秋の彼岸の中日に妙義山麓のつれあいの実家の両親の墓参りに出かける。ことわざ通りの秋の気配が濃厚に感じられる1日だった。
実家はそこに住む兄弟がいなくなり現在空き家の状態。明治中期に建てられたと聞く大きな典型的な養蚕農家の造りで2階に上が
ると、使われていた養蚕器具がそのまま置かれている。敷地内が雑草に埋もれてしまう事態だけは避けようと義弟が年に数回、時
には専門業者にも入ってもらってなんとか維持している。けっこう費用もかかるとぼやく。他に畑、水田そして手の入らない山林
があるが、こんな現代ではまとめて処分しようと思っても容易なことではない。どうなっていくのだろう?
秋の空と思い出の稜線
時間があったのでそのまま妙義神社近くの富岡市が運営するビジターセンターで開催されているの妙義山を描いた絵の展覧会に行
ってみた。初めての場所だが50号はあろうかと思われる力作が並んでいた。多少絵心があるつれあいは熱心に鑑賞していた。私
はといえば館内の別の場所にあったVR鑑賞体験のコーナーに引き付けられた。
内容は妙義山塊の高度な岩登り技術が要求されるあの急峻な岩場を登る様子が見られるとの説明。もう60年も過去の20台前半
にこの山塊と戯れていた。実際に岩登りを何度も体験している。細かなことは忘れたが、表妙義の縦走コースの鷹戻し、金鶏山の
筆頭岩や裏妙義の丁須岩や烏帽子岩等々、この山塊の難所に果敢に挑んでいた。
これを見れば忘れていた当時の思い出の岩場が見られるかもしれないと視聴を始める。立体画像が見られるとは知っていたが、実
際の目にするとこれは凄い画面の連続だ。
仮想現実というのがVRの日本語訳のようだが、若き頃の上り下りした岩場が迫力を持って迫ってくる。いくつかの岩場の画像は当
時のことを思い出させてくれた。こんなとんでもない岩場を事故もなく自分が登ったことが信じられない。見終わって係りの女性
(彼女も実際に登っているという)に感謝の気持ちと当時と今の心境の差を饒舌に話し続けてしまった。
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