平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

フジキセキの奇跡

2010-12-17 14:25:15 | Weblog
 日曜日は、2才のチャンピオンを決める朝日杯フューチュリティステークスですが、一番人気が予想されるサダムパテックの父は、94年の同レースを制したフジキセキです。あのサンデーサイレンスの初年度産にして、最初のG1勝ちを果たし、クラシック前に無敗のまま引退した名馬です。

 94年は、松本サリン事件、細川内閣崩壊、村山連立政権誕生、記録的な猛暑など、実に今年に似ていた年でした。今年は獣の年でしたが、94年は死の影の年でしょうか。そう言えば、今年のNHKマイルを制したダノンシャンティが、骨折休養明けで有馬記念に参戦するそうですが、ダノンシャンティもフジキセキの子供です。

 フジキセキの子供は、マイルまでの短距離を得意にするケースが多く、ダノンシャンティは傑作マイラーです。マイル以上での牡馬のG1もダノンシャンティが初めてで、例外として南アフリカ(オーストリア産)のサンクラシークがドバイのシーマクラシック2400mを勝っているだけです。では、注目のサダムパテックはどうか?

 サダムパテックが未勝利と東スポ杯2才ステークスを連勝した内容は、一頭だけ抜けた切れ味を発揮した感があります。このイメージは、07年のダービー馬ディープスカイの毎日杯優勝時に重なるもので、サダムパテックは4ヶ月も早く、この完成の域に達しているのです。母の父エリシオは凱旋門賞馬ですから、成長力も期待できます。

 では、来年のダービーはサダムパテックで決まりかというと、そう単純ではないと思います。本来なら、来週のラジオNIKKEI杯2歳ステークスの前に書くべきですが、一週早く恒例の来年予想をしたいと思います。ここ二年続けて、ロジユニヴァースとリーチザクラウン、ヴィクトワールピサとローズキングダムも評価してきたことだし。

 今年はディープインパクトの子供がデビューし、初年度産としては驚異的な38勝も上げています。そのディープの子に対する評価はまちまちですが、思いの外に大物が少ないようです。まあ、父が偉大すぎましたから。しかし、ディープ自身が遅いデビューで成長力もあったことから、僕は以前から長い目でと書いています。朝日杯に出走するリベルタスとリアルインパクトですが、どちらも血統的にマイル前後の馬で、ダービーの2400m向きではないと思います。特に、リアルインパクトは朝日杯の1600mでも長いと思います。

 ダービーに限れば、以前に書いたターゲットマシンや、しぶとく成長しているスマートロビン、距離はちょっと疑問ですが芦毛の大物サトノオー。それに東スポ杯2才ステークスでは5着でしたが見所のあったダコールに期待したいところです。他に、スペシャルウィークの牡馬にしては大物感のあるアドマイヤバーラム、ハーツクライ産駒の2頭リフトザウイングスとウインバリアシオンに注目。

 最近のダービーはスローに展開するので、マイル向きの切れ味のある馬が勝つケースが多く、サダムパテックはその中心であるのは間違いありません。しかし、父フジキセキがダービー前にリタイアしたのにシンクロし、95年は阪神大震災からサリン事件という、翌春の村山退陣に向かう節目の年になったのです。すると、95年ダービー馬となったタヤスツヨシには、しぶとく地味なスマートロビンタイプが重なります。

 95年はスワローズが優勝した年ですから、来年も苦難の中に光がある年になると思います。

      エフライム工房 平御幸
コメント
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