Mission: Impossible III

『Mission: Impossible III』　J.J.Abrams監督　　　☆☆☆☆

　休日を利用して『ミッション・インポシブル３』を観てきた。例によってニュージャージーの映画館である。10:10AMから観たので観客はたった６人。静かで最高だった。

　『MI-2』は観たが最初のは観ていない。友人の話では最初のが一番面白かったそうだ。『MI-2』はとにかく銃撃戦が派手で、スローモーションになったり鳩が飛んだりといういつものジョン・ウー映画だったが、私はそれなりに楽しんだ。この『III』もまあ同じような映画だったが、あれこれとスケールアップはされている感じだ。まだ観ていない人も多いだろうからネタバレしないように書くと、最初にいきなりクライマックスの、イーサンが縛られてイーサンの新妻が殺されそうになっているという絶体絶命シーンが出てくる。そして過去にさかのぼって、イーサンの結婚から物語が始まるが、あの冒頭のシーンがあるので物語のサスペンスは増す。実際にそのシーンにたどり着いてからの展開もなかなかすごい。「こりゃどう考えても助からないだろう」という絶体絶命感があり、かなり盛り上がる。

　それからとにかくアクションてんこ盛りである。ベルリンでの救出、ローマでの誘拐、橋上での爆撃、イーサンの逃走、上海でのイーサン新妻人質、と息つく暇もなくアクションが繰り出される。そういう意味ではとても効率良いアクション映画だ。特に橋の上で戦闘機から爆撃されるシーンの迫力はすごい。

　ただ、この映画のアクションには例えばボーン・シリーズのような斬新な感覚はなく、さほどスタイリッシュでもない。どっちかというと泥臭い。ハリウッド映画の常套的な演出も、特に最初の方は目につく部分がある。とにかくハイテクを見せつけるあたりとか、センスより物量作戦で勝負しているような印象だ。しかしまあアクションで気持ち良くハラハラするにはもってこいの映画だと思う。

　最初に書いたように『I』を観ていないので比較はできない。しかし『II』と比べると、イーサンのスーパーマンぶりが減ってわりと苦悩している印象がある。余裕綽々だった『II』と違って結構苦戦している。私はこっちの方が面白かった。しかしまあ、充分スーパーマンだけどね。