平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

世界史上最高の名宰相

2006-05-03 11:46:41 | 古代史と聖書
 小泉政権も残すところ数ヶ月に迫りましたが、首相としての評価が定まるのは何年も先のことでしょう。しかし、世界には何千年も正しい評価をされてこなかった名宰相がいます。その名はヨセフ。エジプト宰相として『創世記』の最後を飾る人ですが、彼が何を為したのかはほとんど知られていません。また、ヨセフが名宰相であった背景に、ヨセフを登用した名君が存在しました。今回は、この二人について書いてみたいと思います。


 ヨセフは、ヤコブが最も愛した妻ラケルの第一子でベニヤミンが弟です。ラケルの姉レアが産んだ6人の子供たち、双方の仕え女が生んだ二人ずつの息子と合わせ、ヤコブの12人の息子を構成します。後に、ヨセフが宰相に就いたエジプトに於いて、ヨセフの二人の息子、マナセとエフライムがヤコブの子供に数えられ、祭司のレビを除いたイスラエル12部族を形成します。しかし、ヨセフが宰相となるには物凄い苦難がありました。

 ヨセフは夢見る人と言われ、両親に特別扱いされて育てられたこともあり、他の兄弟の恨みを買っていました。それで、ドタンという場所で涸れ井戸に落とされて殺されそうになります。これが土壇場の語源ですが、結果的に助けられてエジプトへ売られしまいます。エジプトでもヨセフは苦難の連続で、買われて先で容貌の美しいことから主人の妻に言い寄られ、断るとセクハラの濡れ衣で投獄されます。この時、ヨセフは主人の妻から逃げる際に着物を剥ぎ取られ、それを証拠として提出されました。どうも、これが濡れ衣の語源のようです。多分、ヨセフの着物は濡らされていたのでしょう。

 獄中でのヨセフは獄卒に特別扱いされますが、それでも物が無い時代の獄では、ろくな物しか口に出来ません。ヨセフは13年の獄中で歯が抜け、髪も抜けたと考えられます。こんな過酷な状況の中、時の王が見た夢の解き明かしをヨセフに命じます。王に仕えていた給仕長が無実で投獄され、ヨセフのことを夢の解き明かしが出来る者と知っていたからです。この時の王は、聖書には名前すら書かれていませんが、僕は第2王朝最後のカセケムイであると考えています。その理由は、次の第3王朝からイスラエル王朝になるからです。詳しくは、『私だけの古代史第二部・エジプト編』第9章をお読み下さい。

 さて、エジプト王の見た夢は、7頭の肥えた牝牛と7頭の痩せた牝牛というものでした。ヨセフはこれを、エジプトに起こる7年の豊作と7年の飢饉と解き明かし、神がなさることを王に現されたのだと告げました。カセケムイ王は、ヨセフの知恵に感嘆し、その場で宰相に取り立て、エジプト全土を監督するように命じます。この時のヨセフは30才で、110才まで生きていたと記されています。しかし、アカデミズムはヨセフの実在もヨセフの功績も立証できずにいて、ヨセフの物語の大半は架空とされています。

 けれど、僕はヨセフが実在し、しかも全世界の文化の根幹を築いたことを知っています。正確には、妻のアセナテと共に築いたのですが、アセナテはオン(ヘリオポリス)の祭司ポテペラの娘です。では、ヨセフはエジプトで何を為したのか?聖書には全く記されていない功績を、ヨセフと似ている僕が解き証しをしましょう。

 まず、ヨセフのエジプト名パネアが世界中に広まります。パネアのパは、空飛ぶアヒルのヒエログリフで表わされますが、これが「パッとする」の語源となります。ヨセフは食糧を管理したので、パネアからパンの語源となります。パンをパネと呼ぶ国もあるのです。さらに、7年の飢饉の時には、獄中で磨いた粗食の知恵を生かします。要するに食べられるものは何でも食べたのですが、ヨセフは鳥で象徴されていたので隹(とり)を旁に持つ雑の一文字で表わされます。これが雑穀の語源です。

 ヨセフは他に、パピルス、ピラミッド、彫刻、なども創りましたが、エジプトの絵文字ヒエログリフもヨセフが考案したと考えられます。ヨセフ以前は、公用語は楔形文字であり、ヒエログリフは文字体系としてはお粗末なものだったのです。これをヨセフが表意と表音の双方を兼ね備えた文字体系とし、後の漢字のルーツとなります。漢字といえば、七夕もヨセフを記念した行事です。しかし、ヨセフが開発したもので最も重要なのは行政システムです。それは、地方に分割して統治するというもので、ヨセフの名前から取ってセパトと呼ばれました。これがセパレートの語源です。

 このように、ヨセフの功績は夥しいものがあるのですが、13年も獄中にありながら、その期間を無為に過ごさず、後の宰相としての資質を磨いていたのですから、本当に偉大です。エジプト7年の飢饉を救えたのは、獄中のヨセフが何でも食べることを考えたからです。稗や粟など、それまで見向きもされなかった雑穀を、ヨセフは食べ物として広めたのです。その遺産は、アフリカで主食とする人々によって守られています。でも、ヨセフを取り立てたカセケムイも偉大です。獄中にあり、しかもまだ若いのに、いきなりの宰相ですからね、カセケムイの器も相当に大きかったと理解されます。これからの日本に、ヨセフのような神の霊を持つ宰相が登場するのか。それとも、私利私欲を代弁する政治倫理がこのまま横行するのか。日本は、ヨセフを祖先とする多くの国の宗家として、世界に規範を示すことが出来るのか。日本はこれから大変な時代を迎えますよ。

     エフライム工房 平御幸

 

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