アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

ためらい

2008-06-21 13:50:15 | 
『ためらい』 ジャン=フィリップ・トゥーサン   ☆☆☆☆★  これも『カメラ』と同じように、再読して評価上がる。やはりトゥーサンというのは不思議な奥行きをもった小説書きのようだ。  あとがきで訳者が書いている通り、これは何も扱っていない、究極的には無意味でしかない小説である。トゥーサンの小説はみんなそんなところがあるが、この作品ではそれが徹底している。「ぼく」は赤ん坊の息子を連れてさびれた村 . . . 本文を読む