようだが、ジャーン、茂庭、増嶋が同じピッチに立つという快挙が試されたのだ。
それもこれも増嶋の成長が大きいのではないか。3バックという戦術のオプションが加わったのである。
今野と梶山を中盤の底に栗澤をトップ下、両サイドがウィングハーフに位置した3-5-2の布陣。

しかしガーロ監督というのは思い切った策を次々に講じてくる。選手起用もめまぐるしい。
重用した伊野波も今日は先発から外れている。
チームを大胆にいじってきたことが吉と出るか凶と出るか・・・。

果たして「挑戦の3バック」はうまく機能しなかった。
中盤での横浜のプレスがきつくボールが奪えない。
両サイドを使いたいのにボールが収まらないから機能しないばかりか、
今野、梶山がディフェンスラインに吸収されて前線は孤立してしまう。
前半は何とかスコアレスで乗り切ったけれども
間延びして押し込まれっぱなしの45分だった。

後半開始早々代わったばかりの狩野がゴール前のこぼれ球を押し込んで横浜が先制。
東京はジャーンに代えて川口を、ノリオに代えて藤山を入れる。前線を3枚にして点を取りに行く。
このあたりから少しずつ前にボールが収まり始め決定機を何度か作るものの、ゴールは奪えず時計ばかりが過ぎていく。
業を煮やしたガーロ監督は更に阿部を入れて超攻撃的な形にするものの、終了間際、
坂田の負傷で代わった久保に、リスタートの隙を突かれる形で追加点を決められて万事休す。
岡田采配が冴えて、前回の借りを返されてしまった。

東京にしてみればせっかく抜け出したトンネルの先に今度は迷路が待っていたような感じだ。
戦術をいじったことで後戻りしてしまったような感じだがガーロはどう思っているのだろうか。
収穫はとにかく増嶋が安定してきたこと。
3バックの是非はまだ分からないが、増嶋が再三ピンチを救ってくれたことはせめてもの救いだった。

選手たちには新しいことに挑戦している中での産みの苦しみだと、前向きに捕らえて欲しい。
今はすべてが成長のための糧なのだ。
くよくよしている時間はない。週末には次の戦いが待っている。