ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

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Striking It Rich!/Dan Hicks & His Hot Licks

2006-04-05 15:39:43 | 音楽
雨。

ハイファイ・レコードで今回入手したもう一枚は、Dan Hicksのアルバム。
Dan hicksという人は日本ではほとんどメジャーな評価を受けていない人である。
ミュージシャンズ・ミュージシャンというか、いわゆる玄人受けというか好事家の聴くタイプの音楽だと思う。
カントリーやフォーク・ミュージックなどのいわゆるルーツ・ミュージックをベースにしたミュージシャンであり、
日本人の感覚からするともっとも「感じにくい」音楽のスタイルだからかもしれない。
民謡や演歌の世界がアメリカ人にはうまく伝わらないのに似ているかもしれない。

Blue Thumbレーベルということもあって、プロデューサーはTommy Lipuma。
Nick DeCaroはその縁でストリングス・アレンジを手がけている。
Nick DeCaroは全く幅の広いアレンジャーである。
彼がアレンジやプロデュースで関わったアーティストを調べてみると実にさまざまなジャンルの音楽にまたがっている。
Dan Hicksなどはまさにその最右翼で、このアルバムにTommy Lipumaとともに参加したことがアルバムの強いアクセントになっている。
フォークやカントリー、ブルースといった彼のアイデンティティとTomyとNickが持ち込んだジャズの要素が絶妙にブレンドされて、
どこにもないDan Hicksだけのテイストに仕上がっている。

この人もなかなかに寡作な人で、数年前に20数年ぶりというアルバムを発表していたが、
たまにはこのなんとも言えないコケティッシュで緩いサウンドに身を委ねる日曜日の昼下がりというのも悪くない。