アブソリュート・エゴ・レビュー

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プレデターズ

2013-08-01 00:04:48 | 映画
『プレデターズ』 ニムロッド・アーントル監督   ☆★

 というわけで、『プレデターズ』。何でも『エイリアンvsプレデター』というのもあるらしいが、それはこのBOXには入っていない。あれはプレデター・シリーズではないのだろうか? エイリアン・シリーズなわけはないので、シリーズ外のバチモンか? どこからどこまでがシリーズなのか、そのへんの考え方がよく分からない。

 とりあえずこの3作目はまたジャングル戦で、「1」に似たムードだ。しかし設定がもう完全にゲームのノリ。世界中から集められたバラバラな連中(ただしみんなワルで人殺し大好き)がまとめて異星に送り込まれ、事情も分からないままプレデターの狩りの対象にされる。そして一人ずつ殺されていく。誰が、何の目的でこんなことをするのか説明はない。こういうゲーム感覚の映画って最近増えてるような気がするが、監督がゲーム世代なんだろうな。とりあえず理由とか背景とかどうでも良くて、マッチョなキャラ達とモンスターが殺したり殺されたりするのが楽しい、殺され方にも色々趣向を凝らしました、って感じだ。

 「1」「2」と比べるとビジュアルは進化しているが、お約束連発で、なんともつまらないなあ、と思いながら観た。このままジャングルの中で一人ずつ死んでいくだけなら観るのやめようか、とも思ったが、ローレンス・フィシュバーンが出てきて少し目先が変わったので最後まで観ることができた。

 しかし、ローレンス・フィシュバーンは一体何だったんだ。プレデター相手に長いこと生き延びてきた凄腕で、これからそのテクを見せて大活躍かと思ったら、あっさり死んでしまう。主人公に船の存在を教えるためだけの説明係だったんだろうな。あと、いつも嫌な奴の役ばっかりのトファー・グレイス、今回のドクターは珍しくいい役かと思ったらやっぱりあんな奴だったか。はっはっはっ(苦笑)。

 原っぱで真剣持ったヤクザとプレデターが斬り合いをして相打ちになるなんてシーンもある。サムライ映画も好きなんだろうか、この監督。ヤクザ役は「ボーン・レガシー」で最後のチェイスをする刺客役の、アジア系の俳優さんだった。驚くべきセリフの少なさだ。主演のエイドリアン・ブロディの情け容赦ない非情なキャラは、まあ悪くなかった。

 しかし、「1」も「2」も殺し殺されのアクションやモンスターのギミックがメインの映画だったには違いないが、それだけ抽出して見せてもダメなんだな、というのが良く分かった。それ以外の要素も物語を膨らませるとか味付けとか変化をつけるとか、一応ちゃんと意味があるのである。それを反面教師的に教えてくれた映画だった。合掌。

 


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