『血の伯爵夫人(I、II)』 アンドレイ・ゴドレスク ☆☆☆
昔読んだはずだがよく覚えてないので再読。なんとなく思い出したが、再読するまでもなかったかな。
題材になっているのは16世紀末のハンガリーで何百人という女性を殺戮したといわれる、バートリ・エルジェーベト伯爵夫人。渋澤龍彦の『世界悪女物語』の中でも扱われている。小説は三人称で語られるエルジェーベトの伝記風ストーリーと、バートリ家 . . . 本文を読む
『ファーゴ』 ジョエル・コーエン監督 ☆☆☆☆
DVDで鑑賞。『ノー・カントリー』で感動したコーエン兄弟、『バーバー』を観てスタイリッシュだけれども大したことないなあと思い、しばらく興味を失っていたが、これは面白かった。『バーバー』より全然こっちの方が良い。それにしても『ノー・カントリー』を観た時は全然そんな感じしなかったが、コーエン兄弟って基本コメディ作家なんだな。
これはミネソタ州 . . . 本文を読む
『夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』 カズオ・イシグロ ☆☆☆☆☆
カズオ・イシグロの短篇集を読了。面白い。正直、こんなに面白いとは思わなかった。イシグロの長編は前に『わたしを離さないで』を読んだことがあるだけで、その印象から比較的エンタメ寄りの抒情的な小説を書く人、というイメージがあった。だからそれほど深く興味を持たなかったのだが、『短篇コレクション II』収録の『日の暮れた村 . . . 本文を読む
『復讐するは我にあり』 今村昌平監督 ☆☆☆☆☆
米国のCriterion版を購入して鑑賞。初見である。ただし存在ははるか昔から知っていた。印象的なタイトルだし、裸の女性が横たわっている前に緒方拳が座り二ヤッと笑いながらこっちを見ている、という例のポスターがインパクト絶大だったからだ。子供心に、なんかすごくエロそうでこわそうな映画だと思った。
そう思いながらこの歳になるまで観なかったの . . . 本文を読む