平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

アンプ(SE9060)修理

2009-05-01 05:14:38 | アンプ製作と修理
 以前に紹介した自作のアンプですが、モックアップ(仮組)の状態で音出しをしているので、ちゃんとしたケースに収めたいと思いました。それで手っ取り早く、ケースとヒートシンク(放熱器)と電源がしっかりしていて、しかも壊れているジャンク品を物色していたのです。完動品だといらないパーツを捨てるのに忍びないからです。

 折良く、オークションにテクニクス(現パナソニック)の古いSE9060(通称60A)というジャンク扱いのパワーアンプが千円で出ていました。完動品なら五千円は値が付くと思いますが、一般人ではない業者臭い人がジャンクとするのは、訳ありの場合が多いのです。

 どういう訳か競り合う人がいなかったので、僕が1100円で購入できました。到着した物を点検すると右チャンネルから音が出ません。これがジャンクの理由だったようです。しかし分解清掃をしながら詳細に点検し直すと、このアンプはスピーカー出力端子が通常とは異なっていることに気が付きました。通常は左右にLとRなのですが、このアンプは上下にLとRなのです。入力端子と同じ並びを採用していたのです。

 これに気が付いた僕は、スピーカーのLとRを左右から上下に繋ぎ直してみました。予想通り、壊れていたと思っていた右チャンネルからも音が出ました。業者は知識がなかったので、僕と同じように間違った配線をして音が出ないと判断したのでしょう。4千円は損をしましたね。写真で分かるように、外側のヒートシンクは土埃を被って汚いですが、中は比較的綺麗です。円筒形の電解コンデンサーが膨らんでいないので、余り使われていなかったと分かります。15年くらいは放置されていたのでしょう。

 

 ということで、分解するはずのアンプは完動品だったので、予定を変更して保存することにしました。それでも、ヒートシンクやトランスを外して清掃したので、届いた時に比べて見違えるように綺麗になりました。

 

 さて、このアンプの音ですが、古い時代のトランジスターアンプの性格というか、ややハスキーで気だるい雰囲気を醸し、それでいて低音はちゃんと出るという、なかなか面白い音作りをしています。弟子の所から帰ってきた小型バックロードホーン(パソコン用スピーカーユニット再利用)は低音が全く出ないのですが、このアンプでは低音感が違って聞こえます。さすがは左右独立6電源の威力です。

 僕は自作ではトランジスターを使わないFET派ですが、バイポーラトランジスターは三次歪み(加えた信号の奇数倍の高調波)が出るので、作曲法では禁断とされる13度上(完全5度+1オクターブ)の和音成分が乗るらしいです→こちらのサイト。市販のアンプはNFBという回路技術でこの歪みを取り除いていますが、基本的に和音に難があるのは否めません。対して、FETアンプの方は真空管と同じく二次歪み(加えた信号の偶数倍の高調波)が出るので、これは楽器の倍音成分と同じ働きをします。良くできたFETアンプは空間の広がりやエコー成分が豊富だというのは、基本的に倍音成分を創出するからかもしれません。

 という訳で、次回は100円で落札したヤマハのカセットデッキの修理報告です。何と、ドロドロに溶けていたゴムベルトを自作して修理に成功しました。このベルトの作り方(100円で出来る)などを報告します。

     エフライム工房 平御幸
コメント
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