『終の住処』 磯崎憲一郎 ☆☆☆☆
芥川賞受賞作である。私はあまり賞を取ったから読んでみるなんてことはしない方だが、マルケスに似ているという評判を聞いて興味を惹かれた。しかも作者は商社マンである。商社マンが書いたマルケスみたいな小説。マジですか、というわけで買い求め、あっという間に読み終わった。余白が多いのですぐ読める。Amazonのカスタマー・レビューを見ると評価が割れていて、つまらない . . . 本文を読む
『薬指の標本』 ディアーヌ・ベルトラン監督 ☆☆☆☆
日本版DVDを購入して鑑賞。原作は『博士の愛した数式』の小川洋子で、フランス人の監督がそれを映画化したものだ。ヒロインはなんと『007/慰めの報酬』のボンドガール、オルガ・キュリレンコ。あまりにもジャンルが違うのでびっくり。
原作は未読なので、どんな話かまったく知らずに観た。主人公のイリス(オルガ・キュリレンコ)は薬指を怪我したあと . . . 本文を読む
『裸のランチ』 ウィリアム・バロウズ ☆☆☆☆☆
再読。ご存知の通り、バロウズの名を一躍有名にした出世作である。が、と同時に「わけが分からない」「意味不明」「気持ち悪い」「最後まで読み通せない」「これを面白いという奴はカッコつけてるだけ」などと散々な言われ方をしてきた小説でもある。この本によってバロウズは難解、という抜きがたいイメージが作り上げられてしまった。
まあ気持ちは分かる。私も . . . 本文を読む
『ハッピーフライト』 矢口史靖監督 ☆☆☆
ブックオフで見かけて買ってきた。好きな俳優がたくさん出ていたし、なかなか愉しめたものの、終わった後で別に観なくても良かったかなーと思ってしまったので☆三つ。基本的には、旅客機を飛ばすためにあちこちでがんばっているスタッフの業務内容と苦労話で、小ネタの集合という印象。パイロット、CAをはじめとして、グランドスタッフ、管制官、整備士、オペレーションセ . . . 本文を読む